2017.06.25

A3カーヴ、メンズバッグのオーダーメイド

久々にA3サイズの鞄を

お作りしました。

このクライアントは

建築関係のお仕事に従事しています。

 

図面を持ち歩く関係上

バッグサイズは

A3ホルダーが入る大きさになりました。

 

正面

 

このクライアントはいろいろな小物を

揃えてくださったのですが、

「いよいよ鞄に行きたいと思います。」

ということで

しばらくお考えくださったご様子。

 

鞄を作る、ということは

ご自分の持ち物や生活を見直すことに

他なりません。

このクライアントも

相当精査してくださったようです。

 

前ポケット

 

どんな鞄にしたいか、と考えてみると

定番「カーヴ」

気になることがわかったとのこと。

 

見た目のかっこよさと、

思ったよりずっと軽いことが

気に入った要素です。

 

しっかりと鞄の形が取れていることも、

図面をきれいに持ち歩けるという

条件に当てはまります。

 

側面

 

ご相談は3回に渡り、し直しています。

それは、今までいただいた中で

一番込み入った考え方になる

リクエストでしたから、

どのように解決するかを

製作者側としても何回か精査し直す方が、

間違いない出来上がりになるからです。

 

コロコロ用ベルト

 

また、その行為を通して

ご依頼者自身が本当にそれでいいのかを

あらためて顧みることにもなります。

 

その経過を経て、最後に追加で

リクエストされたのが、

ゴロゴロバッグの引き手に通すループ。

 

そのループをきちんと使えるようにするために

ポケットパーツの製作方針自体、

見直しが必要になりました。

 

なぜなら、バッグの後ろ外ポケットには

たくさんの内ポケットを作ることに

なっているからです。

そのループは、その外ポケットと

相反する考え方を必要とされる

リクエストでした。

 

後ポケット内部

 

このように、相反する内容を

バランスよくまとめる必要は、当店の

オーダーではかなりたくさん出てきます。

 

これが、数字の計算のようには

ぱきっと答えを出せない、最も難しい技術。

 

量産品にはまず

こんな難しい題材自体持ち込まれませんから、

クライアントが目的を持って行う

フルオーダーの難しいところ、です。

 

ストッパー

 

しかも、この鞄のように硬い表面に、

どのようにしたら

こういう内ポケットだらけの外ポケットを

不自然に感じないように

付けることができるか?

 

当店に持ち込まれるリクエストは、

シンプルで簡単なものから

ここまで複雑なものまで、さまざまです。

 

マチ付き3連ポケット

 

本日ご紹介するバッグは

最も難易度の高いもので、

これだけ内ポケットがあっても

重く感じる出来上がりではありません。

 

そんなことからも

お持ち帰りの際、クライアントは

とても満足してくださったのですが、

一点だけ心配なさっていました。

「このループ幅で

ゴロゴロバッグの持ち手は入りますかね?」

 

このループの見た目は、

持ち手ほどの幅にしか見えません。

なるべくコンパクトにしないと、

手で持つときに邪魔になることもあり、

相当タイトに作っています。

 

箱型3連ポケット

 

「お教えいただいた数字と

いただいたお写真から

同じタイプの持ち手ダミーを作って

最小限のループにしていますし、

ループの出し入れも、2本揃って

ワンタッチでできるようにしましたから、

おそらく問題ないと思います。」

 

自信はありましたが、

メールをいただいてひと安心。

 

************

トロリーとの取付部分ですが、

無事、収まりました。

背面のポケットなど、

使いやすく感動しております。

何かありましたらまた、ご相談させてください。

************

ありがとうございます。

 

PCポケット

 

ループを

ぎりぎりのサイズでお作りしたのは、

ファナティックな

技術追及からではありません。

 

外ポケットの面への力のかかり方と、

ゴロゴロバッグの上での収まりの良さも

考えて、敢えて選んだぎりぎりさです。

かなり使いやすいと思います。

 

ダミー

 

当店では、

ひとりのクライアントのために

親身になって使いやすさを追求し、

必要なパーツやダミーの数を

最小限にあぶり出し

効率の良い方法でお作りしています。

 

「欲しいものが、きちんとできあがる」

ご注文者からすると

当たり前のことのようですが、

 

難しいリクエストが

簡単に出来上がったように見えるとすれば、

それが「最高のプロ」の証拠です。