実際のオーダー例
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キャッシュレス用カード入れになった定期入れと新しいコンパクト財布
2023/03/20久しぶりのクライアントが
おいでくださいました。
「この定期入れを作ってもらってから
在宅勤務になって
定期入れを使う機会が少なくなったんだけど、
生活がどんどん変わってきたら
キャッシュレスカード入れとして
すごく便利に使えることがわかりました。
そうしたら、小さな財布が気になって…
いまは札入れと小銭入れを分けているので、
それが面倒になってきました。
それで他社も併せて探していたら、
御社のこれが気になって。」
お作りした定期入れの現物を拝見しますと、
何とよく革を育ててくださったことか…
ぴかぴかの若々しい風貌をしています。
「表面と裏面で触り心地が違うから
(表面にはポケットをお付けしました)、
手で触ればどっちの面かがわかります。
そうすると、表面の内側に交通系カード、
裏面の外ポケットには
キャッシュレスのカードを入れてあるので、
改札を通る時はこっち、
キャッシュレス決済の時はこっち、と
ぱっと扱えるのが便利なところです。」
真ん中のパタパタするパーツもいれて、
合計6枚のカードを別々に入れられる
定期入れとしてお作りしましたが、
強い磁気カードである交通系カードとも
入り混じずにお使いいただけているようです。
良かったです。
「だから
財布を小さくしたくなりましたね。
この定期入れを使い出してから
財布にはカードは3枚しか入ってないし、
小銭入れを別に持つのもイヤになりました。」
「定期入れはなるべく小さく作って欲しい
というご要望に沿ってお作りしてますから、
最初はカード入れがきつかったと思います。
よく使いこなしてくださいました、
ありがとうございます。
革の性質を知らない方でしたら、
ここまで小さなサイズでお作りすると、
馴染むまでに使わなくなってしまう方も
いらっしゃるほどの、ギリギリサイズです。
長いお付き合いをいただいてますから
たぶん大丈夫と思ってましたが、
嬉しいですね!」
「これはほんとに完璧なサイズです。
たしかに最初は硬かったですし
全体的にぼわっとした膨らみがありましたが、
これは絶対良くなる、と思って使いました。
今はこんなに柔らかく、
小さくなりました。
通勤が無くなったことで
馴染むまでに
いつもよりお時間かかりましたけどね。」
上のお写真はヨコ面を撮ったものですが、
磨き仕上げもとても美しいままで、
真ん中のパーツを
少しだけ内側に入れ込んでいますから、
収まりもとても良いわけです。
それがこちらのクライアントの
美意識の高さでした。
作った側からしますと、
末代まで語り草になるくらいの大変さでした。
下のお写真を撮った理由は、
3枚のカード入れが底のラインで
ピタリと揃っているから、です。
この製作方法でボトムラインを揃えるのは、
至難の業です。
そのような製作物でしたから、このお品は
アトリエで技術者たちに見せられました。
みんな一斉に
「きれいに育ててくれましたねえ。
新品の時よりずっと良くなってます!」
と驚きの声を上げたほどです。
というわけで、話に花を咲かせながら
「他のコンパクト財布も気になったですよ、
おまけに店頭だと
ショップに出てないものも
たくさんありますね。」
いくつもの財布を店頭でご覧になりながら、
ついにお決めになったのは
この新定番でした。
「それぞれの特徴を
店頭で説明していただくと
よくわかりますね。
同じように見えてお値段がなぜ違うのか、
私たち素人には全くわかりませんが、
こうして説明していただくと
どこが手間がかかるか実際によくわかって、
だからそういう形になるんだ、
そしてそこがこの製品の特長なんだ、
なるほど、と納得します。」
シンプルに見えて一番手の込んだお財布
をお選びになったので、
ご説明した内容を愉しんでくださいました。
このたびもありがとうございました。

オーダーメイドバッグの良さ 30111
2023/03/17身の回り品に
上質な品々をお持ちのクライアント。
当店では、8年ほど前
長財布と小銭入れをお持ちくださったのですが、
「気に入って使っています。」とのこと。
きれいにエイジングしたヘビ革の小銭入れが
すばらしく輝いています。
ありがとうございます。
「今日、じつは
他のお店へバッグを見に行ったのですが、
そこがやってなかったので
気になっているバッグのあるこちらへ
来ることにしました。」
こういうのがほんとのご縁というのでしょう。
クライアントが気に入ってくださったのは、
別名をマットーネと言う
エレガントで格の高いバッグです。
格が高くても、疲れずにお持ちいただけます。
このマットーネは、日本には
エグゼクティブの方にお持ちいただける
女性用のバッグがなかなかないので、
それを意識してデザインしたバッグです。
1点ものでお作りした製品は
ちょうど売れてしまい、
現物をお見せすることは出来ませんでしたが、
ちょうど、デザイン違いで同じような仕様の
ダミーバッグがあったので、それを使って
大きさ確認をしていただきました。
これもまたセレンディピティです。
「ひとつ目なので
何にでも合う色が良いです。」と
ヌメのダークブラウンをお選びになりました。
それがお写真の本品です。
お色は控えめですが、クライアントからは
「でも、決して地味ではありませんね、
しっかり主張しているデザインです。
私はフタのカットが気に入りました。」と
ご感想をいただきました。
気に入っていただけて嬉しいです!
お渡しの時、いろいろお話ししてましたら、
「ここへ来る前、ブランドにもいくつか寄って
候補製品を見てきました。
わたしは
Hで買うのを止めて、このお店へ来たんですよ!
どのH店舗へ行っても良い革がないとかで、
革の色にあまり良い物がありませんでしたし、
それだけの金額のものなのに
自分の使いやすいポケットではないし…
それで、あ、オーダーしよう、
と思ってこちらへ来たんです。」
くクライアントは
いたずらっぽく笑って、こうおっしゃいました。
「自分が納得するものを
買いたい、と思います。
ブランド名や、みんなが持っているから、
という理由ではなく、
使いやすくてステキだから、ということが
私にとっては大事です。
道を歩いていて
同じバッグを持っている人に出くわすなんて、
ちょっと耐えられませんね。」
「それにこのバッグ、
お弁当を真っ直ぐに入れられる、って
良いですよ。」
革のお手入れについてお話ししましたら、
「ヘビ革でよくわかりました。
たしかにヴァセリンは良いですが、
付け過ぎてはだめですね。
最初、ちょっと付けすぎたことで
それがわかって…
そういう意味では、革には
人間の自然の手あぶらが一番いいと思います。」
観察力のあるクライアントですから、
よく観察をすることで
最高のお手入れ方法にたどり着いています。
ヴァセリンは手が乾いているな、と感じたら
ハンドクリームのように付けて、
それ以上はヴァセリンを足さずに
手で革製品を撫でてあげる、
という使い方で十分です。
今回、こちらのクライアントのおかげで、
新しいマットーネが誕生しました。
持ち手のデザインを変えたのです。
鋭いアドバイスをありがとうございました。
どうぞ長くお使いください。
そのうちどこかで、
革の育ち方をお見せくださいね。

ふたつ目の小銭入れ&キーホルダー 301N
2023/03/15「やはり前回の小銭入れが良いです。」
一度は別の小銭入れ&キーホルダーを
お買い求めくださったクライアントから、
以前フルオーダーでお作りしたお品を
再度作って欲しいと、ご依頼を頂戴しました。
フルオーダーメイドでは、
細工の凝った小物は
どうしても高価になりますが、
だからといって別のものに変えると
やはり使い勝手が良くない、と感じるようです。
それ以上に、
一度完璧な使い勝手のお品を使ってしまうと、
別のものを使う時に感じるストレスは
却って大きくなるのですね。
「日常で、こんなに
ストレスを感じることはなかったですよ。
使うものは大切ですね。」
私どももいつもブログに書いておりますが、
日常で少しストレスのあるものが
いくつも出てきますと、かなりの負担です。
何かひとつのものが、
快適なものから不快なものに変わった時の
ストレスは、それ以上かもしれません。
前回普通のキーホルダー金具を使いましたが、
今回は「キーは二つで十分。」という
ご指示をいただいたので、
キーホルダーの付け方を変えました。
これで金具がじゃらじゃらせず、
さらに快適に使えるのではないかと
思います。
この小さな小銭入れ&キーホルダーには
予備のカードも入りますし、
小銭を取り出す時に
ファスナー部が充分開くので、
たしかに使いやすいと思います。
しかし、この形は
とても製作が難しい形です。
同じように作れるところは
ちょっとないでしょう。
高価ではありますが、
長く続く快適な毎日をお約束できます。
お使いいただいて何か起こりましたら、
いつでもご相談ください。
ありがとうございました。

思いっきり小さなミニ財布 302N
2023/03/13「想像してたよりずっと
小さい財布ができましたね、
とても薄いですし!」
開口一番、
愛おしそうにお財布を触ってくださった
クライアント。
「お持ちした見本ほど
薄くできないのではないかと
思ってましたが、ずっと良いですね。」
このコンパクトな二つ折り財布、
お見せいただいた見本は
お札がギリギリ入れやすいくらいの
サイズを狙った、小さなものでした。
「この見本の横幅より狭くすると、
今度は使いにくくなってしまうんですよ。
ちゃんと考えられた既製品ですね。」
見本品がある場合、
デザイナーにお見せいただくと、
お持ちくださった製品の一番のキモまで
看破しますから、
クライアントのご希望内容は
話の内容以上に感覚的に伝わります。
「今までのお財布を持っていると、
小さいのは良いんですが
カード入れがちょっときつめなのと
家の鍵をしまう場所が無いのとで、
どうしても不便をしてました。
それだったらオーダーかな、
と思ってやってきました。」
「それと、こういう
つやつやになって手触りの良い革が好きで。
触ってて気持ちがいい革ですね!」
お受け取りの時、微笑みながら
ずっとスリスリしてくださっています。
ああよかった、と思うのは
こんな時です。
この財布には
じつは大きな秘密の製法が入っています。
それはファスナーの帯の色。
女性クライアントの方に、革の色を
キャメルでお選びいただいのですが、
材料として、ファスナーの帯の色に
なかなかピッタリのものが存在しません。
そこで行ったのが、自分たちで「染める」こと。
成功するかどうかわかりませんでしたが、
市販品のラインナップには無い
ちょうどこちらのクライアントにお似合いの
微妙で、淡いお色を出すことができました。
「そうすると、ますますこのお財布は、
世界で1つですね!」
嬉しそうなクライアントのお顔が忘れられません。
この度はありがとうございました。

大切なカード入れのご注文 21209
2023/03/12「パートナーのお父さんの形見の
カード入れというか定期入れがあるのですが、
それと同じものを作って欲しいです。
ずっと探してきたのですが
市販で見つけることができなくて…
私からの誕生日プレゼントです。」
ご来店いただいたお二人の会話の楽しいこと。
定期入れは4年お探しになって、
それでも見つからないので
「オーダーなら作ってくれるのでは?」と
思い至り、当店を見つけてくださったそうです。
「ほんとにこういう製品って
売ってないんですよ。
カード入れだと定期を入れるところがないし、
定期入れだと
カードがたくさん入りませんし。」
元々使っていたお父様のケースは、
そろそろダメになったから、という時点から
4年以上が経ち、
「ついに窓のフィルムも壊れて
ここの革もぼろぼろになってしまいました。」
「でも、この形がないのは仕方ないですね。
というのは、これには
とても変わったところがひとつあります。
1枚目のお写真に見えるポケットと、
その裏面に付けたポケットの上下が、
逆さまだからです
(現物の位置は違っていますが、
上下が逆さまなことに変わりありません)。
もしかしたら製造中に
間違った方向で付けてしまって、
誰も気付かなかったのかもしれませんね。」
などとデザイナーがお話しして、
3人で笑っていました。
同じ形を4年ほどお探しになったお話は
ピックアップ時に伺いました。
まさかそんなに長くお探しになったとは知らず、
このフルオーダーメイドが
もっと広く知れ渡ると良いのに、と思いました。
このたびはありがとうございました。