オーソドキシーは、オートクチュールブランドです。イージーオーダーであってもオーダーしてくださるクライアントには、一人一人専属の職人を雇っていただくことになります。
当店の職人は、一人一人が幅広い技術を持つスペシャリスト。みなさまのオーダー品が、どのように作られていくのか、しばし御覧ください...。
*ご紹介するのはフルオーダーメイドの製作方法です。ここから、型紙づくりと試作づくりを無くした内容が、イージーオーダーの製作方法となります。ご了承ください。

スケッチ画から型紙を起こします。なんと「図面」は一切使いません。できあがりサイズくらいに切った厚紙の上に大体のラインを描いてから、何度も修正して思い通りのラインを出していきます。
写真は型紙を作っているところ。これはあくまでも全体のラインに過ぎないので、マチや持ち手、果てはファスナーの引き手のように小さなものに至るまで、全部で20枚位の型紙を作っていきます。

革を使ってダミーを作り、大きさやプロポーションを確かめます。クライアントのオーダー品一つ一つに対して行われる、最も神経を使う作業です。もちろん一人の職人が、最後まで責任を持って仕上げます。

作り上げたダミーのラインを、イメージ通りに調整します。図面の様な平面的な考え方だけでは、美しいラインは出せません。できあがったラインはデザイナーによって必ず確認されます。
36年間、「イメージと違った」というクレームが一切ないのは、こういった地道な作業の積み重ねによるものです。

また、「特別なものを入れたい」というご要望がある場合、中身に近いダミーを紙などで作ります。
写真は、指定された寸法の折りたたみ傘のダミーを作って、それに合わせたループの採寸をしているところです。

こちらの写真では、紙のダミーが丁度良い具合に入るように、実際のポケットを調整しながら作っているところ。
この「丁度良い具合に...」というのが実はくせ者で、人によって感じ方が違います。そこは必ずデザイナーがクライアントに合わせた寸法で決定します。

最終の組み立て場面。それぞれのパーツがきっちりと決まり、いよいよ組み立てです。美しい仕上げにする為に、なかなか気を使う工程です。

写真はかなりの大物。一人で縫うことが出来ない大きさのものは、二人がかりで縫います。革は一度ミシンの穴を開けてしまうと元には戻りませんから、失敗は許されません!初めて売り物を作る職人には、胃が痛くなるほどのプレッシャーです。