革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

Order example

2018.10.25

5年物、毎日使っている当店オーダーリュックの修理 84

2014年にお作りしたリュック

毎日お使いいただいているとのことで

修理に回ってまいりました。

 

超大作でしたから

ものすごく印象に残っている

リュックでした。

 

 

「いや結局ね、毎日使ってます。

だから、肩ひものところが

切れてきてしまって…

簡単な感じで直していただけませんか?」

 

横幅30センチx高さ41センチという

革のリュックとしては

かなり大きいものでしたが、

 

中を上下二段に仕切って

それは細かい細工をたくさんしました。

それでも軽く作っていただきたい、

というリクエストをいただき

製作はかなり大変でした。

 

 

出来上がり時の重さは

女性が背負ってもおお、軽いと感じるくらい

軽くしましたので、

 

ご注文の時点で

「革製品の保ちは、重さに比例します。

これだけ軽くして、この作りであれば、

正直

どれくらい保つかはわかりません。」

とお話しておりました。

 

 

それがあって、さしあたり

今回の修理は簡単に済ませ、

もっと壊れてきたら再度注文しましょう、

というお話になりました。

 

ご理解いただけて、大変ありがたく存じます。

 

余談ですが、いろいろな

有名ブランドも、ここ10年ほどで

かなり素材を軽くしてきました。

 

それで何が起こったかと言うと、

今までなら20年ほど使い込んだものかな?

と思われるお品物が当店に持ち込まれ、

 

じつはそれが

購入からわずか1年という

短期間しか使われていないものであることが、

増えてきたのです。

 

「丈夫だと思ったのに

1年で壊れてしまったから、

もっと丈夫なのを作ってください。」

 

 

軽い=重いものと比べて保ちが悪い

という事実は当然で、

それは

有名ブランド品だからありえない、とか

高額なものだからありえない、

ということはありません。

 

それが証拠に

もう20年以上前のことですが、

あの重いことで有名?な

某H社の革のバッグですら

ガンガン使って一年で使いつぶす女性を

当時何人も見てきました。

 

それでは、

今までは「重かった」ものが、

見た目は変わらないにもかかわらず、

なぜ「軽く」できるのか?

 

それを考えていただければ、

何がどうなって軽くできているのか、を

簡単にご理解いただけると思います。

密度が低くなることで

当然、保ちも悪くなります。

 

 

軽い=身体が楽をできる

しかし、もの保ちは悪くなる、と

お考えいただきますと、

持ち物の重さというのはバランスなのだ、

と気づいていただけることと思います。

 

そして使い方。

例えば1000回が限界であるなら、

毎日使えばその限界は1000日で来ますし、

二日に一回ならその倍は保ちます。

三日に一回なら…となっていきますね。

 

それは、お持ちになる方の選択です。

身体が楽をすることを第一にするのなら

毎日持つことが最良です。

 

当店は常に、

クライアントの年齢や性別、

オーダー品の中に入るもの、

移動方法などを聞き取りして、

もっとも難しいバランスについて

毎回毎回考えています。

関連記事

  • 外に小銭入れの付いた札バサミ 31103

    外に小銭入れの付いた札バサミ 31103

  • 「ジーヴズ」(ファスナー式財布)

  • ブリーフケース

同様のアイテムを見る: