2021.03.31

シンプルデザインのクラッチバッグ(メンズ鞄) 009

 

久々にお作りしたメンズクラッチバッグ。

革の良さが引き立つ、シンプルデザインです。

 

じつはシンプルなデザインほど

出来上がり時のごまかしが利きません。

 

 

ごまかし、と書きましたが、

別の言葉に言い替えますと、

「より注意して作る必要のあるアイテム」が、

「シンプルなデザインのお品」という意味です。

 

 

 

人間の目はほんの少しのゆがみでも

「感じ取ることが出来ます」から、

そういう意味で、

0.1ミリの狂いでも

「なんか変だなあ」と感じるわけです。

 

ところが革という素材は、

クセの付け方ひとつで

ラインが違って見えることもあるくらい、

ある意味フレキシブルな要素を持ちますから、

それをきちんとさせるのは

みなさまのご想像より、難しいことです。

 

革は伸びますから、使っているうちに

形が変わってくる、という性質もありますし。

 

 

 

出来上がり時、とくに今回のように

直線で成り立っているデザインで、

フタを一点で留めるタイプの場合、

下手をすると

出来上がり時にそのブレが表れます。

 

似たようなアイテムに、

レディスのハンドバッグタイプがあります。

そんなわけで、

フタを真ん中一点で留めるデザインには、

熟練した製作技術が求められます。

 

 

 

さて今回のクラッチバッグ、

とても懐かしかったのが

出し入れのできる持ち手、です。

 

昔はこういったクラッチバッグが

当たり前のように市場に出ていましたが、

今ではほとんど見かけません。

独特のノウハウを使うことで

出し入れできるように製作できます。

 

 

 

なぜフルオーダーメイドのお店が少ないか?

という問いに対して、

「革製品」とは「商品名」ではなく、

アイテム違いの品が集まった「集合名」で、

それぞれの製作技術が違うから、

とお答えしていますが、

 

その一例に、こうした持ち手などの

特殊なノウハウも上げられます。

 

 

 

軽くお作りして、裏地まで革を使った

このクラッチバッグは、

きっと長くお使いいただくと思います。

 

気に入ったものを、快適に、長く使う。

サステナビリティの直球かと思います。

そうした思いで

ご注文くださったクライアントに

感謝申し上げます。