「記念のバッグを作りたいんです。

バーキンの形が好きなので

作っていただけますか?」

お話を伺いますと、

今はバーキンの形が

なかなか店頭には並ばないとのこと。

 

正面

 

「別にエルメスが欲しいわけでなく、

あの形がすごく好きなんです。

それでオーダーしようと。」

 

最初は当面の用途を考えて

コンサバティブなお色を

お選びになったクライアントですが、

たまたまその時お見せした

イタリア製クロコダイル型押しが

頭から離れなくなったご様子です。

とてもお似合いでしたから…

 

正面

 

横長のショルダーバーキンは

エルメス製だと1670gの重さで、

バッグをお持ちの多くの人が、結局

自分で持つのを断念することを

知っておりましたので、

「あの形、オリジナルは重いんですよ。

うちでお作りすると

もっと軽くできますが、

それでも高級な質感を出そうとすると

通常のバッグよりは重くなります。」

とご説明しました。

 

マチ

 

「御社ですと、どれくらいの重さで

できるのでしょうか?」

やり取りの途中で、

お答えするのに難しい質問をいただき、

おおよそのグラム数をお出ししました。

 

簡単そうにお返事しましたが、

それはそれは難しい内容です。

 

誤差は当然ありますから

当初やや重めに言ってましたが、

結果としては1030gという

この位の大きさのバッグによくある

一般的な重さでお作りできました。

 

後

 

640gという重さの差は

当店のA4サイズバッグひとつに

価します。

 

それだけ軽くしても

質感には重厚感もあり、

使っていった後に

カッコ良いくたびれ方をするよう、

全体形状のコントロールもしています。

 

 

 

正直、すごく大変な作業でした。

しかしこれだけの出来上がりの

良さを見ることができると、

手を掛けただけのことは

充分にあります。

 

 

実際の使われ方

 

プロポーションは

数々の写真を見つつも

使う人の使い勝手を一番に考えて

こちらで決めました。

 

たまたま後で出てきた画像に

同じプロポーションのものが見つかり

正式な重さもわかった、

という次第です。

 

パッチポケット

 

内側はエルメスと同じく革貼り。

そして、さくっとポケットをふたつ

ファスナーポケットひとつも

お付けしています。

 

内装内容はすべて

お任せいただいたのですが、

定期入れや名刺入れ、スマホも

それぞれ収納できますから、

きっと今頃は

ご満足いただけていることと思います。

 

ファスナーポケット

 

お届け後すぐ

メールをいただきました。

************

バッグ凄ーく、

凄ーく素敵です❤︎❤︎❤︎

ビックリしました。

御社にお任せして良かったと、

心から思っています。

大切な宝物です!!

重さをやはり気にしていましたが、

おっしゃる通りそれ程重くなく、

直ぐにでも持ちたいです!!

************

 

底鋲

 

バーキンがお好きとお聞きしたので

デザイン面はすべて

オリジナルを踏襲しました。

 

サイズと内装は

クライアントご自身を拝見したので

お薦めをお出ししました。

 

このクライアントがお持ちのところを

一度拝見したいと思う逸品製作でした。


札バサミも

たまにご注文いただきます。

日本で使っている方は

ごくわずかと思われます。

それだけに

仕様内容は様々。

 

外側

 

今回は超シンプルな形状です。

ご希望もはっきりしておりますし、

うつくしい仕上がりです。

 

こうしたシンプルな形状のものこそ

ごまかしが効きませんから、

作り手の、糸目やコバみがきの技術力が

よくわかります。

 

札バサミ用の金具は

問屋さんから仕入れていますので、

正直あまり高級な金具は

ご用意できません。

 

ですから、もしお手持ちで

気に入ったものがあるなら、

その金具を流用することもできます。

 

内側

 

革製品を作る当店では

革素材は、特別なものを持っています。

しかし、金具となると別の話。

 

ファスナーは

最高級のYKK品を使っています。

クライアントには

金物の色と帯の色をお選びいただき、

一点一点、色と長さに合わせて

オーダーで作ってもらっています。

ひと月ほどかかることも

ままあります。

 

ポケット付き

 

しかし錠前や手カン、

その他の金具となると

一から作ってもらうことはできません。

 

金具には、

専門に作る金具やさんがいます。

特別な技術があって

ひとつひとつに対して、

また素材によって作り方も違い、

大雑把に言いますと、

ひとつ新しい金具を作る価格は、

百個の金具を作る価格に値します。

 

要するに、型を作ることが

最も大変な作業といえる業界です。

 

ですから当店のように

多種の金具をほんの少ししか使わない

オーダーメイド店には、

新しい金具をオリジナルで作ることは

なかなか難しいのです。

 

厚み

 

そんな事情もあって

最近お尋ねを多くいただくがま口など

なかなか見つけられない金具も

ありますが、

なるべく上品で丈夫な金具を

ひとりひとりのクライアントの

ご希望に合わせて

見つける努力をしています。

 

とにかく、思ってらっしゃることは

何でもぶつけてみてください。


スマホケースで

こうしたご注文をお受けしたのは

初めてです。

どんなアイテムでも

人の数だけ、アプローチがあることを

改めて感じます。

 

外側

 

とにかくシンプルで、

スマホとわからないところがミソ。

構造から言いますと、まさに

長財布の「バーティ」です。

 

使用例

 

フタのあるケースで

収めてあるスマホを取り出すだけの

超シンプルな形。

ピッタリサイズでお作りしましたから

気持ちよくスーッと収まります。

 

裏地も革で、全体の厚みも薄い出来上がり。

ご相談時間も短く、

考え方のシンプルなクライアントでした。

 

ポケット

 

 

当店デザイナーは、

クライアントとの相談に

アイテム名だけを伺って臨みます。

それは、時に

クライアントの発想には

思いがけぬアイデアがあるからです。

 

厚み

 

ご相談の際、頭から、こう、と

決めてかかっていると、

正しいご注文の意味や、

真に希望していらっしゃることを

取り間違えてしまう恐れがあるからです。

 

フルオーダーメイドのもっとも

高いハードルは、コンサルティング。

 

ご注文をお受けする者が、

頭の中で

パラパラ漫画のページをめくるように、

最後の完成図が出来上がるまで

根気よくクライアントと話し合います。

 

オーダーメイドのおもしろさは、

そんな第一歩からお愉しみいただけます。


市場に数が出回っているとはいえ、

バリエーションが少ないのが

ここ最近の流行品の特徴です。

 

ファスナー長財布も

こんなにたくさん出回っているのに、

自分の欲しいものがない!

という現状です。

 

外側

 

当オーダーメイド店には、例えば

手が小さいから全体を小さく、

厚いのは嫌だから、なるべく薄く、

札がぎりぎり入る大きさが良い、

など、さまざまリクエストをいただきます。

 

だからご面談の時、

クライアントがどのような点を

不便、不愉快と思っているか、

当店では細かく伺います。

 

内側

 

たとえまったく同じ形の札入れを

持ったとしても、

人によって、その使い勝手に対する

感じ方は千差万別。

持ち方も、まったく違うと感じます。

 

毎日使って「これ、いやだなあ…」と

思いながら使うものが

ほんのいくつかあるだけで、

何だか幸せが遠のいてしまう…

そんな気持ちになった経験は

ありませんか?

 

当店が、デザインはもちろん

それ以上に、気持ちの良いゆとり分や

革の手触りにこだわるのは、

クライアントと同じ気持ちを持つ

コンサルタントがいるからです。

 

小銭入れ

 

革製品を使う人と同じく、

作る人たちも千差万別。

結局は、

その人がどういう部分にこだわるかで

出来上がるものが決まってきます。

 

デザイン・技術を認めてもらいたい人、

いわゆる「作品」に仕上げたい人、

ただ作ることが好きだから作る人、etc.…

 

マチ

 

当店は、クライアントに

気持ちの良い革製品を使う幸せを

感じていただきたいと思っています。

 

そして、できればぜひ

使い易くて軽いものを使うことで、

日々、快適にお過ごしいただければ

こんなに嬉しいことはありません。

 

まずクライアントありき。

これが当店がオーダー品を作る時の

スタンスです。


今日はお財布の持ちについて

お話しようと思います。

 

美しい、シンプルなお財布のお写真を

ご覧いただきながら、

このお写真とはまったく関係ない

お話をいたします。

 

お財布を長持ちさせようと思ったら、

いいですか、

まず、お尻のポケットには入れないことを

お薦めします。

それは、革が

汗と塩に消耗させられてしまうからです。

 

そこ以外は無理です!という

声が聞こえてくるほど、男性の方で

お尻のポケットにお入れになる方は

少なくありません。

 

ですから、

お尻のポケットにお入れになる方は、

ぜひ毎日ポケットから出して

陰干ししてください。

 

そして、たまに

水を堅く絞ったタオルで

お尻にあたっている方の表面を

拭いてあげてください。

その後乾かして、

オリーブオイルなどをよ~く伸ばした手で

撫でてあげてください。

 

これだけで、人間でいうところの

洗顔の後

油分を補ったと同じ革肌の状態に

だんだんと戻っていきます。

 

外見

 

またその、お尻に入れるという中で

一番消耗するのは、

ファスナータイプの長財布。

 

ファスナーで閉じている分、

お尻の下でのねじれが大きくなり

ヨレが大きくなるからです。

 

お尻に入れる長財布でも、

ファスナーがないことで、

お尻の下でねじれる力に対しては

圧倒的に融通が効くんですよ。

 

財布内側

 

ですから

お尻に入れるファスナー長財布は、

どんなに高価なものでも

あまり長持ちしないと思ってください。

 

当店では、理屈と経験に基づいた

このような事実を

はっきりと申し上げます。

 

そうすることで、オーダーするかしないか、

クライアントが、ご自分の中で

当確上にあるアイテムをどうなさるか

という決定の目安になると思うからです。

 

札入れ部

 

日本で革製品を売る人は、

なかなかこういうことまで申しません。

それは、知識も経験も少ない人が

革製品を売ってきた、という背景があります。

 

だから今まで、革や革製品について

ほんとうの知識を教えてくれる人が

いませんでした。

 

ものには素材の特徴があり、

それによって

すべき扱いが違います。

 

当店のコンサルティングでは、

そういった根本的な内容までも

必要に応じてお話します。

 

ところで、とても美しい

お財布だと思いませんか?

まさにシンプルイズベスト。


手帳カバーも

人によってここまで違うのだと

思わせられるアイテムです。

 

本日ご紹介するのは

シンプルで端正なカバーです。

 

外側

 

型押しのダークブラウンですので

より柔らかい印象を受けると思います。

 

タシという革には2種類の表面があります。

ひとつはつるつるのスムースタイプ、

もうひとつは、型押しです。

 

よく「何が違いますか?」と聞かれます。

つるつるの革に熱を掛けて、

型を押したものが、型押しです。

 

型押しは、キズが目立ちません。

そして8年ほど使っていただきますと、

型が戻って

結局つるつるの革に代わって行きます。

二度楽しめるわけですね。

 

内側

 

ただ当店の特製牛革は

革の表面がキズ付いても、治って行く革。

顔料を1%も使っていませんから、

そんな魔法のような現象が起きます。

 

顔料は革の表面に載せた

色のシートみたいなものだからです。

キズは、そのシートが削れるイメージ

と思っていただければ、わかりやすいかも。

だから、きれいなお色が出せるのです。

 

当店の革に対して

みなさまにしていただきたいことは、

全体を撫でてあげること、だけです。

特に手入れをしなくとも

貫禄ある風合いが出るタシの革。

ぜひ一度お試しあれ。


見た目以上にたくさん入って

とにかく便利、と

人気のある「ギンコ」。

 

この形を店頭で気に入って

「ちょっと変えたいのですが…」と

長年のお付き合いをくださっている

クライアントが、ご注文くださいました。

 

正面

 

このクライアントは何点か

当店のバッグをお持ちくださっていますが、

出番が多いのは、結局

このくらいのサイズのバッグだということ。

「それが良くわかったので

このバッグを見たら

きっとちょうどいいだろうと思いました。」

 

真正面

 

デザイナーと同じくらいの体格なので

ショルダーストラップの長さも

まったく変える必要がありません。

 

おもしろいもので、

服のデザイナーなども

自分の体格でデザインを進めますので、

デザイナーと同じくらいの体格だと

サイズ感がぴったりときます。

 

ほとんど内容を変えていないのですが、

「外ポケットだけは絶対に欲しいです。」

 

外ポケット

 

それは、定期入れをさっと

取り出したいから、という理由です。

 

以前お作りしたバッグの外ポケットの

サイズがちょうど良かったので、

それくらいの大きさで、という

微妙なご指定をいただきました。

また、ポケットの口のラインにも

美意識の高いご希望がありました。

 

ファスナーポケット

 

それで出来上がったのが、このバッグ。

「私はとにかく毎日持つので、

ワックスを掛けてもらうのも良さそう。」

と、たっぷりワックスを掛けています。

 

この加工だけで

ほとんど手入れがいらなくなるのは、

確かにとても便利です。

 

パッチポケット

 

「ギンコ」の人気の秘密は、

こんなに小さいのに、いざという時

A4サイズの書類が入ること。

 

そして最初にお書きしたように、

見た目以上に中身が入ることです。

 

こうした定番のデザインと大きさは、

デザイナーがしばらく持ってみて

最終的な決定版に落とし込みます。

 

当店では、「使うこと」なくして

デザインはあり得ないと思っています。

一度お試しになってみませんか?


A4二つ折りホルダーがとてもいいです。

仕事に使っているのですが、

趣味の分野でも使いたくなって。」

 

以前ご注文くださった定番を気に入って

ご来店くださったクライアント。

 

ダイヤ柄の革

 

「とにかくA4の紙を折らないで

きれいに持ち運べるのがいいです。

小さい鞄の時でも持ち運べますし。」

使い勝手は最高、と言っていただけました。

 

今回は趣味の時お使いになる

ということで、

おもしろい革をお薦めしました。

 

背面見開き

 

イタリア製の型出し革です。

柄をヨコ目に使って、楽しく仕上げました。

広げた時のインパクトは相当です。

 

型押し革

 

革を変えるだけで

これだけイメージが変わるという例ですが、

これだけの革はなかなか入荷しません。

 

またおもしろい革があった時に

別の革をお入れすることになりますから、

こういった革はまさに一期一会。

 

使用例

 

「資料を入れて、

不必要になったものはその場で捨てて、

A5サイズのノートも入れられるので

メモもきちんと取れます。

 

ペンループ

 

ペンは、どんな太さのものも入りますし

こんなに使い込むとは思いませんでした。」

 

ありがとうございます。

きっと今頃はご趣味の場で、

このホルダーが活躍していることでしょう。

 

ポケット

 

A4用紙は20枚ほどお入れいただけます。

男性にもお薦めのこのホルダー、

荷物をコンパクトにするために

ぜひ参考になさってください。


3点セットで革の色を揃えて

ご注文くださったクライアント。

3点目は、この二つ折札入れです。

 

外側

 

とてもシンプルですが

革の良さと糸の色で

個性を出していらっしゃいます。

 

内側

 

市場にありそうな形ですが

これも何となく少なくなってきました。

 

王道というべきデザインは

素材が良いと、とくに見栄えがします。

 

札入れ

 

今回は、札入れ部分をふたつに分ける

仕切りをお付けすることになりました。

 

このように、定番+α のご注文や

定番から何かを引くご注文も、

使い勝手の目安になる方法です。

 

セット

 

当店オーダーメイドは

どんなご要望にも応えられますので、

 

いろいろなものを参考にして

「こんな用途にも使える!」というような

変わったアプローチを

お考えくださることも、

おもしろいことと思います。


美しいベージュのお色で、

端正な仕様の手帳カバーをお作りしました。

ほぼ日手帳に対するご注文です。

 

外側

 

手帳カバーについては、よく

「定番はありませんか?」と聞かれますが、

残念ながら、答えはNO。

 

同じ大きさの手帳をお使いでも、

一緒にお持ちになる他のメモ帳があったり

ペンを二本挿したり

栞が何本も欲しかったり、と

ひとりひとりの持ち物からして

ぜんぜん違うからです。

 

内側

 

また、ほぼ日手帳オリジナルサイズですと、

厚みが結構ありますから、

お写真のような太い万年筆でも

うまく収まります。

ここにどんなペンを挿すのか、

これもまた十人十色。

 

そういえば、ほぼ日オリジナルでは

ペンループ2本にペンを挿すことで

手帳を閉じるようにしていますが、

当店にお出でになる方の間では

あの形は案外人気がありません。

 

 

後ポケット

 

まあオーダーメイドですから、

世の中に無いものを

ご注文くださるのは当たり前ですね。

 

ご注文のコツは

今まで使ったご自分の履歴から

考えること。

そうすれば、初めて使うもののように

自分に合うか合わないかがわからない、

ということは起こりません。

 

それともうひとつ、

デザイナーにご相談ください。

たくさんの技術や知識の引き出しは、

あなたのためにあるのです。