前回お作りした手帳カバーについて

「良い革製品を欲しいと思って

こちらにお願いしましたが、

使ってみて

すっかりこの革が気に入りました。」

 

と、今度はペンケースを

ご注文くださった

まだまだお若いクライアント。

 

手触りの良さに、

毎日すりすりしてくださっているご様子。

ありがとうございます。

 

外側

 

「今度はこんなタイプが欲しいんです。」

お持ちくださったのは

一枚のカタログページ。

サイズを少し変えて、お作りしました。

 

当店の革を気に入ってくださり、

ほんとうに嬉しいです。

 

ファスナー

 

手触りの良い革、というのは

市販品にはなかなか存在しませんが、

 

当店特別牛革は

香り、手触り、経年変化の

どれをとっても、気持ち良いタイプ。

 

まさにこの革を作りたかったから

栃木レザーさんにお願いし、その昔

10年近くかけて改変してきました。

もう30年くらい前の話ですが…

 

内側

 

その革質を忠実に護っていくのが、

当店の方針です。

無理を聞いてくださる

栃木レザーさんには、感謝感謝!

 

いまの時代、

原皮の傷が多いという理由と、

量産工場で扱えない品質だ

という理由から、

大量生産品ばかり出回る市場のお品には

絶対に使われることのない、

顔料0%、水染めの品質です。

 

なんといってもブランドは、

品質が命。

 

それを死守するために、

すべてに目の届く

小さな規模のお店であることは、

重要なファクターです。


手帳カバーは

たくさんご注文いただきますが、

意外にご注文が多いのが、この2冊入れ。

 

このたびのカバーも

クォヴァディス2冊用のものです。

 

外側

 

このクライアントは、

もともと市販品で

2冊入れられるものをお持ちでしたが、

「ゆとりがあり過ぎて

入れた感じがすっきりしないのと、

余分なゆとりがあるので

ぐらぐらしてしまうんですよね。」

とのこと。

 

見開き

 

良くできた市販品ですが、

サイズに関してはどうしても大きめなのは

仕方ありません。

なるほど、ぐらぐらします。

 

どんなお品でも

ぴたりの大きさで作ることは大変ですし、

 

量産品の製作には

高精度を求められませんから、

どうしても大きめにできてしまいます。

 

内側

 

大きめに作る方が、

出来上がり後のチェックに耐えうる

製品を、作りやすくなります。

 

だから市販品は大きいんですね。

そのため、安価に提供もできる。

「安価でも本当に良い物」というのは

実際、ほとんどあり得ないのです。

 

仕切り

 

当店オーダーメイドですと、

そういう面でも、つねにトライアルです。

 

なるべく小さく、というご希望であれば

可能な限り小さくします。

極力ぴったり、ということでしたら

このようにお作りします。

 

2冊セット

 

じつは今回、珍しく

ちょっと頑張り過ぎてしまいました。

 

なるべくゆとりを少なく、という

リクエストにお応えすべく

細かく調整したのですが、

ぴったりに作り過ぎて、ちょっと

使いづらくなってしまったようです。

 

もちろんそういう場合の調整は、

お買い求めいただいた後も

きちんとしますので

事なきを得たのですが、

 

信頼関係が無かったら、

修正できるにもかかわらず

ただただがっかりさせて

しまったことでしょう。

 

ペンループ

 

もちろんこのクライアントの場合、

こういう風にお使いになる、と実際に

教えてくださいましたので、

きれいに修正できました。

ありがとうございました。

 

当店オーダーメイドは、

これまで36年ものあいだ

おびただしいヴァリエーションを

受注し、製作してきましたが、

いまだに初めてのトライアルが多く、

なるほど、お客さまのご希望も

千差万別なのだなあ、と

あらためて思い知らされます。

 

万一何か不都合があっても

きちんと修正しますから、

何でもご相談くださいね。


当店では、原則として

リフォームのご依頼はお断りしていますが

自社製品に関しては、

無理のない場合に限りお受けしています。

念のため補足しておきますが、当店では

壊れたところを直すのを「修理」

別の形に作り変えるのを「リフォーム」

と呼んでいます。

自社製品の「修理」は、もちろん

どこまでも責任をもって承ります。

 

リメイク前

さて、今回のご依頼は、

以前当店でお作りしたクラッチバッグを

最近あまりお使いになっておらず、

それならば、いっそのこと

お財布に「リフォーム」できないかしら、

というものでした。

もちろん、材料費がお安くなるかも

といった安易な理由からではなく、

いい感じに経年変化した革を

ただ寝かせておくのはいかにも惜しい、

というご愛着からのご依頼です。

 

二つ折り財布

クラッチバッグに使用した

革の面積だけを考えると、一見

お財布としてもけっこう大きなものに

リフォームできそうに思えますが、

パーツを取り付けた跡が残っていたり

永年の使用で、革に歪みが出たり

というところは使えませんから、意外に

小さいものになることが多いのです。

裁断の段階でかなり悩みます。

 

内側

さいわい、オーソドックスな

二つ折りのお財布が出来るだけの革が、

苦心の末なんとか確保でき、

出来立てながらも使い込んだ風合いの

「新しい」お財布が完成しました。

 

札入れ部

こうして新たにお財布として生まれ変わり、

さらにまた何年もの期間

お使いになっていただけることと思います。

幸せな奴、ですね。

使われなかった他の材料にも

ご苦労様、と言ってあげたいです。

ありがとうございました。

 

余ったパーツ


15年以上前にお作りしたリュックは、

手で持てるバッグとしても使えるタイプ。

 

「しばらく使ってなかったのですが、

また使いたくなって。

裏地を取り換えていただけませんか?」

 

裏地張替え

 

他に当時お作りしたポーチも

お持ちくださいました。

 

リュックはタシでお作りしたもので、

ポーチは柔らかいルバル製です。

 

どちらもツヤよく

美しいテリになりました。

よく撫でてくださってありがとうございます。

 

リュック

 

当時の裏地は

よくある布のビニールコーティングで、

だいたい10年ほど経つと

使っても使わなくても劣化し、

べたつくようになるものでした。

 

お色は黒かダークブラウンしか

ありませんでしたね。

 

今は、本来なら

バッグを作るような質のナイロン地を

使っています。

 

10年以上前から

そのナイロン地にデザインを施し、

たとえ黒い色の裏地でも

中が見えやすくなるようにしています。

 

この裏地、現在は

4色の中からお選びいただいておりますが、

裏地のお色が明るくなると

中が見やすくなり、

見ていて楽しい気分になります。

 

ポーチ

 

この素材を初めて使い出してから

もう10年以上になりますが、

この裏地の取り換えは

まだご依頼ありませんので、

前のものより長持ちしそうです。

 

当店は、日々こうして

品質の向上に努めています。

 

それがほんとうにわかるのに

10年という時を必要とするなんて、

驚くような時の流れを

必要とする仕事ですが、

こういうタイプの積み重ねを

必要とする仕事が他にはないと思うと、

「今」には忘れ去られた

「時の流れ」を継承していく仕事、

とも思います。

 

時を経るほどすばらしくなる革は、

あなたを象徴する

アイコンとなってくれている、と

心から感じます。

このたびもありがとうございました。

 


シンプルの極み、というような長財布は

以前いくつかご紹介しましたが、

これはフラップとともに

お札をふたつに折って収納するという

変わり種の、超シンプルな札入れです。

 

二つ折り札入れ

じつは、これは10年以上の時を経ての

まったく同じ形のふたつめのご注文です。

ほとんどのご注文品は、

出来るかぎり型紙を保存しておくのですが、

これだけはさんざん探しても見つからず、

(なにしろ累積した型紙の数は膨大です)

見本であるひとつめの札入れは、今でも

普段使いをしていらっしゃるということで

その場でお借りし、厳密な採寸をして、

オリジナルを再現しました。

 

ポケット

ちなみに、オリジナルのお色は

キャメルで裏地をつけずに作りましたが、

今回はネイビーにワインレッドの裏地で

クールな仕上がり。

 

内側

いかがですか、この薄さ。

ありそうでどこにもない札入れです。

ポケットや仕切りのたくさんある

複雑な札入ればかりが

オーダーメイドされがちなイメージを

お持ちの方も多いと思いますが、

革の良さを生かした、

こうしたシンプルの極みのようなお品も

オーダーメイドならでは、

ではないでしょうか。

 

厚み


ボディバッグがアイテムとして一般化し

それに伴い、当店にも多くの

ご注文をいただくようになりました。

今回はウエストポーチとしてのご注文ですが、

フレキシブルにストラップの長さを調節でき

ボディバッグとしてもお使いになれる形です。

 

ウエストポーチ

こちらのクライアントは、

すでにナイロン製の製品をお使いでした。

ただ、それがやや大きすぎ、

よりコンパクトになさりたいとのことで、

普段お持ち歩きになっている品々を

あらためて実際に入れていただいて

どれだけのスペースが削減できるか

細かなトライアルの上、

全体の大きさを決定しました。

 

ベルト

もうひとつのこだわりは、

いい素材で、より長持ちし、

しかも軽くしたい、というご要望で、

それには当店の、ルバルという革が

まさにうってつけです。

始めから適度な柔らかさをもち、

お使いいただくうちに

何とも言えないツヤが出、

さらに身体に馴染むような

気持ちの良い柔らかさになってきます。

お色は、今いちばん人気の

ネイビーをお選びになりました。

 

前ポケット

見本の製品は、

ファスナーの外ポケットが付いていましたが、

よりスムーズに出し入れできるマグネ留めの

サクッとしたポケットをご提案しました。

 

内側1

また、内ポケットはご本人のご意向で

厳密にどこに何をという風には決めず

大き目のものを4つ、お付けしました。

お財布やスマホやキーケースが

それぞれ無理なく入る大きさです。

 

内側2

「うんうん、この大きさですよ。

すべてぴったり収まります。

革もいい感じですね。」

使えば使うだけ、良さがお分かりいただける

自慢の素材です。

気がついたときに、手で全体を

まんべんなく撫でてください、と

いつもお客さまにお渡しするとき

申し上げるのですが、そうやって

今ごろは可愛がってくださっているのでは、

と思います。

ありがとうございました。

後ろ


これまで、「こんな形見たことない」という

お財布のオーダー例を多数紹介してきましたが

一見、普通にありそうだけど、

よく見るとこれはないなあ、というお財布を

今回はご紹介します。

 

二つ折り財布

二つ折りの札入れの外部に

独立した小銭入れが付いている、という

形自体は非常にポピュラーなのですが

問題は、その開口部の向きです。

一般的なものとは逆に、

今回のお財布は、上の写真のように

お財布の折れ曲がる中心線側が

小銭入れの開口部になっています。

 

隠しポケット

こうしたクライアントのこだわりは、

ひとえに使い手の「手癖」みたいなもので

既製品ではどうしてもなじまない、というか

もっとスムーズに使いたいという

切なる願いの顕われなのだと思います。

 

小銭入れ

そしてもうひとつ、このお財布には

ある恐るべきギミックがあります。

上の写真からはわかりづらいと思いますが

小銭入れが上げ底になっています!

全体のバランスを考えると、どうしても

小銭入れを小さくできない。

しかし、それでは深くなりすぎて

小銭が取り出しにくい。そこで、

「上げ底にできませんか?」という

ご要望だったわけです。

そんなことできるかしら…

と、そのときは思いました。

 

内側

試作(思索?)の末、解決しましたが、

あまりにアクロバチックな作り方で

既製品でこうした作りのものがない理由が

よくわかりました。

手間がかかりすぎるのです。

 

札入れ

もちろん、カード入れや

仕切りのある札入れ部は

いつものように、問題なくまとまりました。

こうしたご要望は作る側としては、

ちょっとした知的な興奮が喚起されます。

それよりもなによりも

お客さまの喜ぶ顔が見れたのが最高でした。

 


久しぶりにお作りした

珍しいA4, 30穴のシステム手帳を

ご紹介します。

 

手帳やノートには様々なサイズがありますが

ご注文で一番少ないものが

このA4, 30 穴かもしれません。

 

見た目

 

当店では、システム手帳の表紙には

2種類の作り方があります。

 

硬い表紙にするか、革だけの表紙にするか?

 

市販品だとほとんどが、

当店の表紙よりももっと硬いタイプです。

 

また硬い場合の表紙の硬さにも、

当店だと、2種類の硬さがあるんですよ。

 

それは人によって感じ方が違う、

ということもありますし

その感じ方は大きさによって違ってしまう、

というさらにややこしい感覚が

あるからです。

 

金具

 

まあ、そんなんこんなんを

クライアントのみなさまひとりひとりに

お尋ねしてからお作りしますので、

「思った以上の出来上がりです」という

ご感想をいただけるわけです。

 

オーダーメイドは

コミュニケーションが命、ですね。

 

内側

 

先日ご来店くださった

女性のクライアントは

ご相談が始まってしばらくの間

緊張してらっしゃいました。

 

ご相談が終わってご注文の段になり、

「今日は良かったです。

私、自分の欲しいものを

どうやって説明したらいいか

わからなくて、すごく緊張してました。

でも、私の考えを

どんどん引き出してくださるので

思った以上の御相談ができました。」

ありがたいお言葉です。

 

セット

 

今回のクライアントは

ご自分の欲しいものをはっきりと

ご自分の言葉で

お知らせくださいました。

ありがとうございます。

 

これは

オーダーメイドに慣れているか

慣れていないか、の違いですね。

 

どちらのクライアントにとっても

革のオーダーメイドで大切なことは、

「ご依頼者と製作者が

一緒になって理想を作り上げること」。

 

どうぞ製作者を信頼し、どんどん

デザイナーを使ってくださいね。


「このバッグが

気に入ってる大きさなんですが、

いかんせん安物の素材で…

すぐ壊れてきてしまいました。

 

同じサイズで

良い革素材でシンプルに

エレガントに作っていただきたいです。」

 

ハンドバッグ

 

女性もののハンドバッグには

柔らかい雰囲気のものと

カチッとした雰囲気のものとの

二種類があります。

 

さてこちらのクライアントは

どちらがお好みでしょう?

 

真正面

 

お話ししていきますと

カチッとした外縫いがお好きですが、

使って行くにつれて

ちょっとくたっとして欲しい、

という難しいリクエスト。

 

ふたあき

 

そこで全体は外縫いにして

かっちり仕上げましたが、

こちらのバッグは

使うにつれてやわやわと

柔らかく馴染んでいきます。

 

これが当店特製牛革の真骨頂!

 

市販品では、硬いバッグは硬いまま、

そして柔らかいバッグは

最初からくたくたなまま、

というどちらかの選択になります。

 

前側ポケット

 

「使って行くにつれて」がミソですが、

このハンドバッグの製作には

当店の革素材しか使っていませんから、

経年変化として

理想的な手に馴染む柔らかさになるのです。

 

これは、他の素材では不可能です。

信じられないでしょう?

 

でも当店の革の手触りを知ることで、

他社製品を持つことができなくなった

クライアントは少なくありません。

 

ファスナーポケット

 

またこのバッグは

見た目が重そうに見えると思いますが、

とても軽くて

身体が楽をできます。

 

それは、革素材だけを使って

当店独自の作り方をしているから、です。

 

デザイナーが、革で

軽いバッグを作りたいと思い始めてから

すでに20年以上が経っています。

 

後ろポケット

 

それでも毎回、もっと軽く、でも

どうしたらさらに持ちが良くなるか、

という矛盾する内容を考え続けていますが、

 

結果として、ひとつひとつ

クライアントのお品に合わせて

レシピを変えているのが、現状です。

 

それが当店のオーダーメイド。

毎日毎日考え、工夫し、

目に見えない努力を重ねています。

 

その研鑽が店の屋台骨であり

みなさまからお寄せいただく信頼の証です。

 

喜んでくださったこのクライアントにも

感謝いたします。

ありがとうございました。


iPhone6と7は同じ大きさです。

plusも6と7は同じ大きさ。

普通の人にはどうでもいい情報ですが、

ケースをお作りする我々にとって

どんどん出る新機種が

どういう大きさなのかは大問題です。

 

さて、今日ご紹介するのは

iPhone6(だから7にも使えますよ)ケース。

 

iPhoneケース

 

クライアントはiPhone4の時から

当店ケースを使ってくださっていて、

デザインはご覧のとおりのタテ型。

数少ないタテ型信望者のお一人です。

ありがたいですね。

 

同じ形を

かなり長く使ってくださってますので、

生活に

少しずつ変化がおありのご様子です。

 

後ろ

 

このたびのケースには

「老人パス」が外から見えるように、

というご依頼をいただきました。

 

ある年齢になると

地方自治体からいただける

バスの万能パスだということです。

 

それでそのパスは

運転手さんに見せるタイプとのことで、

ケースを開かずに見せたいという

ご依頼。

 

マグネット

 

タテ型ケースは、写真を撮るときも

電話で話すときも

向こう側にフタを折るタイプ。

 

電話で話すときは、

うまくふわっと折れるため

とても話しやすいのが特徴です。

 

でも、ヨコ型に比べると

革のロスが多く、歩留まりが悪いので

市販品の量産においては

あまり作りたくないタイプ。

 

内側

 

そしてこのケースには

内側にスイカやクレジットカードが

ばっちり入りますから、

お財布要らず。

 

定期も入ってるとなれば、

これひとつで歩くことができます。

 

「手ぶらで歩けるiPhoneケース」

 

使い方

 

写真を撮るときには

こうしてフタをぐるっと折り曲げると

すっきりとレンズが出ますから、

ケースがずれそう、というストレスなく

どんどんお写真を撮っていただけます。

 

そして、最近の改変。

これは当店の方の改変で、

昔はフタはベルト留めだったのですが、

今では薄い四角いマグネットを

使っています。

 

だからすっきりしていて、開け閉めも楽。

 

切り目仕上げ

 

また、内側に使うシェルカバー

(これは市販品を買い求めますが)、

こちらも最近ではめっきりよくなりました。

 

柔らかい透明タイプなので

落としても割れませんし

スマホ本体のお色がそのまま楽しめます。

 

ものを作って提供する人たちがみな、

いつも切磋琢磨して

もっと良いものを、と努力していることが

よくわかります。

 

経年変化

 

ちなみに、これが昔のケースとの違い。

ずっとすっきりして、使いやすくなりました。

 

「しばらくケースのない状態でいたけど、

どこにパスを入れて

どこにスイカがあるか、いつも探してました。

 

やっぱりこうして全部ひとつに入ってると

便利だね。

忘れ物もしないし、無くさないし、

最悪これだけ持ってれば、困らないから。」

 

ほんとに ようございました。

いつもありがとうございます。