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2025.04.19
見惚れるほどのベージュのゾウ革、ジーヴズカードサイズ 503N
とっておきのベージュゾウ革は、
お見せするとすっかり参ってしまう人が
ほとんどです。
本日ご紹介する
カードサイズジーヴズのご注文者は、
すでにゾウ革のジーヴズを使ってらして
その触り心地を気に入ってくださり、
今回のお訪ねとなりました。
でもこの方は遠方にお住いの方なので
メールでのご相談です。
「10年以上前にノーマルサイズの
ジーヴズを象革で作っていただきました。
毎日の出番は無くなりましたが、
大切に使っています。
特に手入れもしていませんので汚れもありますが、
手に馴染んでいるので手放せません。」
なんとありがたいことでしょう!
きっと今では革の表面が
ツルツルになっているに違いありません。
ゾウ革の使い始めは、
表面ががさがさとして
滑りの悪いイメージがありますが、
使っていくことでそれが
滑りの良いツルツルの革になって行きます。
これが他にはない独特の経年変化です。
ショップの定番ページからは
定番革しか選べませんので、この方はまず
それについてお問い合わせをくださいました。
もし同じようなことがありましたら、
何でもお問い合わせでお尋ねください。
今月末、そして来月中には
再改変が完成した
ウェブページを公開しますので、もっと
お問い合わせしやすくなると思います。
*じつは1月に改変をアップしたのですが、
不備があって修正しなおしておりました。
遠方の方から
オリジナルレザー以外の革を
お尋ねされましたら、
まずお写真をお送りします。
あればオーダー例のURL。
でも正直、お写真では
ちゃんとしたお色を出せませんから、
候補革を挙げていただいて
実際には革見本をお送りします。
ご覧いただいて
すぐにお返事をいただいたのがベージュ。
このクリアさに抗える人はいないでしょう。
内側にはワインカラーをお選びいただきました。
ファスナーの布の色は
ベージュ系でお任せいただきましたから
少しトーンの差をつけて、
さらにベージュの革色が引き立つようにしています。
出来上がった時、アトリエ内では
技術者たちがみんな集まって
「きれいだね~~」と
このジーヴズを取り巻いていました。
出来上がってお送りしましたところ
とても喜んでいただけましたから、
ほんとに良かったと思います。
そのご感想の中に
「想像以上に良くて感激してしまいました。
ずっと眺めていても飽きませんね。」
という一文が!
この良さを十分にお判りいただき
なんと嬉しいことでしょう。
ありがとうございます。
こちらも10年以上お供させてくださいね。
このたびもありがとうございました。
2025.04.17
理想のショルダーバッグ 412N
お写真を見ると
とてもシンプルなショルダーバッグに
見えると思いますが、
細かいところに気遣いあるオーダー品です。
ご注文者は手の感覚が少し弱く、
開け閉めの楽なものをご希望でした。
ですから、開けやすく閉じやすい
フタ幅と質感にしています。
もっと大きいサイズでしたら、
まずこのような使い勝手にはなりません。
今回は、そういうコンサルティングをしながら
ご注文をお決めいただきました。
遠方の方なので、最初に
ご希望の形を既製品のお写真を使って
ご説明くださいましたが、
そのご希望内容は、プロからしますと
形状と相反する質感を持っていましたから、
現実的に作るとなると
幾重もの方策が必要になるため、
高額なお見積りになってしまいます。
お書きしたように、今回のご注文は
ご希望内容に大きな齟齬があったため
なぜ高額になるのかをご説明し、
どうすればお値段を抑えられるかを
ご納得いただいたものです。
たいていの場合、
面談でコンサルしながら
お話ししていきますと、
それぞれの革の特徴や形の特徴・
質感などをきっちりご説明することで、
無理のない自然な形状で
ご希望通りに仕上がる方向に
お話が進んでいきますが、
今回は遠方の方なので
そのやりとりをメールで行いました。
メールでご希望を伺う場合
今回のようなケースは稀なので、
とても勉強になりました。
最初にざっくりと上記の説明をしてから
お見積もりをお出しし、
もっと別の方法ならば
お見積もり金額を落とすことができると、
お話しすべきだった、と思います。
ところが今回は
最初にご希望通りのお見積もりだけをしたため、
ちょっとなあ…とこちらが
感じるような金額になってしまいました。
これが
「言われた通りに作る」だけのことなら
プラスにならない、という具体例です。
コンサルティングが超必要な場面。
ご注文者が当店に期待する
「どんな形でも作ることができる」ことと、
製作上の形状と希望の質感を
「無理せずきれいに合わせる」こととが
齟齬をきたす場合、
お見積もりが高くなることは必然だ、と
最初にご説明する方が良いことがあります。
今回はそれに該当しました。
技術面でわかりやすい説明を試みますと、
まず当店であれば、外縫い、内縫いともに
全体の質感を
硬くも柔らかくもお作りすることができます。
ただし、本来柔らかく出来上がる形を
硬く作るにはなかなかのお手間がかかります。
革は
使っていくと柔らかくなる性質だから、
ということもあります。
革の性質をうまく使うことで
加工が複雑にならず
製作できる場合もありますし、
使っていくと柔らかくなることを前提に
出来上がりの形を考えることで、
無理の無い形を目指すこともできます。
製作方法はケースバイケースで
1:1対応でしかなく、
この場合にはこれが当てはまる
というセオリーは残念ながらありません。
そこが
フルオーダーメイドを難しくしている
所以です。
ですからご希望内容によっては、
なかなか良い案をお出しできないことも
ごくたまにですが、あります。
それは、量産品に似たお品を作る場合
その量産品独自の作り方が、
材料から揃えなくてはならない
フルオーダーメイドにとって、ハードルが高い、
という事実から来ることもあります。
今回は最初に
もっと大きいサイズをご希望いただきましたが、
それでは開け口が定まらず
うまく口が留まらないことを、
ひとつ目のダミーバッグを使ってお見せしました。
上のお写真は、サイズが定まった時の
ふたつ目のダミーバッグです。
お使いいただいて少しお時間が経てば、
新品のショルダーバッグも
こんなふんわりした柔らかいイメージに
なっていきます。
いまごろうまくお使いいただけていることを
願っております。
雨除けもしておきましたから
その点も大丈夫と思います。
何かありましたらいつでもご相談ください。
ありがとうございました。
2025.04.15
コードバンファスナー長財布、8年もののメンテナンス 504N
「5年くらい使ったかな、、、
と思ってましたが、8年経ってましたか!
それでもこんなにきれいなんですよ。
でもそろそろ
メンテナンスに出す方がいいかと思って、
寄りました。
コードバンってやっぱりいいですね。」
海外においでになる途中で
新店舗にお寄りくださったクライアント。
*手入れ後のツヤの良くなった長財布
それにしても
コードバンの丈夫さには驚かされます。
どのお写真も、左がメンテナンス前です。
革は透明感もそのままに、とてもきれいです。
磨き仕上げのヘリは
ところどころ擦れていますが、本体は
多少色が薄くなっているところがあるくらいで
まだまだ当分使っていただけます。
だって磨き仕上げなら、
それはそれはきれいに修正できますから。
たっぷりお入れになっていたご様子で、
表も裏もぷっくりと膨らんでいます。
この長財布のファスナーは幅広で、
3センチ近くの厚みがあります。
そのうえ全体サイズを
大きめに作っていますから、
量的にはファスナーの厚み以上に
中身が入ります。
たくさんお入れになりたい場合には、
幾種類かのアプローチがあります。
それぞれの方法には特徴がありますから、
当店ではそれをご説明して、
どれを採るかをお選びいただきます。
*中身は入っていなくても、ある程度の期間
使ったことで、使い慣れた形に定まって行きます。
このタイプの財布の形状で一番消耗するのは、
底の丸くなった部分。
上のお写真の場所です。
この場所が製品の中でもっとも擦れますし、
糸も一番消耗する部分です。
下のお写真は内側です。
どのようにお使いになったか
お尋ねしておりませんが、
擦れた部分はすべて、きれいにお直しました。
当店オリジナルレザーだからこそできる
修繕方法です。
じっくり見ても
いい感じに使い込んだ感じがでています。
まっさらの新品を使い始める時もそうですが、
あまりきれいにエイジングしてない革製品には
少し気恥ずかしいところがあります。
でもここまで使い込んだ感じが出れば、
貫禄があって、見る人の目も変わります。
当店では、店のオリジナルレザーを頭として
エイジングしていく革を多用しています。
また、エイジングしない革には
クリアできれいなお色がたくさんあります。
それぞれの特徴の説明を受けながら、
「革ルーム」で革をご覧いただくのも
楽しい経験です。
「探すよりオーダー」とお寄りくださる方が
増えてきました。
この楽しい買い物を、一度体験してみませんか?
2025.04.11
ワインカラーのリザードジーヴズ 501N
コンパクト財布のジーヴズは、
45年の月日が経っても
ベストセラーを続けています。
これほど長く愛されているお財布は
きっと他にはありません。
この財布の真に評価の高いところは、
みなさまから言われるこんな言葉に
集約されます。
「いったん他の財布に変えたんですが、
やはりこれに戻ってしまいます。」
一体どれだけの人に言われたことか…
それは
このオールインワンタイプのお財布は、
たくさん入れても、嵩張らないからです。
ポケットにも入る、小さいバッグにも入る。
こちらのご注文品は、すでに
別色のリザードジーヴズをお持ちの方が
「もうひとつ欲しいと思います。
前にいただいたのもまだまだ全然使えますが、
ワインカラーに目が行ってしまって。
最近リザードの革も少ないようなので
頼み時かとも思いました。
現在持っているジーヴズの色の変化が
とても気に入っています。
リザードってほんとにきれいです。」
と、ご注文くださいました。
ありがとうございます。
今回のワインは
前回とは対照的なお色です。
ステキなお写真をありがとうございます。
*左が6~7年前のリザードジーヴズで
右は新しいワインカラーのジーヴズ。
クライアントからのお写真です。
前回のリザードはとても微妙なお色で
少しグリーンが勝ったベージュでした。
それが時間が経って
お写真のようなお色に変化していきます。
色の成り立ちは、
多色を混ぜることから
人の目に一色に見える色ができていますから、
その多色の中で抜けやすい色から
主張を無くし、色が変わっていきます。
たとえば、組成している色には
白っぽくなって抜けやすい色があります。
きれいなお色は月日が経つごとに
ぽつぽつと抜けていき、
残った色でその時の全体色を決定します。
これが変色の正体。
日本国内だけでも一色一色に対して
染色会社ごとに異なるレシピを持っていますし、
それがあって、経年変化も変わって行きます。
おもしろいですね!
変化の少ないお色は、
黒やダークブラウンなどの
ベーシック色です。
黄色やブルーなどのきれいなお色は
褪色が早いと思ってください。
お色を選ぶ時、
経年の色変化にも考慮したい方の
ご参考になれば、と思います。
2025.04.9
リザードバッグのその後と新しい定期入れ501N
8年お使いいただいた
リザードブラックのスィーベルを
お持ちのクライアント。
普段持ちとしてはもちろんですが、
出張などもあり
ハード使いになりそうなバッグだったため、
同時期にルバルでも
同じ形を作ってくださいました。
*8年後のスィーベル
(下がリザード、上がルバル)
今回久しぶりに両方をお見せくださり、
どちらも
その美しさにため息が出るほどでした。
ルバルも良いツヤですが、
今ではなかなかこんな大きさの
きれいな革は入手しづらいため、
とりわけリザードバッグには
目が釘付けになってしまいました。
「このバッグが、とても役に立つんです。
お財布や必需品がすべて入る大きさに
変えてもらいましたから、
ほんとに便利に使ってます。
*出来上がった直後のスィーベル2点
マチに取り付けた持ち手をはずして
ハンドバッグにすることができます。
「下のベルトを外して持ち手を上に上げれば、
出張先で夕食に出かける時なども
おしゃれに持つことができますし。
このリザードを見た人はみんな
『どこのお嬢様!?』なんて
冗談で言うんですが、じっさいに
驚いていることがわかります。
こんな素敵なバッグを持っている人は
そうそういないですから。」
*サイズ替えをしたので
この方の入れたいものがしっかり入ります
ずっとご愛用くださっているのは
ありがたいことです。
そして8年経ってもこの美しさ。
たいせつにお持ちくださっていることが
よくわかります。
「こうして持ってみますと
リザードがやっぱりきれいで好きなので、
今度はワインカラーのようなお色で
定期入れを作りたいです。
ジーヴズもこういう色なら欲しいですね。」
ということでお作りしたのがこの定番
とジーヴズ。
このコンパクトで軽いカード入れは、
お店の技術者たちもみんな使っている
優れものです。
それを今回のリザードでお作りする時に
偶然ですが
おもしろいデザインになりました。
下のお写真をご覧ください。
表面と裏面のお写真です。
それぞれの面で
斑柄のタイプを変えてみました。
普段でしたら同じタイプの斑柄で
表面も裏面もお作りしていますが、
ちょっと変えただけで
この自然の斑柄が何倍も愉しめます。
こんな偶然の愉しみ方ができるのも
オーダーメイドの醍醐味です。
ある程度お任せいただきましたら、
こんな遊びもできます。
お受け取り時に
とても喜んでいただきました。
このたびもありがとうございました。
こちらも長くお使いいただけることを
願っています。
2025.04.7
お気に入りのトートバッグ 50203
「このバッグが気に入ってますが、
合皮なので、もっと丈夫で
品質の良いものにしたいと思います。」
はっきりしたご要望です。
見本はちょっと変わったデザインで、
くたくたになったところが気に入ってる
ということなので、
当店オリジナルレザーのルバルを
お薦めしました。
ルバルの革は、ある程度厚みがありますが、
芯のある、柔らかいふっくらした素材です。
使っていくとどんどんくたくたとして行って、
とても良い手触りになっていきます。
その、くたくたになり方がちょうど良い、
というか、
カッコよくなっていくのでお薦めしたい
すばらしい素材です。
外縫いの場合、端(コバ)処理も
磨きでできますから、
牛革としては消耗も少ないことも良い。
このバッグはパッと見
普通のトートバッグですが、
ちょっと変わった作り方をしています。
本体のパーツとしては2枚だけで、
まったく同じパーツの2枚ですから、
製作方法としては「超合理的」です。
見本バッグは
縫い方が布や合皮に向いた作り方で、
量産前提の製作に特化していますから、
これを上質な革で作ることは
まずしない、あるいはできないタイプの
製作方法になっています。
安価な牛革であれば
合皮と同じ性質ですから、
無理な製作ではありませんが。
そういう加工もできる
高品質素材であることが、
この「ルバル」の真骨頂です。
内側の内装は
ほぼ見本と同じにしています。
プラスしたのは、携帯電話用のポケット。
バッグがくたくたになった時のことを考えて、
鞄の上部、真ん中にお付けしています。
いろいろな面で
「珍しい作りのバッグだったね。」と
製作方が勉強になったオーダー品です。
このたびはありがとうございました。
お使いいただいて何かありましたら、
いつでもご相談ください。
2025.04.5
クロムハーツのバックルにベルト 50207
重量ある独特のベルトバックルは
クロムハーツの昔のお品。
気に入ってらっしゃるベルトでも、
10年ほどお使いになって
革の方はそろそろかな…と、
ご依頼者は感じたようです。
件のブランドには現在も
同じバックル製品はあるようですが、
無茶苦茶高額になったとのこと。
「それは…信じられない値上がりで、
昔お買い求めになって良かったですね。」
ということで、このバックルを活かして
同じ形のベルトを作りたい、
というご依頼を頂戴しました。
ベルト幅はむしろ狭い方なのですが、
バックルの存在感に合わせて
厚みはかなり付けています。
さすがバランスの良いデザイン。
また、ベルトの中央からヘリへと向かう
厚みの傾斜が、変わったデザインです。
下の2枚のお写真をご覧いただきますと、
その意匠をお分かりいただけると思います。
お引き取りでご来店いただいた時に、
「今日はこのベルトを着用しようと
ベルトなしで来ました!
うん、さすがにぴったりです。
それと、
端っこの処理がこちらの方がいいですね。」
さすが良くご覧になってらっしゃる。
元のベルトの端(コバ)処理は
色を載せるタイプで剥げてくるタイプです。
「これだと直せないですよ、
だから禿げっぱなしになってしまって。」
当店オリジナルレザーは
染色→磨き→という仕上げ方なので、
あとで擦れて色が薄くなってきても
持ち主の方でもさっと直すことができます。
それもまた楽し。
きれいな酸化の仕方をした
クロムハーツの製品についてお尋ねしたら、
「この酸化は、自分で行うんです。」
という驚きの答え。
この方でしたら、きっと20年でも
当店ベルトをお使いいただけると思います。
このたびもありがとうございました。
2025.04.3
史上初の大きさ、特大ダレスバッグ 50202
ひとつだけでも大きいと感じるバッグを、
ふたつお持ちになるというクライアント。
お仕事は不動産業だそうです。
「ふたつ持つのは大変なので、
すべてが収まる大きなダレスバッグが
欲しいと思います。
職場でダレスバッグを持っている人も多く、
鞄の口が大きく開くので
使いやすいと感じました。」
まだお若い方です。
上のお写真を見る限りでは
大きさがわからないと思いますが、
ダレス金具は特注品で、金型から作りました。
ヨコ幅52センチで
A4ファイルがタテに2列入りますから、
高さ36センチのバッグです。
これだけでも驚きのサイズですが、
バッグの厚みは30センチあります。
特別サイズのダレス金具は、
昔なら職人さんが
サイズに合わせて微妙な曲げを行い、
金型を作らず
手仕事で仕上げていた金具です。
時代の変化はこんなところにも出ています。
手仕事では、熟練して
「手加減」を会得しなくてはなりませんが、
金型で作るのであれば、誰でも
図面に従って器械的に作ることができます。
そうすることで、金具の出来に
個人差や経験は関係なくなりますから、
それはそれでよい方法と思います。
ただ、たった1本のために
金属の金型を作るとなると、その金型は
いずれゴミになってしまうことが
「気になる」とデザイナーは言います。
「それと、人間の器用さは
どんどん無くなって行きそうね。」
大きさも普通ではありませんが
さらに特注感の出る内容があります。
それは仕切りです。
3部屋に分けて、それぞれ
入れたいものを入れることになっていますが、
シンメトリーの部屋ではないことと
ちょっとしたギミックを施す必要があることとで、
のちのち多少の歪みが出ることを避けられません。
こういうところは
気にならない方と気になる方とに分かれる
微妙なポイントですから、お渡し時にご説明します。
これほどのお品になりますと、底鋲の付け方も
中身に合わせて付けますから、
それに呼応できるよう
マチパーツの作り方も変則的にしています。
私たちにはこれまで
変則的なダレスバッグを
たくさん作ってきた経験がありますから、
どういう要素で歪むか、
どういう部分に力がかかるか、など
普通の鞄づくりだけでは
知ることのできない知見があります。
そこが、どこにも無いものをお作りする
私たちの強みです。
これだけの大きさでも、鞄の重さは3,580g。
中身はおそらく、
全部入ると10キロ近くになると思います。
それでもこの自重の鞄で保つのは、
内側も革、開け口が金具のバッグだからです。
当然のことですが
要所要所に補強も施しています。
これだけたくさんのモノが入る鞄ですと、
小物をサッと取り出せることが
かなり重要になってきます。
そこで、スマホや名刺入れサイズのものには
個々のポケットをご希望いただきました。
「出張も多いので、そういう時
ひとつの鞄ですべてをカバーできると
移動も楽になりますから、
オーダーしてほんとに良かった。」
こちらこそありがとうございます。
うまく役に立ってくれることを願っています。
すべてのモノを入れた状態で持ってみますと、
女性が持つのはほとんど無理です。
体格の良いこのクライアントでしたら
大丈夫と思います。
使った革はハイブランドの革。
雨に当たると白っぽくなることがある様ですから、
雨用のスプレーを2本差し上げました。
うまく使っていただき、
お身体の負担が少しでも減ることを
祈っております。
すばらしいご注文をありがとうございました。
2025.04.1
定番、3分類できる保険証/カードケースを名刺入れとして使った例 502N
8年ちょっとお使いいただいた
オレンジの名刺入れについて
「まだまだ使えて
気に入ってるんですが、
人に預けたらこんな風になっちゃって。」と
同じ形で新しいものをご注文いただきました。
お色でいろいろ悩まれたのですが、
今回お選びになったのは
ハイブランドのロイヤルブルー。
裏地をダークブラウンにしたので、
糸の色も裏地と揃えました。
個性的な選択です。
お忙しい方なので
一回ご来店いただいて、「革ルーム」で
いろいろな革をご覧いただいてから
メールで糸の選択肢をお出しし、」
ご注文いただきました。
新店舗には「革ルーム」があり、
みなさまには
そこで革のお色を見ていただきます。
その奥にはアトリエがあって、
技術者たちがそれぞれ
オーダー品をお作りしています。
さて、この方の
この定番「3分類できる…」の使い方は
名刺入れとして使っていらっしゃり
じつに良くこなれていますから、
早くお作りして上げたいと思います。
お話は変わりますが、当店には
いろいろなご注文の仕方があります。
ご来店いただき店頭で全部お決めいただく、
メールですべてお決めいただく、
その半々で進めていく…
欲しいものがあっても時間がない方でも
満足感あるご注文ができます。
毎日使っていて、気づいたらx年経っていた
ということは、当店ではよくあること。
それだけ気に入って使っていただけるのは
とても嬉しいことです。
このたびのリピートもありがとうございました。
2025.03.30
以前の定番、ザ・二つ折り財布 50109
大事な人へのプレゼント財布を
ご注文いただきました。
長くお使いいただける、
大切なお品として選んでいただけるのは
とても嬉しいことです。
お話を伺っていきますと、
あら、これは昔の定番の形がぴったり?
となりました。
ですが、ご要望からしますと
少し丈夫に仕上げる方が良さそうです。
というのは、
これと同じ仕様の財布をご愛用のお相手は、
とにかく「たくさん入れているんです!」
とのお話。
どれくらいたくさん
入れていらっしゃるかというと、
お話聞いて
「最初からそこまでは入りませんよ。」と
デザイナーが断りの言葉を入れたくらいです。
お札の入れの中にもカードが束になっていて、
現在お使いのお財布も
パンパンに膨らんでいるのだそうです。
でも小さめで薄めがいい、との
ご希望だったのですが、
10年以上お使いの製品とは言え
変型がかなりひどいようですから、
外側だけ、少し厚手に作らせていただきました。
もちろんご同意いただいた上で、です。
厚手の革にしますと
全体を伸ばすのに少しお時間かかりますが、
少しずつ伸ばしていけば
驚くほど保ちが良い革ですから、
もしかすると
20年ほどお持ちいただけるのではないかと
想像しています。
何でも長くお使いになるという方なので、
最終的にはこれがいちばん良いのではないか
というお薦めに、お応えいただきました。
それと、当店のオリジナルレザーは
使っていくとしんなりとして
小さく、薄くなって行きます。
ですから、現在が一番大きく、
あとはどんどんこなれて行って
小さくなって行きます。
今頃はもう、この新しいお財布を
使っていただいていることと思います。
どれほどうまく馴染んで行くか、
そのうち拝見できる機会があると
嬉しいです。
でも何より、お相手の方に
喜んでどんどん使っていただけることを
願っております。
このたびはありがとうございました。