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当店オリジナル革の二つ折り財布:手触りの良さや使い勝手について2023.09.24
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復刻したミニ財布タイプの小銭入れ 305062023.09.22
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プレゼントのショルダーバッグ 307112023.09.19
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A4サイズの置き型写真立てと、持ち運び型二つ折り写真入れ 305062023.09.17
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レッドのコードバン、おそろいの名刺入れ 306052023.09.13
2023.09.24
当店オリジナル革の二つ折り財布:手触りの良さや使い勝手について
「これまでに
いろいろな革製品を使ってきましたが、
5年くらい前にここで作った
オーダー財布の革は、最高です!
この手触りと感触は
今までに味わったことがありません。」
とても嬉しいお言葉です。
*お調べしたところ
6年半近く使っていただいています
「オーダーで特別仕様にしてもらった
お財布が使いやすことはもちろんですが、
それ以上に
どこの革製品と比べても
こんなに気持ちの良い革はありません。
だからパートナーにも持ってほしいと思って。
プレゼントでお財布を作ってくれませんか?」
先日お寄りくださった若いお客様から
当店オリジナル革、ヌメのネイビーについて
こんなご感想を頂戴しました。
このように、当店オリジナルの
革素材についてご理解いただけるのは、
とてもありがたいことです。
*内側もツヤツヤ!
そもそもこの革は、
独自の品質ベースを最初に作るために、
10年ほどの年月、ずっと観察し、
栃木レザー㈱さんの
当時の担当者との研究から産まれた
特別レシピです。
他所の会社にこの革は出されていません。
もちろん今でも
その観察と研究は続いていますが、
今のそれは
当初の品質をなるべく護るためのものへと
変わっています。
*こっちの面はキズついていますが
かなり治っています
対環境の面から、どんどん変わっていく
原皮そのものや鞣し材料の変化、
入れる脂や染料の変化など、
つねに変転していく「生もの」の製造を
昔と同じような品質で作ることの方が、
今では、却って大変なことです。
ですからそのような努力をしているところは
まずありません。
私どもが小さなブランドで
革の使用量が少ないがために
製作可能になっていること
(超一級の原皮が必要なので)と、
栃木レザー㈱さんが
当店を誇りに思ってくださることとで、
続けていただいている特別な計らいです。
*まだまだお使いいただけます
時代の変遷に合わせて品質を変えていくことを
「進化」と呼ぶのかもしれませんが、
人間の五感にとって
それが良いかどうかはわからない、と
デザイナーは考えています。
触れることで気持ち良いと思う
手指の感覚、
鼻に入ったら、よい匂いなので
思わずクンクンして確かめる感覚、
エイジングして表面がつるつるになって
治った傷を見て、愛おしく感じる感覚、
新しい頃とは明らかに違う、使い込んだ時の
キュッキュッという音の感覚、など、
まさに五感をフルに使って
楽しんでいただけるのが、
当店のオリジナル革です。
ですから、このお客様のこのお言葉は
千の言葉に勝るもの。
*6年半ほど前の、作りたての時の同じ財布
以前から、
「寝る時にはこのバッグを触りながら寝ます」
「この革の手触りを知ったら
他の革製品を使う気がなくなりました」
「白くえぐれてしまった傷も、
手でなでていくと治っていくんですね」
などなど、
さまざまなご感想をいただいていますが、
ちょうど現在の革の製造について、
担当者がリタイアした状況になった頃から
変わり目に入り、
何年間も緊張状態が続いていたことが
ひと段落したところでした。
(それもあって、色揃えのこともあって、
4年ほど前から
ハイブランドの革なども扱っています)
*作りたての時の財布の内側
定番をいくつか組み合わせたもので、
小銭入れの向きが変わっています
このお客様の言葉をお聞きしたときは、
ちょうど栃木レザー㈱さんとの
「これから」のお話が済んだところで、
一段と響いたのです。
幸運なことに
品質を護ってくださる担当者と
巡り合うことができたので、
また当店のオリジナル革を
みなさまにお届けできることがわかり、
ホッとしたところでした。
*フランス革の色揃え(一部)
さてここからは
革の色と革質の違いについて、
と内容は少し変わります。
上のお写真の鮮やかな色の革は、
誰もが一目見て「きれい」と思えるでしょう。
しかし人によっては、その後指で触って、
「この革の手触りは硬いですね、
手になじまない。」とおっしゃいます。
そのように感じるのは、革に
きれいな色を出すための加工をすると
必ず硬い表面に仕上がるので、
当然の結果です。
この硬い表面は、ずっと変化しません。
傷が治ることもありませんし、
ツヤが出ることもありません。
しかし、変化しませんから、
ずっと最初のイメージのまま。
これが当店オリジナルとの一番の違いです。
きれいな色の革は、当店の革と対極の革です。
色がもっとも大事な要素である方には
このような革の中から色をお選びいただきます。
当店は、ご注文者にとっての「良い革」は
一人ひとり違う、と認識しています。
*当店オリジナル革の色揃え
しかし、
どうして当店のオリジナル革には
定番カラーしかないのか?
それは、人の五感を大事にしているからです。
でも、当店のワインカラーやネイビーは、
普通のヌメ革にはない色揃え。
自然な五感の感じ方で
気持ちよく使える当店オリジナル革は、
しばらくは健在です。
こちらのお客様からは
「ずっと長く続いて欲しいお店です」
とも言っていただきましたが
(ありがとうございます)、
諸事情でどこまで行けるかはわかりません。
良い品質の当店オリジナル革の製品を
欲しいと思ってくださる方は、
早めにお考えいただくことをお勧めします。
それにしても、こんなにも
当店の革を好きでいてくださったお客様には
感謝感謝です!
おかげさまで、いま一度
自分たちの基本を振り返ることができました。
革を作っていただいている栃木さんとも
新たな歴史を始めることができます。
今回はそれを思い起こさせていただき、
ありがたかったです。
パートナーの方へのプレゼント財布も、
全力でお作りします。
2023.09.22
復刻したミニ財布タイプの小銭入れ 30506
先日ご紹介した大小写真立ての
ご注文者が、当店を探してくださった
きっかけとなった財布、
四つ折り札の入る小銭入れをご紹介します。
30年以上経つオーダー品です。
下のお写真右が、該当オーダー品。
さすがにこれだけ年月が経ち
お使いいただかなくなりますと、
革も風化してきます。
店頭にも
30年以上のバッグがいくつもありますが、
モノは使わなくなることで
劣化が早くなると感じます。
こちらは、たくさんのご注文者から
さまざまなオーダー品のその後を
お見せいただきますが、
その中でも最古の方です。
42年の歴史ある当店ですが、
それは、みなさまが
使っていたお品物を
見せてくださる機会が多い、ということ、
使っていったご感想をくださること、
リピートしてくださる方がいること、
などから
「つねにより良いモノづくりができる歴史」
であります、ありがとうございます。
もし量産品を作る会社であれば、
流れ作業で一回作りきって
売り切ってしまったら、
その製品の真価はわからないままです。
量産品を売る、
ということはそういうことで、売ってから
何らかの不具合が起こったとしても、
その内容が鑑みられることは
ほとんどありません。
時代による変遷で、
ある方向性での技術革新はあると思いますが、
1:多に対する製品製造は
私どもの1:1の注文品生産とは全く違います。
一期一会と言いますが、
ご注文者の好みや生活形態を知ることで
完成されるオーダー品デザインは、
この仕事には不可欠です。
それだからこそ、
生涯でたった一度お会いするだけでも
お互いを知りあうことができ、
お互いを印象深く捉えられるこの仕事は、
何とステキな仕事でしょう。
ですからリピートしてくださる方には、
用途をお聞きすれば
頭の中にデザインができ上って行きます。
みなさまとのコラボレーションに感謝!
2023.09.19
プレゼントのショルダーバッグ 30711
「パートナーに
プレゼントでショルダーバッグを
作ってあげたいです。」
メールで、相手の方のお写真と
この靴に合わせたい、という
靴のお写真を送ってくださいました。
とてもおしゃれな方で、
靴の色は、当店のヌメと同じキャメルです。
ご来店時に
「黒のクロコダイルを入れたいです。」
と絵を描いてきてくださったのですが、
幅が狭いと違和感があったので、
絵のクロコダイルの割合よりも
幅広くして組ませました。
お話し伺いますと、相手の方は
足の長いカッコいい方なうえ、
たくさんの人に
その人が良くなることもしてあげる方で、
ご注文者もその例にもれず。
それでこの方は、次のお誕生日には
オーダーでバッグを作ってあげよう、
とずっとお金を貯めていたそうです。
ステキなお話です。
すばらしいお話を聞けたうえに
ご注文をいただき、
なんと嬉しいことでしょう。
このご縁に感謝申し上げます。
中にお入れになるものも詳しく伺って、
大きくなく小さくなく、
必要なものがきちんと入るバッグを
目指してお作りしました。
相手の方をよくご存じですと
持ち物を熟知してらっしゃいますから、
とてもレイアウトしやすくなります。
また、全体の大きさをどうすればいいか、
判断もつけやすくなります。
大切な方へのプレゼントをお考えの方には
オーダーバッグをする時、
ふたつの方法があります。
ひとつは、普段からお相手をよく観察すること、
あるいは
相手の方と一緒にご来店していただくこと、
と、ご一緒にオーダーを愉しむ方法です。
もうひとつは、目録をお送りして、
相手の方のペースにお任せする方法。
どんな方法でも、
お聞きになりたいことは
何でもお尋ねください。
2023.09.17
A4サイズの置き型写真立てと、持ち運び型二つ折り写真入れ 30506
大切な方を亡くされたクライアントは、
「パートナーのステキな写真を見つけたので、
大きなサイズにして部屋に飾りたいです。」
拝見しましたら、会心の笑顔のお写真です。
自然な表情で、
よくぞここまで良い写真があったものだと
思わずその笑顔に引き込まれます。
*大小お揃いの革で作った写真立て
「お部屋に飾るサイズは
後から考え付いたんですが、最初は
いつも持ち運べる写真入れが欲しくて
こちらをお訪ねしようと思いました。
あと、旅行先などで
立てて置ける小さな写真立ても欲しいです。」
というご依頼でした。ですが、
「そしたら小さな写真立てはひとつにして、
立てられるタイプにすればよいですよ。」
というデザイナーの案にご賛成くださり、
今回は大小ふたつの写真入れになりました。
*大きいサイズの写真立ては
後ろ姿もきれいで、見ていて楽しい
A4サイズの写真用の写真立ては、
まず普通には売っていません。
この大きさの紙をきっちり挟んで
ピシッと立つようにお作りするのは
大変なことです。
また、これだけ大きな革を使っても
どれだけの数 売れるかわからなければ、
まず量産で作られることはありません。
まさにフルオーダーメイド品です。
*L版の写真サイズが入り、
二つ折りなので机上の立ち姿が美しい
小さい方は、特殊な作り方をして、
二つ折りにするとピタリと閉じ、
パッと開けば
きっちり机に立つようにしました。
この薄さ、軽さなら
小さなバッグでも持ち運べますし、
きれいなお色ですから
持っているだけでワクワクします。
*薄くてデリケートな出来上がりですが、
しっかりした質感です
このブルーはイタリア製の革で、
名前を「トスカーナ」と言います。
お写真の方がブルーが好きだったこと、
そして
お二人で何度かおいでになった場所が
トスカーナだったということで、
革をお見せしたとたん
「あ、こちらでお願いします。」
とのご注文でした。
*特殊な作り方にして、持ち運びも軽やか
随分前に相手の方が
下北沢の当店で作った小銭入れを、
大切にしてずっと使っていた、とのことで
私どもを探してくださいました。
長いことお店をやっていますと
訃報もたびたび頂戴しますが、
長くその方の人生に係るお品になれたことは
すばらしいことと思います。
このたびは、ありがとうございました。
2023.09.15
製本されていない台本のための台本カバー 307N
いよいよ「このご依頼が来た」
という感じです。
前回の台本カバーのご紹介で
製本されていない台本が増えているようだ
と書きましたが、
今回ご紹介するのは、まさに
B5の紙の束の台本に対するカバーです。
紙の束台本の場合 紙はタテ使いで、
たいてい
紙の右上をクリップで止めるようです。
厚みはほぼ1センチくらいなので、
製本された台本と同じくらい。
右肩をクリップで留めるということは
おそらく右利きの方で、
右上に向かって用紙をめくっていきます。
ペン挿しが必要なのは普通の台本と同じで、
後はタテに開け閉めするか、
ヨコに開け閉めするかですが、
ナチュラルに考えると、タテ使いでしょうか。
今回のご注文者は、
差し上げる方に使い方をお聞きになって
細かい点に対するご回答をくださいました。
そこからのアプローチですから、
定番の台本カバーとは
まったく違う製品となりました。
こういうリアルな事実が、製品を
より使い勝手の良いものにしてくれます。
ありがたいことです。
実際にB5の紙の束を挟んで
手に持つ様子は、下のお写真のとおり。
サイズもぎりぎりを目指しましたから、
気持ちよく使っていただけると思います。
前回、台本の紙のサイズがどうなるか?
ということを書きましたが、
実際に
こうして使うシミュレーションをしますと、
A4サイズは少し大き過ぎると感じます。
ですから、もしかすると
ずっとB5のままかもしれません。
紙をめくり、ホールドするのも
気持ちよくできます。
初めてお作りしましたが、
きっとうまくお役に立てるのではないか、
という手ごたえを感じます。
お役に立てていることを願っています。
新しい台本カバーを考える
きっかけを作ってくださったクライアントに
感謝申し上げます。
新しい製品は、
新しいご希望とともに生まれます。
まさに
フルオーダーメイドが生んだ製品です。
この度はありがとうございました。
2023.09.13
レッドのコードバン、おそろいの名刺入れ 30605
先日ご紹介しました
お持ち込みのコードバンの
おそろい製品、名刺入れをご紹介します。
今回の2点のご注文には
独特のご希望内容をいただきました。
まずひとつ、それは、
コードバンの厚みを薄くしないこと。
幸いに
あまり厚みのないコードバンでしたから
小物を作っても違和感はありませんでした。
もうひとつは、このコードバンの
ナチュラルな柄をきれいに出すこと、です。
前にご紹介したファスナー財布もですが、
原皮のナチュラルな血筋などを
生かした染め方を施していますから、
この魅力的な仕上がりをステキに見せる、
という目的です。
今回の名刺入れのデザインは
「これいいですね、これにしましょう!」
と、店頭の新しい定番名刺入れを
気に入って、内側の色もお決めになりました。
このご注文者の革への愛はすばらしく、
自然の良さを愛でてくださいます。
傷や血筋を良しとしない傾向のある
日本市場では貴重な、
革の美の持ち方をご理解くださっている
クライアントです。
ですから、ファスナー財布の時も、
質感はナチュラルに、と
革以外の材料は一切使わないよう、
ご希望を承っております。
当店の製法のように
革だけでお作りしますと、
革の性質の良い部分=使い勝手に響く部分
が存分に発揮されます。
それがうまく発揮されるよう、
製品によって、革の厚みにも
驚くほど気を使っています。
最初から存在するかのような製品は、
そんな見えない部分での
製作の挑戦への結論です。
ご理解くださるこちらのクライアントには、
感謝申し上げます。
2023.09.9
「ミッションインポッシブル」なウエストポーチのバッグ 30701
本日ご紹介するのは、
極めた技術を使ったウエストポーチです。
お受け取りの際、クライアントは
おっしゃいました。
「いや、、ちゃんとできたのですね。
完璧な、すばらしい出来上がりです。
(とおっしゃりながら
ベルト部分を強力に引っ張って
パンパン、と丈夫さを確認しています)
じつは、オーダーをする、というお店
数軒に、この見本を持って行って
私の変更希望を話したんですよ。」
「行ってみてなぜかがわかりましたが、
どこからも断られました。
どこも同じ理由です。
『これこれこうだから(←ここでは省きます)
そういうバッグは作れないんですよ、
それは絶対に無理。』。
でも、こうしてできるんですね!
ここでお願いして良かった。
ベルトも、これなら丈夫ですし
(ホッとするデザイナーでした)。」
このオーダー品は、
ご注文者が他所で断られたほど
大変な作りでお見積もりも高く、
心から欲しい、と思わない人でない限り
お断りされるくらいの超特注品です。
パスポートもお入れになるというお話と
それを収める場所からしますと、
きっと海外で頻繁にお使いになるのだと
想像しています。
もしかすると、少し危ない場所でしょうか。
こちらのクライアントからは
ご注文をいただき、
お渡しの段になったところで、初めて
この経験談が明かされました。
上のお写真は
真横から撮ったところですが、
まさにこれが
『絶対に無理』と言われた部分。
下のお写真でも、みっつの
くっついたお部屋はご確認いただけます。
技術の話になりますが、
こういう柔らかい形は「内縫い」と言い、
裏返しで中身を作ってから、
最後にひっくり返す製法で作られています。
薄い厚みで、
しかもどれも同じ厚みの部屋である場合、
どうやってそれぞれ、外側に
部屋よりも厚いパーツをくっつけたものを
ひっくり返すのでしょうか?
これを最初に考えますと、普通は
まずお断りする案件です。
上のお写真でご覧いただけるように、
見本品はもちろん、部屋はふたつ、
ひとつの部屋には
がっつりと厚みがあります。
これがセオリー通りの作り方です。
*なお、サイズは同じサイズです。
何度も書きましたように、
使用中の革製品は、小さく見えます。
デザイナーはそれを考えて、最初は
やはりお断りしようと思ったそうですが、
かつて技術責任者が
「魔法のような技術」で
数々の不可能を可能にしてきたことを
実際に目で見ていますし、
何より
クライアントのご希望をかなえられるなら、
と技術責任者と相談しました。
そのような経緯でお受けしたご注文ですが、
結果として
この奇跡のような製作物ができました。
こうしてあらためて、技術責任者の
技術のすごみを確認したわけです。
当店は、今回のような
「ミッションインポッシブル」を
お受けする技術のお店です。
それも、美しく、気持ちよいサイズで。
どこからもお断りされた内容のお品を、
信頼してご注文くださった
クライアントに、感謝申し上げます。
2023.09.7
お持ち込みのレッドコードバンと紫の革のコンパクト財布 30605
先日コードバンを
お持ち込みになったクライアントが、
今度もきれいな赤いコードバンと
変わった紫の牛革でご注文くださいました。
牛革は内側に使っています。
アイテムはキャッシュレスのための
コンパクト財布。
ファスナーでしっかり閉まります。
特殊なルートで入手したコードバンは
試作革だそうで、
かわいらしいレッドのお色です。
レッドは、今までに見たことがありません。
また、紫の牛革の表面はバフってあって
裏面との区別がつきにくい革で、
このかなり特殊なお色を
よくぞ見つけました、
と思わず言ってしまったくらいです。
ご希望仕様は
スケッチ画にしてくださる方ですが、
斬新なアイデアなので
内容について詳しく伺います。
当初ファスナーの布の色を
内側の革と同じくらいの色で、
というご希望をいただいたのですが、
こういう特殊なお色は
カタログに掲載されてても
廃版になっていることがしばしばです。
今回は第三希望の紫色まで案の定廃版で、
かわいらしい組み合わせとなりました。
若い方なので、キュートにお似合いです。
このお財布のおもしろいところは、
しっかりファスナーで閉まるのに、
開くと、がばと開くところです。
二つ折りにした札を入れるサイズに
カードをヨコ入れに入れるので、
カードが下に沈んで
使いにくくなりそうなところを、
このたくさん開く部分を作ることで、
格段に出し入れしやすくしました。
この部分はクライアントのご発案です。
ダミーを作ったところ
少し気になる所があったため、
それをお見せして
仕様の確認をしていただきました。
すると、ダミーを扱っていて
「あ、こうしていただけませんか?」
という新しいご依頼があったのです。
この店頭製品のマチの無い部分を見て、
パッと思いついたそうです。
ここのマチを一部取り去ったら、
沈んでしまったカードが
取り出しやすくなるのでは?
ということでした。
結果は、ビンゴ!
ご確認がとても良い結果に繋がり、
良かったと思います。
それにしても、すばらしい発想です。
「こんな風に
思った通りに作ってくれるなんて、
とても嬉しいです。」
こちらこそ、ありがとうございます。
この方は、お揃いで名刺入れも
ご注文くださいました。
近いうちに、そちらもご紹介します。
2023.09.5
少し小さくカスタマイズ、定番メガネケース 30602
日本人の感性はすばらしいものだと、
コンサルティングをするたび
思うことがあります。
とくにサイズに関する印象感覚には
優れたものがあって、
容れ物が少し大き過ぎる場合には
それが遺憾なく発揮されます。
デザイナーも
デリケートな感性を持っていますから、
入れるモノに対しての
ポケットや容器の大きさについて
かなり厳しいのですが、
同じような感覚のご注文者は
少なくありません。
今回のご注文者が
どのようなサイズ感を持っているか、
デザイナーはいち早く見抜いて
それに合わせたご提案をし、
それに基づいてモノづくりをします。
今回のご注文者は、イタリアンのシェフ。
よくイタリアにもお出かけになり、と
食べることが大好きな方です。
メガネケースをお探しということで
定番をお見せしましたら、
「あ、コレ軽くて良いですね。
それにすごく小さい。」
荷物の中に入れても
乱暴に扱わない限り
メガネが壊れたこともないので、
デザイナーがそのことを申しましたら、
「これだけちっちゃいとそうかもしれない。」
と、ご注文いただきました。
「でも、もう少し小さくしたくないですか?」
ご注文者が実際に
店頭見本にメガネを入れた時、
デザイナーはご提案しました。
タテ寸法をほんの少し小さくしたのですが、
「これはぴったりだし、
出し入れもうまくできますね。」と
喜んでいただけました。
ブルーも気に入ってくださり、良かったです。
このたびはありがとうございました。
2023.09.3
デザインおまかせのファッションベルト 30301
いろいろな雰囲気の服装をなさる
こちらのクライアントは、
もう何本もベルトをご注文くださっています。
「革の色もたくさんあるし、
デザインもいろいろ作ってくださる
こんなお店があるなんて、
とても嬉しいです。」
とおっしゃってくださいます。
今回ご注文いただいたのは
ベーシックな革、
当店のヌメキャメル製のベルトです。
ただし
お気に入りのバックルを使って欲しい
というリクエストがプラスされています。
ベルトのバックルの留め方には、
2種類があります。
まずひとつは、
バックル中央からピンが出ていて
そのピンに穴を通すタイプ、
もうひとつが今回のベルトのタイプですが、
バックル本体に、「ギボシ」という
穴に通すための突起が付いているタイプ。
それぞれ留め方が違うので
製作方法は変わってきますが、
サイズをお出しする方法も変わることに
少し注意しなくてはなりません。
今回のこのようなベルトデザインに対して
ギボシの付いたバックルを使うことは
かなり珍しいですから、
「フルオーダーメイド品」の香り高き
ベルトです。
デザインベルトのサイズ出し自体
難しいのですが、
見本品をお貸しいただけますと
ジャストサイズでお作りすることができます。
丸いラインの金具に対して、今回は
シャープなラインを合わせてみましたが、
カッコよく仕上がったと思います。
「とてもいいですね、これ。」と
喜んでいただけました。
他にもまだご注文いただいておりますから、
そのうち別のタイプもみなさまに
お見せする機会が出ると思います。
こんなに喜んでくださると、
他のベルトもステキなデザインに
仕上げたいと思います。
どうぞお楽しみに!