革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

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2024.12.10

酸素吸入器用のリュック 41001

フルオーダーをやっていますと、

酸素吸入器を持ち運ぶ入れもの

(バッグやリュック)を

ご注文いただくことがあります。

 

そのようなご依頼をお受けすることで、

残念なことに健康を害してしまった方が

どうすれば

日常生活が少しは楽に送れるようになるか、

かなりリアルに考えるようになります。

 

 

 

 

 

 

酸素吸入器にはいくつか種類があります。

でもどれも同じなことは、

鼻に吸入器を挿すタイプで

長いホースが酸素を運んでいること。

 

ですから、吸入器を持ち運びつつ、

鼻にホースを挿したまま

ストレスなく動けることが大切です。

 

 

 

 

 

 

ストレスがまったくないようにするのは

不可能ですが、

ホースの長さを楽に調整できることで

かなり不便さは減りますから、

今回はそれを中心に据えました。

 

また

ご依頼者はとてもおしゃれな方なので

「かっこよく作って欲しい。」という

ご希望もありました。

お気持ちよくわかります。

 

私たちもいつも考慮するのは、

使いやすくて、かっこいいこと。

 

出来上がり品をお受け取りいただいたら、

中に何が入っていても

「ステキなバッグですねえ!」と

周りの人から言われるようになって欲しいです。

 

 

 

  

 

 

 

華奢な体格の方ですから、

リュック紐が身体の負担にならないよう

変則的な付け方をしています。

 

リュック紐の付け方や角度は

リュック自体の大きさや形によって

変える必要がありまして、

毎回かなりの実験をして決めています。

 

また、紐そのものにはクッションを入れて

肩にかかる負担を軽くしています。

 

もちろんこのリュック自体もとても軽く、

ピックアップ時に驚かれたくらいです。

きっちり補強はしてありますから、

安心してお持ちいただけますが。

 

 

 

  

 

 

 

先にお書きしたホースの収納ですが、

これにはオーソドキシーラインの

パッと開けられるポケットを付けました。

 

それが上のお写真です。

 

裏地をワインカラーにしましたから、

ちらっと見えるお色で、華やかさが出ます。

ホック留めなので

ワンタッチで開け閉めできますし、

 

ゆるゆるとした微妙なサイズにしているため、

開け閉めせずとも

ホースを収めることができます。

ホックは、あくまでも補助で使う前提。

 

 

 

 

 

 

本体は楕円の円柱形ですが、

すっと出せるようにするために

布の酸素吸入器入れのまま入るような

サイズにしています。

 

この布の入れものがなければ、

出し入れのために、もう少し何か

ギミックを使う必要があったと思います。

 

フルオーダーメイドでは、

同じものを入れる注文品であっても、

ご依頼者のご希望内容から

導き出される出来上がりの形や、

必要な加工はすべて変わります。

 

だから完成形には

人の数だけ答えがあるのです。

 

 

 

  

 

 

 

最後にお見せする2枚のお写真は、

左のお写真内の右側が

布の入れものに入った酸素吸入器本体。

 

右のお写真は、

どうやってホースを収納するか

デザイナーのアイデアに基づいて最初に作った

外ポケットのダミーです。

 

このダミーリュックでは、

中身を重くして

肩ひもの位置も確認しています。

 

距離を歩く時に使うと伺いましたから、

これがお役に立てることを願っております。

服装にお似合いになるのは間違いない

と思いますから、お好きな時に

外へ出ていただけることを祈っています。

 

 

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2024.12.8

生徒作品、動画制作会社社長が作ったクロコダイルの長財布

生徒さんの作品で、

印象的な長財布をご紹介します。

 

カメラを向けると

ニッコリ微笑んでくれたのは、

手にしたクロコダイルの長財布を作った

生徒さん。すでにしばらく使っています。

 

 

 

*クロコダイルの模様の使い方が
この方独特です。

 

 

 

5年半ほどスクールに通っていて、

この長財布には2か月ほどの期間が

かかったとのことですが、

なんと、素材がクロコダイル。

 

革自体が高価なので

なかなか

ここまでの大作にチャレンジする方は

少ないですが、

スクールではこんな作品も作れます。

きっと持っていたら楽しいに違いありません。

 

クロコダイルはただでさえ目立ちますから、

「それ、良いですねえ。

どこで買ったんですか?」なんて聞かれた時、

「自分で作ったんですよ!」

と答えることができたら、

最高に嬉しい、楽しいことだと思います。

 

 

 

*内装も自分でデザインしたものです。

 

 

 

当店スクールで作る製品は

みなさま自身で使っていただけますから、

とても楽しいと思います。

 

時にプレゼントとして差しあげても、

驚かれ、喜ばれることでしょう。

 

なんてことを思いつつ

いろいろとお話ししておりましたら、

この方はネット対策のプロ、

会社の社長さんでした。

ここでご紹介してもいいということなので

自社HPや印刷物のことで

どうしようか、と気になることがある方は

ご覧ください。

 

 

 

*現在作っているトートバッグは
革の色も染めてもらったそうです。

 

 

 

株式会社トック企画

ウェブサイトは http://toc-kikaku.jp

動画制作、ウェブ制作、SEO対策から

紙もののデザイン・製作まで、何でも

ご相談に乗っていただけるそうです。

 

長財布の企画から出来上がりを見る限り

信頼のおける会社のようです。

 

現在製作中のトートバッグは

プレゼントだと聞いていますが、

出来上がったらまたご紹介しましょう。

 

 

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2024.12.7

コンパクト財布「ジーヴズ」祭り 

引っ越し記念の1点ものジーヴズ祭り。

第一弾が出来上がりました。

 

人手のことがありまして

ウェブショップにお載せすることができません。

このオーダー例でご紹介します。

気になるジーヴズがありましたら、

お電話やメールでお尋ねください。

 

 

 

*これが今回出来上がったもの。

 

 

 

  

 

 

  

*上の4枚のイメージ写真、ご笑覧ください。

 

 

 

ここから下は

一点一点のご紹介写真とお値段です。

 

 

  

*左からクロコ/濃茶、クロコ/パープル、ゾウ/ブラック
どれも素晴らしい。@90,000円(税別)

 

 

 

*竹斑クロコダイル、左がヴィンテージワイン
右はブラック。どんどんツヤが増す革です。

 

 

*竹斑クロコダイル/キャンティ
右はゾウ/ゴールドブラウン @70,000(税別)

 

 

 

 

*左はリザード/フランスブルー
右は気仙沼シャーク/ネイビー @60,000円(税別)

 

 

 

*ヘビ/マットブラック @35,000円(税別)

 

 

  

*左から、牛/パールピンク、牛/型押しイエロー
斑無しオーストリッチ/キャメル@30,000円(税別)

 

 

どの革も良質な革を選びましたが、

ご注文者からはご指定いただけない部分。

 

革は、きれいな部分に穴が空いていようが、

質の良い場所に大きなキズがあろうが、

皮膚の下が弛んで使えない部分が多かろうが、

1センチ単位、あるいは10×10センチ角単位で

容赦なく値段が付けられる素材です。

 

ご指定いただけない場所を使っても

デザインすることですばらしいお品になる、

とお見せしたくて

作り始めた今回のジーヴズ祭り。

ファスナーの布の色と

裏地のお色も楽しいものに設定しています。

 

正規のご注文品でないことから、

個性的なデザイン、

かつ、ずっとお得なお値段でお出しできます。

ご覧になりたい方は、店頭までお運びください。

メールやお電話でのお問い合わせも大歓迎。

 

お店の中にあるものでも

気になるものがあったら、お尋ねください。

 

 

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2024.12.6

ぴったりサイズのパンナイフ ケース2種 41107

おしゃれな方がいらっしゃるものです。

このたびご注文いただいたのは

2種類のパンナイフ。

 

2本のナイフをお貸しくださったのですが、

それを包んである麻の布きんもおしゃれで、

よく水を吸う、使いやすい海外製品でした。

こんな情報もいただけることは

お店をやっている身としては嬉しいことです。

 

さて、2本のパンナイフは形が違いますから

お作りする時に気を付けるところも

それぞれ違ったものがあります。

 

 

 

 

 

 

左の長いナイフは

刃がナミナミになっていますし、

右の方は包丁の刃を寸止めした感じです。

 

どちらも根元が太く

先に向かって細くなって行き、

根本の方に角度が付いているタイプです。

 

刃の形に沿わせて形を作るのですが、

そのまま縫い合わせただけでは

刃が当たると縫い糸が切れてしまいますから、

ちょっとしたギミックを使っています。

 

 

 

     

*刃がナミナミになっている方のナイフ。

 

 

そこら辺までは頭で考えて

作り進めていくのですが、

 

出来上がり寸前で

あら、っと気づいたのは、

あまりぴったりのサイズでお作りすると、

出し入れ時に

入り口の糸を切ってしまうという事実!

 

出し入れを気をつければ大丈夫でも、

もう少し大きめにしないと

その気を付けることすらも大変です。

 

 

 

     

*真っ直ぐな刃のパンナイフ。

 

 

 

というわけで

泣く泣く作り直したわけですが、

本番を作ってみないとわからないことも

たくさんあって、

ものを作るのはおもしろいですが

時にトホホ…ということもあります。

 

ものを作る仕事は、一生が勉強!

製作者は

なるべく無駄の無いサイズで作ろうとしました。

その結果、あれっ?ということもあります。

どんなこともすべて

自分の力に加えていくのがものを作る人です。

 

難しいお題を出してくださる

クライアントのみなさま、

ほんとにありがとうございます。

さらに良いモノを作れるよう、頑張ります。

 

このたびのご注文もありがとうございました。

キッチンで見惚れていただけるよう、

願っております。

 

 

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2024.12.4

ご報告:お店の引っ越し先と内装品のお譲りについて

今年もいよいよ最終月となりました。

みなさまの1年はいかがでしたでしょう?

 

移転先がきっちり決まりましたので、

みなさまに移転についてご報告します。

 

おかげさまで銀座に移転してから

16年目に入ることができ、

みなさまには感謝の気持ちしかありません。

 

私たちは毎年毎年、

無事1年が過ぎていってくれれば…

と思いつつ新年を迎えますが、

今年は私たちにとって

驚きの最終月を迎えることとなりました。

 

 

 

*当店の象徴ともいうべき鏡

 

 

 

現在の「第一田村ビル」の持ち主が変わり、

この4月に締結するはずだった再契約が

期間の定めなく結ばれ、しばらくの間

何とも宙ぶらりんな状態が続いていました。

 

その間、銀座の物件をいろいろ見ましたが、

アトリエを一緒に引っ越すとなると

なかなか同じような広さの物件が

少ないことに気づきました。

 

そして、新しいビルは家賃が高いので

古いビルを探していましたが、

それも昨今どんどん減っていますから、

どうなることかと思っておりました。

 

でもここで、ありがたいことに

私たちのクライアント、みなさまが

難しいお題を出してくださいますから、

移転話が進展するまでずっと

作ることに集中することができて、

いつもと変わらず

充実した時間を過ごすことができました。

ありがとうございます。

 

 

 

*中央の彫刻

 

 

 

そんな時間を通り過ぎて、やっと

次にどこへ移るかが決まりました。

 

今度もクラシックなビルで、

中へ入りますと昭和を思い出す

ステキな建物の7階、最上階です。

 

通常のビルなら

最上階はオーナーが占有するのですが、

このビルは建て増ししたこともあって

中途階に管理会社が常駐し、良い環境です。

 

並木通り沿いなので、

窓から見える景色に銀座らしさがあります。

 

現在の第一田村ビルでは

大家さんからブラインドを開けないよう

指定がありましたから、

あまり外の景色をお見せする機会は

ありませんでした。

 

 

 

*四隅の見事な彫刻

 

 

 

今のビルから徒歩1分ほどの場所で、

来年2月に引っ越す予定です。

少しの間、お店を休むことになりそうです。

 

新住所は

中央区銀座2-3-5 三木ビル7階

電話番号、メールアドレス等、

何も変わりません。

 

ただ、クラシックなビルは

エレベーターや階段が広くないので、

ただいまお写真を出しております

お店の鏡を移動することができません。

 

1850年代のフランス貴族の鏡ですが、

これまで200年以上大切に残されてきたのに、

入れる場所がないことで

廃棄になってしまうのは、心が痛みます。

今ではできない装飾が施されていますから、

それが消えてしまいます。

 

そこで、この鏡を使ってくださる方を

探しております。

 

 

 

*鏡の全体像
なお、鏡自体は現代のものです

 

 

サイズは、ヨコ192xタテ217センチ。

 

私たちのお店のスペースは

全部で7坪くらいですから、

そんなスペースでも鏡をうまく使えば

実際より広く感じられます。

 

移動問題は、このサイズを入れられる

ドアや階段があること、の一点です。

 

もし置きたい方がおいででしたら、

お声掛けください。

鏡本体は100万円近くしましたが、

差し上げます。

 

移動は東京近郊までなら手配可能で、

20~30万円ほどかかる見積もりです。

申し訳ありませんが、

その移動費はお持ちいただきますよう

お願いいたします。

 

その他、何かお店の備品で

これは欲しいですが…というものがあれば

お譲りします。

とりあえずお尋ねください。

 

 

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2024.12.3

ハイブランド革のブリーフケース、定番バッグ「エルム 」41004

とても凝った作りの

定番「エルム」の改変版です。

 

こちらのクライアントは、一番最初

ご友人と一緒にお店をお訪ねくださり、

その後2度足を運んでくださってから

ご注文へと進んでくださいました。

ありがとうございます。

 

 

 

 

 

 

初回、某ブランドバッグを買った直後の

クライアントは、珍しい製品が

そのブランド店頭にあったという出会いから

つい買っちゃいました…と

おっしゃっていましたが、

 

そのバッグもおしゃれなデザインでシックで、

さすがブランド、というイメージでした。

 

「ところがこのトートバッグは

中に何もポケットがないので、

すごく使いにくいんですよ。

あったから買っちゃったんですけど、

このままでは使えないなと思って。

このバッグに合った

バッグインバッグなんて

作ることができるんですか?」

 

 

 

 

 

 

そのバッグは、なるほど

もっとも大きなサイズのバッグなのに、

中にひとつもポケットがありません。

 

二度目においでになった時には、

入手したばかりのバッグインバッグを

お持ちになって、それを元に

ご注文しようとなさいました。

 

そこでデザイナーは

「それがまだ買ったばかりでしたら、

せめて2週間~ひと月は使って

ご自分の使い方をよく観察してください。

 

そうすれば、

本当に要る機能と要らない機能とに

簡単に分けられますし、

考え違いも最小限になりますから。」

 

 

 

 

 

 

このクライアントのすばらしいところは、

それを聞くなり

一旦その件をお持ち帰りし、

真剣にご自分を観察してくださったところ。

 

「ひと月ほど使ったことで、

自分の使い方もよくわかりました。

おっしゃるとおり、

自分がこうしたい、ということや

こういうのは嫌だ、と感じることがらも

よくわかりました。」

 

 

 

 

 

 

そのような経過から

3回目でのご注文となりました。

 

デザイナーはいつも言っています。

「私自身がケチだから、みなさまにも

お金を無駄に使ってほしくないの。

だから、前もってこうしたらいい、

というアドバイスがあれば、

誰にでもそれをお話しするんです。」

 

 

 

 

 

 

その甲斐あって、

お受け取り時のこちらのクライアントの

バッグを見る目やご感想は

何とも嬉しいものでした。

 

「いやあ、けっこう高価なので、

ブランドバッグを買ったばかりでもあり、

じつはちょっとばかし心配だったんですが、

想像以上の出来上がりで

心配なんかするんじゃなかったです。」

 

見た目は定番エルムそのままですが、

革はハイブランドの革です。

この革は仔牛の革なので

肌理が細かく、表面も革の下部分も硬く

あまりこの形には向いていません。

いろいろなテクニックを使いながら

仕上げていきます。

 

「おまけに、あのアドバイスがなかったら

この形が自分に向いている、と

気づかなかったと思います。

持ち手も短くしてもらったから

スッと持てるし、

自立するのもすごく良いです。」

 

 

 

 

 

 

革の選定も高価になった

ひとつの原因ですが、

もっと大変なことがありました。

 

上のお写真の外ポケットは、

左右で二つに区切られています。

 

そのうえ、向かって左のポケットは

小さめのキーケース専用なので、

このヨコ幅でこの深さでは使いにくいため、

外からは見えないよう

上げ底にして、取り出しやすくしています。

 

まさにこの方のためのカスタマイズ。

 

そして、お写真でお気づきになりましたか?

ナイロン裏地も定番色ではなく、

渋い赤が良い、ということで

特別にご用意したものです。

 

 

 

 

 

 

その他にも内装に細かい指定があって、

そのご希望の中で

なるべく汎用性のある内ポケットに

仕上げています。

 

ですから、長年使ううちに

持ち物が今と変わってしまっても

あまり収納に困ることはないと思います。

 

 

 

 

 

 

「いやあ、軽いですね!

そして、このトートバッグにも

ちょうどいいサイズで収まりますし、

単品で持っても

すごくカッコいいです。

 

自分の使いやすいように作れるって、

ブランド品よりずっといいですね。」

 

きっと単品でお持ちいただく時が

増えるのではないかと思います。

 

ご自分の持ち物をストレスなく収納し、

出し入れが楽にできるのは、

当店フルオーダーメイドの利点です。

 

一人ひとりの「快適」を目指して

オーソドキシーは

みなさまに面倒なこともお願いします。

 

このたびは何度も足を運んでいただき

ありがとうございました。

長くお使いいただけることを願っております。

 

 

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2024.11.30

丸6年お使いいただいたボストンバッグ

イタリアの某有名ブランドバッグの

会社にお勤めのクライアントが

久しぶりにおいでくださいました。

 

「私は物持ちが良くて

なんでも長く使う人間なんで、

ブランド品を買うくらいだったら

自分が好きなデザインで、

使い勝手のいいものに

お金を使いたいと思っています。

だからここへ来るんですよ!」

ありがとうございます、嬉しいです。

 

 

 

 

 

 

このボストンバッグ

のちのちリュックにするつもりで

クライアントがデザインしたものですが、

当時はリュック紐をどうするか、

まだ決めかねていました。

 

6年間ずっと考えた結果、

どのようにリュック用のひもを取り付けて

どのくらいの長さにするのかが決まり、

今回のご来店となりました。

 

 

 

 

 

 

それにしてもよく

革を育ててくれたものです。

 

「いまブランド品は、革でない素材も多く、

それでもびっくりするほど高額になりました。

私はオーソドキシーの革の手触りが好きですし、

使っていってこんな風に変わっていくのが

とても良いと思っています。」

 

ということで、ショルダー紐のほかに

バッグもご依頼いただきましたが、

今回バッグにお選びくださった革は、

当店オリジナルのルバル。

 

 

 

 

 

 

このボストンバッグは

ヌメワインの型押しでお作りしていますが、

今度はもっと柔らかさを追求しようと、

当店オリジナルをお選びくださいました。

 

柔らかい革にどんな種類があるか

ご説明した結果ですが、

ハイブランドの革にしても、

育っていく革で、最初から柔らかく

手触りの良い革は皆無です。

 

 

 

 

 

 

「最初にこちらで作った手帳カバーですが、

これがあるから私は仕事ができています。

このお店のオリジナル革の

このバッグもとても気に入っています。

 

仕事の時は持たないことにして、

美術館に行く時や

お友達とお食事の時、

ちょっと良い場所へ行く時に

必ず持って行っています。」

 

 

 

 

 

 

「今日注文したバッグは、

もっとおばあさんになっても

持てるように、

柔らかく、軽く作ってもらいたいと

思いました。

 

ブランド物にもないものを

自分に合うように作ってくれるって、

ほんとにすばらしいことです。

こんなお願いできるお店は

ないですよね。」

 

ありがとうございます。

今度もご期待くださいね。

 

 

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2024.11.27

ひとそれぞれ、定期入れの使い方

本日久しぶりに来てくださった

クライアントは、

「自分の気に入ったものを

長く使いたい。」という方々です。

 

欲しいものがはっきりしていて、

今日お持ちくださったのは

前回お作りしたバッグです。

 

「これがね、とても便利で

よく使うんですよ。

雨が降るとね、

こうして脇にかかえて雨から守るんです。」

にこにこして様子を伝えてくださいます、

ありがたいことです。

どうりで、革はツルツルと光っています。

 

 

 

 

 

 

また今回は、お嬢様が

以前写真でサイズを教えてくださった

定期入れ用のストラップの使い方を

お見せくださいました。

 

上のお写真がお送りいただいた

長さや幅のわかるお写真で、

右側にあるストラップが

それを元にお作りしたものです。

 

下のお写真のように

定期入れに付けて使うのだそうです。

 

 

 

 

 

 

それにしても

何とも中途半端な長さの紐なので、

「どうしてこの長さなの?」と

デザイナーはいぶかしんでおりました。

 

ところが、目の前で

「私はこれをこのように使うんです。」

というところを拝見して、

なるほど、と手を打ったのは

デザイナーだけではありません。

 

 

 

 

 

 

 

「このストラップに手首を通して

手に持ったら、手首を返して

パッと改札機を通過するんです。

何があっても忘れないですよ、

こうやって手首に通しておくと。」

ということでした。

 

人によって物の使い方は違います。

だからこそ、

バッグにしても小物にしても

どうやって使うかをお尋ねするのです。

 

はっきりした寸法の

シンプルなご注文時には

特にお尋ねすることはありませんが、

こういう答えを伺いますと

どんなご注文品であっても

お尋ねするべき、と

デザイナーは反省しておりました。

 

それにしても

久しぶりにおいでくださったクライアント。

いつもお元気なお顔をお見せくださるので

とても楽しいです。

本日もありがとうございました。

 

 

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2024.11.24

ジーヴズの途中経過と当店プロの技術

今回のジーヴズシリーズは、

着々と製作が進んでいます。

途中経過をお見せしましょう。

 

下のお写真中

下段の真ん中だけが先に作ったひと品で、

残りは外側が出来上がったところです。

 

フランスブルーのリザードと

下段真ん中の完成品の左端をご覧ください。

 

ブルーの方がふわっとしているのは、

左端がまだ縫われていないからです。

 

 

 

 

 

 

今回は革の色がすべて違いますから

革の色によってミシン糸を変えますので、

ミシン掛けもなかなかの手間です。

 

昨日ご紹介した裏地を付けた本体の革に

革に合わせた色布のファスナーを張り付け、

そのファスナーの布の内側を隠すようにして、

今度はほんとの裏地を貼り付けます。

 

この3層を作ることで、

うつくしく、丈夫なジーヴズになります。

一般製品とはまったく異なるプロセスです。

 

革の3層であれば

使うほど柔らかくなじんで、

気持ちよい持ち心地になります。

 

 

 

 

 

 

この縫いに入るまでの工程も

簡単ではありませんから、

当店の技術者たちがまだ新人だった頃は

これが、ひとつ目の大きな技術関門でした。

 

ジーヴズがきれいに

ある程度のスピードでできるようになると、

部分部分の革漉きもありますから、

プロとして

とりあえず最初のスタートラインに立った、

という感じです。

 

きれいにできるだけでは不十分で、

速さも求められます。

 

ましてや当店の技術は当店独自のもので、

軽く、使いやすくするための工夫が

膨大な数あります。

 

その中では、今回のジーヴズと同じく

素材に使う革の性質を鑑みて、

一つひとつ

質感をコントロールする工夫が重要です。

 

その一つひとつの判断は、最終的に

自分でできることが、当店のプロ。

この道のりは、まず10年が一期です。

 

この最初からの10年後が、

本物のプロの道へのデビューです。

 

たいていの製品は、見るだけで

作り方を看破することが

できるようになり、

頭で理解した製作方法を、手が、

間髪おかずに追っかけられるようになります。

 

しかし、すべての10年経験者が

そうなれるわけではないことも、

付け加えておきます。

 

 

 

 

 

 

いっぽう、日本のクライアントからいただく

フルオーダーメイドの希望内容には、

革という素材の持つ性質に反した内容が

とても多いです。

 

軽い、ということから始まって

それにもかかわらず型が崩れず、とか

自立する、という内容も最近多いですが、

一般に販売されている鞄の中に

どれほどそういう製品があるでしょう?

ほとんどない、が答えと思います。

 

それは、

そのように作るにはとても手間がかかります。

でもそれよりなにより、

そこまでの加工はほとんどできない

というのが正解かもしれません。

 

また、本気でそうしようと思ったら

デザインは限られてしまいます。

いま流行っているデザイン先行型製品は

ほとんど、ご希望内容に当てはまりません。

 

 

 

 

 

 

 

 

デザイナーがよく言いますが、

革製品の製作は、非情なまでに論理的です。

 

ですから

そのあたりもご説明したうえで、

どのようにみなさまのご希望のかなえていくかを

話し合って決めていくことが、

製作前に必ず行わなければならない

大事なフルオーダーメイドの基礎です。

 

当店のコンサルティングは

それをきっちり行い、クライアントのご希望と

製作物が合うように

新しいご提案をしていきます。

 

だからどこにもないバッグを作っても、

使えるものに仕上げることができる。

 

こういう限られた世界で

どれだけ豊かに表現することができるか

=持つ人のお役に立てるか、

それが日本で育ったフルオーダーメイドの

目指す目標かもしれません。

 

当店の作り上げてきた世界もまた、

ヨーロッパのフルオーダーメイドとは

ベクトルの違うアプローチです。

 

それはヨーロッパ社会との違いから由来し、

それぞれの仕事の形は、クライアントからの

要望によって作られていくものだと感じます。

当店の仕事が、

欧米でどのように受け取られるか、

興味あるところです。

 

 

 

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2024.11.20

店のお引越しと、その記念ジーヴズ(コンパクト財布)の製作

ここのところオーダー例のアップが

少し遅れておりますが、

この寒さの中、みなさまお元気ですか?

 

じつはお店のお引越しを余儀なくされ、

バタバタしていたひと月でした。

 

でも製作物には、もちろん

これまでにも増して、気持ちを入れています。

オーダー品の製作が当店の命ですから。

 

たった5名で行っている複雑な業務なので

顧客管理こそできませんが、

製作物の管理は万全です。

 

 

 

*製作し始めたエキゾチックレザージーヴズ。

 

 

 

さて、お引越しは来年2月くらいになりますが、

おかげさまで銀座で16年目を迎えております。

下北沢からは44年目に入りました。

ご愛顧くださるみなさまに、感謝感謝です。

 

今度もクラシックなビルで、もっと上の階です。

はっきりしましたら、

こちらのオーダー例で告知します。

少々お待ちください。

 

 

 

*色物のクロコダイルは今回の目玉。

 

 

 

そんなことから、お引越し記念として

ジーヴズのエキゾチックレザーシリーズを

製作することにしました。

 

一番上のお写真が、今回の革です。

クロコダイル、ゾウ、オーストリッチ、

シャーク、など各種あります。

かわいいお色の牛革もご用意しています。

 

今回は、ある程度

まとめてお作りしているわけですが、

これが、普通の量産品製作とは

まったく違うことになっております。

 

それは…下のお写真をご覧ください。

 

 

*裏地を付けた本体と、これから付ける本体。

 

 

 

エキゾチックレザーは、種類が混じると特に、

加工が大変になります。

それは、同じ種類の革であっても、

1枚1枚の革の厚みと柔らかさが違うからです。

 

それぞれの革質に合わせて

まず革の裏地を貼っていくのですが、

その革の裏地も、

表素材のしっかりさ(硬さ)に合わせて

種類と厚みを変えていきます。

だからこそ長保ちする

見目麗しいジーヴズになります。

 

 

 

  

*黒やネイビーでも、個性的になります。

 

 

 

今回も量産にはおおよそ不向きな素材ばかり。

逆を言いますと、

一点一点オーダーに合わせて作る方が、

1点だけに集中して作れるという

大きなメリットがあるかもしれません。

 

しかも

表の革色、ファスナーの帯の色と金属の色

そして裏地の色まで、

すべての選定を一点一点変えていますから、

単にまとめて作っている、というだけの話で

まったく量産ではありません(笑)

 

だからステキなものが出来上がります!

そして愉しんで、長くお使いいただける。

キャッシュレスだろうがなかろうが、

ご自分の2代目や、プレゼントのジーヴズを

お買い求めくださる方は

たくさんいらっしゃいます。

それほどに、タイムレスな一品。

 

 

 

   

*牛革だとピンクや黄色もあります。

 

 

 

今回お出しするのはほとんどが1点ものです。

普段あまり使わない柄の部分が多いですが、

そういうところを

デザイン的にかっこよくまとめます。

 

早々と店頭へおいでいただけば、

現物をご覧いただき、お取り置きもできます。

 

では、お引越しとジーヴズを

どうぞお楽しみに!

 

 

 

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