2013.05.16
マットクロコダイルのジーヴズ
今日は、ウェブショップの「一点もの 特別価格製品」に
すばらしいお品をお出ししました。
このお財布の 入る量と、小ささは、おどろくほど人気です。
しかし、大人のお客さまには、小さいがために、
ちょっとさびしい感じがする時があるようです。
それで、迫力のクロコダイル。
お店用として、初めて作りました。
クロコダイルの革製品は高価ですが、それには理由があります。
1.食用にされるクロコダイルの量が少ないので、流通する皮が少ない
近年では、さらに食用が減っているので、原皮を集めるのが大変
2.食用のために養殖されるが、
一匹一匹の斑の模様がかなり違ううえ、キズも多い
3.食用になる大きさに育つまでに、かなりの時間がかかる
ここまでは、育てて皮を取るまでの内容ですが、
今度は、目に見えない革の材料費についての内容を挙げていきます。
1.手足の付け根部分から先は、極端に伸びるので、
製品製作には使うことができない
2.背中の両側にある
石のように硬いウロコの部分は、縫うことが出来ないので、
そのウロコの先からは、使うことができない
3.キズをよけて、パーツを取らなくてはならない
ですから、けっして大きくない革であることもあり、
使える部分はほんとうに少ない、と感じます。
もちろん、革のお値段は、ほかのどんな革よりもお高いですが。
エルメス社などは、世界一の養殖場を買ってしまったとのこと。
そして、決まった種類のクロコダイルだけを育て、
さらに何百枚もの中から、キズのない完璧なものを選べる状況を作っています。
さらに、作る上では、
1.ワニ革だけの特別な扱い方があるので、
その技術を持っている人しか、扱うことができない
2.その技術の習得に10年以上かかる
そんな状況ですから、ましてや、
さまざまなアイテムを作れる職人というのは、ほとんどいません。
大まかにお話しするとこんな感じでしょうか。。
そして、みなさまからは、
価格についても、よくお尋ねをいただきます。
「市販の安いものは、何が違うのですか?」 と。
みなさん、驚かれると思いますが、じつは
クロコダイルと総称されているワニには、たくさんの種類があります。
原産国もいろいろです。
例 http://dictionary.jlia.or.jp/detail.php?id=312
市販には、安価な種類を使った量産品しか出回っていないので
(プロの中では、なんちゃってワニと呼ばれているものもあります)、
何が希少で、美しい斑を持つものなのかも、
また、どういう革の使い方が価値あるのか、も知られていません。
そんなの自己満足だよ、と言ってしまえばそれまでですが、
良い種類のワニで、きちんと斑を選んで作られたものは、
すばらしく 美しいものです。
宝石のように。。。
そして、とても上品です、
ぴかぴかに光ったタイプでも、マットなタイプでも。
今回ご紹介するのは、マットタイプ。
光ったタイプの革は、ジーヴズの加工には向いてないからです。
今回のジーヴズは、
お品の大きさに合っている最高の素材 (ポロサスというスモールワニ)、
素材にあった作り方、
素材のうつくしさを最も引き出す斑の取り方をした、
逸品です。
お使いいただくほど、手でなでていただくことで
革が本来持っているツヤを、どんどん出してくれます。
今回は、
めったにない、リーズナブルに本物をお試しいただける機会です。