実際のオーダー例
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貴方のオーダーのヒントになさってください。
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リュックの脇ポケットにぴったりのマスクケース 50801
2025/09/02
日々の「快適」を求めて
当店においでくださるクライアントが
久しぶりにご注文くださったのは、
「マスクケース」。
しかも、いつもお持ちのリュックの
脇ポケットにぴったり収まって、
パッと取り出しやすいくらい
マスクの一包が出ているケースです。
「これくらいの量入れます。」と、
ご来店時に
リュックのポケットに入っていた
マスクをど~んと置いて行かれました。
具体的なリクエストをいただきますと、
えっ!?という出来上がりの形です。
なぜなら、それは硬い箱の形をして、
そのうちの1面の面の長さが
すっぱりと短くなっているからです。
上記の説明ではわかりにくいでしょうか。
イメージしづらいかもしれませんから
あらためてご説明を試みましょう。さて
この方のご希望品は、
もしプラスチック成形で作るのなら
それが一番向いている作り方です。
ミシンを使って縫うことで
立体を作っていく革製品では
話が変わる、ということです。
これでいかがでしょう?
「そういえばこの方は、
箱タイプお好きだわ」とデザイナーは
どう作るかを製作責任者と
その場で相談しました。
その結果できたのが、このお品。
見事にすっぱりと面を短くしています。
「こういうのが欲しかったから、
ちゃんとできてよかった。
なんか難しそうでしたからね。」
件のリュックの
ポケットに入れてもらいましたら、
硬い面がうまく
ポケットの上部ファスナーに引っかかって
マスクだけを取り出せます。
これは怪我の功名。
いつも当店が
一回できっちりお作りできることを
褒めてくださる方なので、
今回もうまくいって良かったです。
「贅沢な快適グッズですね。」
などとデザイナーは言っていますが、
お仕事で神経を使うこの方にとって、
自分が使うものを
ストレスなく使えることは、かなり
お仕事にプラスになるご様子です。
いつもありがとうございます。

20年以上お使いいただいた超整理手帳の修理 250704
2025/09/01
2002年くらいに
数量限定販売したメッシュカバーを
ずっと使ってくださったご依頼者。
修理依頼のメールを頂戴して、
「まさか、あれ?」と
驚いたデザイナーの顔を思い出します。
*20年以上前の超整理手帳カバー
当時一時的にお付き合いのあった
栃木レザー(株)とは違う革屋さんが
「メッシュできますよ。」と
売り込みをしてきたことが
きっかけになりました。
「超整理手帳カバー」の新年版に
何か目新しいものを、と思っていた
矢先のことでした。
作ってもらったメッシュは数量限定で、
初めてメッシュ素材の扱いに対面し
どうやって料理しようか…と
思い悩んだことが印象に残っています。
*経年変化のきれいなメッシュ
というのは、
端がバラバラになっているメッシュの
コバをどう仕上げをしようか、
がテーマになったからです。
この時は、外側と同じ素材を
内側に使うときれいだから
という理由で、
同じ革屋さんの革を頼みました。
*コバ仕上げはみがきではなく、
この時は量産仕様のトリミング方式
*修理前:トリミングの寿命は
みがきより短く、修理もできない。
中と外の色が同じでも、
素材感が違うと
違和感を感じることがありますが、
それは当たり前のことです。
でも、たとえ異素材同士であっても
うまくバランスが取れて
うつくしく収まるものもあります。
それが、
デザイナーを要する意味のひとつ。
*パネリング方法での修理後
話を元に戻しますと
メッシュ製品の場合、
今回の修理で使ったパネリングの
方式で作る方がベターですが、
これにかかる材料と手間を考えますと、
量産では
なかなかこの方法に決定できません。
材料費の面と
みがきにかかる時間の面を鑑みると、
どうしても従来の方法の方が
適しています。
ですから、
量産には量産に向いた仕上げ方がある
と改めて認識した、
トリミング方式仕上げをしました。
*内側はそのまま使った修理後
販売時に、それをご説明し、
修理は難しい旨お書きした用紙を
入れておきましたが、
この方は2代目のご愛用者でしたから、
それをご存じなく
お持ち込みくださったという経緯でした。
*こんなにきれいになりました
当店のオーダー製品を修理しますと、
ほんとに革は長保ちする素材だと
認識します。
このカバーもまだ
10年以上使えることでしょう。
カバーは完全にバラバラにして、
パネリングしたメッシュに
内側をそのまま合わせています。
*今回のコバはみがき仕上げ
*見事な修理後
もちろん革の保ちも良いですし
みがき仕上げも長保ちする製法です。
しかし
長くお使いいただくにあたって
それ以上に大きな要素は、
「大切にご愛用くださること」です。
当店オリジナルレザーの小物の場合
それは、
使用中に手でなでる、という
それだけのことですから、
難しいことはありません。
こちらの持ち主は、今度は
もうひとつのカバーと
ローテーションして
もっと長保ちさせよう、という
お気持ちをお知らせくださいました。
次にまたお目にかかるのを
楽しみにしています。
修理をありがとうございました。

よっつ目のみごとなA4レポートパッド 50702
2025/08/31
「部署が変わったので、
今までより大きいレポートパッドを
使うようになりました。
A4サイズが2冊入って欲しい。」
ご依頼いただいたのは、
同じ刻印をお入れしたカバーを
サイズ違いですでに3種類お使いの
クライアントです。
すべて同じ刻印を入れて、
毎日お使いになる手帳カバーだけは
内側にワインカラーを配しています。
手帳以外の客先で使うバインダーは、
どれも真っ黒で統一して
並べてみると壮観です。
左側の紙ばさみには
A4クリアファイルが入りますから、
全体のサイズは
レポートパッドより少し大きめ。
表表紙、裏表紙ともに
しっかり硬くお作りしていますから
立ったままでの筆記もできますが、
今回のA4サイズは
机を挟んでの面談ということですから、
机の上でお使いいただきます。
こんなバインダーをお使いの方は
なかなかいませんし、佇まいから
きっちりとした人物印象が
描き出されると思います。
この方のご職業にはぴったりです。
これまでにお作りしたB5やA5は
やはり聞き取りのために使っていて、
少しずつサイズが
大きくなっていきました。
また立ったままの聞き取りも多く、
バインダーを持ってそのまま書けるよう
かなりハードな面に仕上げています。
きっとお仕事の精度が上がって
よりすばらしい成果を
*今回のA4も含めたお揃いの4冊
*一番初めの手帳カバーとA5カバー
このアップサイズのサイクルを
傍で拝見しておりますと、
やっていらっしゃることが
かなりのスピードで
ブラッシュアップされていると
わかります。
益々のご発展をお祈りします。
ご愛用ありがとうございます。

当店フルオーダーならではのディスカッション風景 508
2025/08/30
今日は、「なんだろう、これ?」と
みなさまが思うお写真を挙げます。
これは、今度お作りする
ガーメントケースの
相談をしているところ。
みなさまは、
「フルオーダー品を作る」ために
もっとも大事なことは、
何だと思いますか?
それは「確たる構想」です。
ひとつの完成品に向かって、
どんな材料をどう使うことで
ご依頼者の持つイメージが叶うのか、
また、無理なくきれいに作るために
どのような製作方法が最良なのか、
など、どのオーダー品に対しても
活発なディスカッションが
行われます。
「三人寄れば文殊の知恵」とは
よく言ったものです。
今回のオーダー品にはベースとなる
見本品があります。
当店では
大きさ見本がある場合、
採寸したのち写真に撮って、その場で
製作に必要な情報をすべて揃えます。
*見本をお預かりする場合もあります。
時間にするとたいてい、15分ほど。
そのくらいのお時間でしたら、
お待ちいただくのも
さしたる苦痛でもないと思います。
そして、情報を得るにしても、
この時間の短さは驚異的です。
当店では難なくやっていますから、
お待ちになっている方はきっと
どこでもできること、と
思っているに違いありませんが。
でもこれはひとえに
アトリエ隣接店舗のおかげであり、
複数の高度技術者が常駐していて
その場で製作していることによる
大きな成果です。
その後、
それぞれのオーダー品に合わせて
製作担当者を決め、
詳細の説明に入っていきます。
今回はディスカッションの中で
金具決めの場面。
ディスカッションは必ず、製作担当者
技術責任者・デザイナーの3者で行い、
ご依頼者の持つイメージを含め、
詳細まで話し合います。
そうした全体像の説明の後には、
具体的な使用金具の決定があります。
当店には品質的、デザイン的に
これならOK!という金具があります。
それでもそれぞれに
たくさんのデザインがありますから、
そのうちのどれが
今回のオーダー品に合っているのかを
デザイナーが選定し、
付け方などを確認をします。
「オーソドキシーのすべてを
あなたに」
この合言葉の下に
みなさまのオーダー品は
大切に作られています。
ですからこの3者の相談は、
オーダー品が出来上がるまで
何度も行われます。
これがあることで、
「使えるオーダー品」が
現実になります。
ひとり一人のご依頼者のために、
こんな風に人智も割かれています。

リネアペッレレザーのクラッチバッグ 50602
2025/08/29
リネアペッレレザーで
お作りしたクラッチバッグを
ご紹介します。
このバッグをお使いになる方は
「めったに買い物をしない人で、
こだわりがありますから、これなら、
というものしか買わないんですよ。」
というお方です。
前回のご依頼時はプレゼントで、
差し上げる方が
相手の方のこだわりについて
細かくお話をくださいました。
そのお品を
ご愛用くださっていますから、
今回はとくに嬉しいご注文です。
今回のご注文品はバッグで、
最近ではほとんど見なくなった
ダブルファスナーのクラッチバッグ。
使い方がとてもはっきりしていますし
どちらの部屋をどう使うかも
既に決まっていました。
このようなご注文時のリアルさは、
とても良いオーダー構想に
繋がります。
だから、「めったに買い物をしない」
ことになるのですね。
ご自分の使い方がわかっているから、
そしてそれに沿って探していくと
なかなかない…となります。
まさにオーダー向きの考え方です。
この方はパートナーの方と
ご一緒においでくださるのですが、
とても朗らかなご家族で、
お話ししている私たちも
笑顔になります。
このような幸せなご家族に
お持ちいただけるのは、
この鞄が大事にされて
長い年月経つことを想像できます。
いつもお引き立ていただき、
ありがとうございます。
みなさまの
益々のご発展をお祈り申します。