2013.06.13
梅雨時の白いバッグ
梅雨に入ると、
お気に入りの革のバッグは、お休みが多くなります。
当店特製牛革でお作りしたバッグは、
お天気が良さそうなときに、お持ちくださいね。
もしどうしても 雨の日に使いたいときは、
から拭きしてから、
雨から革を護ってくれる、スプレータイプの保革材を使いましょう。
デザイナーは、雨の日には、
この白いクロムレザーのバッグを使います。
エリック・ジャビッツのsquisee素材のバッグや
ヘレン・カミンスキーのラフィアバッグも活躍します。
ジャビッツとカミンスキーの素材は、、雨の日に納得、ですが、
クロムレザーのバッグをなぜ、雨の日に使うか。。。
それは、クロムレザーは、雨の影響がすごく少ないからです、
もちろん、ほんとは使わない方がいいんですけれど。
でもやっぱり、革のバッグが格があって、すてきなんです!
クロムレザーというのは、
うちの特製牛革とは、正反対の作り方をしている牛革です。
ピンクやイエロー、ゴールドといったような
派手で人目を引く、華やかな色を出すことができる革の作り方。
このタイプの革は、最初に、
化学薬品で革をなめして、毛穴をふさいでしまいます。
そのつるつるになった表面に、顔料を吹き付けて色づけします。
女性の肌作りのファンデーションに例えますと、
しっかりと下地クリームを厚塗りして、なめらかな肌を作り、
その上に、自分の目指す肌色を作るためのファンデーションを
ぴっちりと載せたタイプ、です。
ですから、雨が当たっても、
雨が当たるのはファンデーションですから、あまり影響がないのです。
その代わり、経年変化がなく、
うちの特製牛革とはまったく違って、キズが治らない革です。
ファンデーションが削り取られるキズなので、地が出る、というイメージです。
その点だけ、使うときに気を付けてくださいね。
ほとんどの市販品の革の仕上げは、クロムレザーと同様の、顔料染めです。
それは、表面が均一に出来上るので、無駄なく革を使えて、
材料費が安価に収まるから、という理由もあります。
革の目を見る、特殊な技術もいりませんから、とても作りやすいですし。
よく、「何がいい革なんですか?」と 訊かれると、
デザイナーは、「それは使う目的によって違ってきます。」と 返事します。
まさに、そのいい例が、このクロムレザーのバッグ。
もうナイロン素材は持ちたくないし、かといって
お気に入りをぬらしたくはありません。
ウェブショップにお出ししている、
レベルの高いクロムレザーのお品でお作りしたバッグは、
リッチなイメージで、雨の日にもお楽しみいただけます。