2013.10.26
リザードやクロコダイル、オーストリッチなどエキゾチックレザーのオーダーメイド
最近 ご注文で増えているのが、
表題のエキゾチックレザーでの ご注文。
牛革以外の、希少な動物の皮は、そう総称されています。
今日は、そういう 珍しい革に付いて、お話します。
上のお写真は、オーストリッチの 「ジーヴズ」というお財布。
左が新品、 右が1年ほど使っていただいたものです。
革のつぶつぶは、だちょうの羽が付いていた「毛穴」。
そして、この毛穴の揃っている場所こそが、珍重されています。
一枚の革には、この特徴的な毛穴がぜんぜんない部分も、あります。
そういう目で見ていただくと、このジーヴズは、
とっても 良い場所を使って作られたお財布だとわかりますね。
こちらは、ゾウ革。 左が使用前、右が使用後。
ゾウ革は、しばらくの間 ワシントン条約の規制があって、
市場に出回っていませんでした。
今回は 3~4年前から、ある種類が解禁になったため、
こうしてみなさんに お届けすることが可能になった、貴重な革です。
入荷すると、あっという間になくなってしまうほど、
いま とても人気のある エキゾチックレザーです。
お次はリザード。トカゲの革ですね。
当店ではよくジーヴズをお作りするので、ご覧になった方は多いでしょう。
どの革も、革が貴重であるだけでなく、
仕立て方に独特の方法があるので、
その大変さからも、高額にならざるを得ません。
でも、ご存じですか?
こうした 生き物の皮は、あくまで食肉をとった後の、副産物。
どの皮も、その動物たちを食べる人達が存在して、
だからこそ、こうして革製品の素材が 出て来るわけ。
皮をとるために育てられる動物はいない、
というのが今までの常識でした。
ところが、最近は食の事情が変わってきて、
こうしたエキゾチックレザーをとるのが、とても大変になってきました。
欧米風の食事が一般化してくると、こうした食は減ってきます。
こちらはクロコダイル。左は黒で、右はナチュラル。
その結果どの皮も、市場に出回る量が減って、今までよりもずっと
原皮を入手するのが大変になってきました。
革製品の大プランド H社が、1~2年ほど前に
クロコダイルの養殖場を 20億円ほどで買ったことが
ついに ここまできたか、と革やさんの間で話題になっていました。
「そのうち、皮のために養殖される動物が出てきたりして・・・」
なんて 冗談で言っていたことが、にわかに現実になっています。
上は水ヘビ。
左が黒に染めたもので、右はナチュラルな柄を生かしたもの。
いろいろな革が、
貴重だ、稀少だ、ということで取りざたされていますが、
どうしてそんなに珍しいものが、素材として存在してきたのか、
そういったことに、つねに注意を払いながら、
なるべく世界に負荷をかけないように、
自然にものを作っていけると良いなあ、と 独り言です。