2014.12.30
おにぎりボストンのフルオーダーメイド
「どのバッグがいいかしら、と
ウェブショップをよくよく拝見していたのですが
ついにこれかな、と決まってきましたので
店頭で見せていただこうと思いました。」
お客様が気になったのは「おにぎりボストン」。
お仕事柄、A4が入って、
たっぷりと収納できるバッグがご希望だったご様子。
ご来店時には、見本バッグに
お手持ちのバッグの中身を全部入れていただきました。
ウェブショップの製品が
すべて店頭にあるわけではないので
見本品がない場合には、
簡単な大きさのダミーをご用意して、お試しいただきます。
「うわ~、見た目以上にこのバッグにも物が入りますね。
ですけれど、私としては厚みがもっと欲しいかしら。」
こういったご希望に対してデザイナーは
このバッグがその変更に適しているかどうかを判断します。
それは、バッグの構造によっては
あまりマチを厚くしない方がいいものもあるからです。
「バッグに、ものを入れて持ち歩く」ということは、
どこにどのように重量がかかるか、という論理的な問題です。
リュックなのかショルダーなのか手持ちなのかで
それが全く違ってくるのがバッグの難しいところ。
だからこそ、使い勝手だけでなく、いろいろな面で
物理的な向き、不向きが出てきます。
もちろん、内装の作り方についても同じことが言えます。
そうしたことすべてをまんべんなく判断して、
更に、お客様がお使いになる後々のことまである程度想像するのは
とても大変ですが、興味深い作業です。
というわけで、
こちらのお客様にもたいへん喜んでいただけました。
ありがとうございました。
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ところで、これはまったく別のお話になりますが、
たまにお客様と接していて驚くことは、
「革製品は一生もの」と思っている人が
まだまだいらっしゃること。
少しだけ考えてみていただきたいのですが、
そういう方は例えば、「一生ものとして履き続ける靴」を
お持ちでしょうか?
もし万が一お持ちなら、そういう靴は、どのように
履いてらっしゃるでしょうか?
そう考えていくと、晴れの日雨の日にかかわらず、
ずっとひとつの鞄を一生持ち続ける、ということは
ありえないこと、というのがおわかりいただけると思います。
一生ものだと言われていた時代の
ブランド品をお持ちになった人々は、
ひとつの鞄を、一年間にどれだけの回数お使いになるでしょう?
また、若いころ使っていた鞄を
60歳になっても普段使いで持ち続けられる人は
ほんとうにいらっしゃるとお思いでしょうか?
人は年を重ね、賢くなっていきますが
体力や筋力は自然に衰えていきます。
それぞれの世代で、身体にフィットする洋服を着たり、
身体が負担を感じないような持ち物を持つことは
年齢が行けば行くほど、必要になります。
そんな時必要なことは、「一生ものであること」でしょうか?
フルオーダーメイド品をお作りする私達は
日々の生活を
快適に過ごしたい人たちのために存在します。