2015.02.3
大振りなセカンドバックのフルオーダーメイド
「いつも必ず持っているものを
ひとつにまとめて持ちたいんです。
とにかく全部入るようにしたい。」
ご希望を伺ったところ、
金具の付いたシステム手帳は
バッグの中に入れたまま使えるように、と。
「メンズだから
大きめで構いません。
外ポケットにはA4雑誌も入って欲しいし。」
こうした、ファスナーで開け閉めするバッグを考える時、
案外引っかかるのが、天地。
このお客様は
「持ち手を付けて、ぶらっと持ちたいんですよ。」
こういうリクエストだと、
持った時の天地から、外ポケットの方向を決めます。
持ち手はもちろん畳めるようにして
すっきりお持ちいただけるようにもします。
ネイビーカラーのセカンドバッグを開けると、
内側はワイン方ラー。
ものを入れる部分はたくさんありますが、
どこもみな、入れるものが決まっていますから
微妙なサイズと、付け位置でお付けしています。
実際にどう使うのか
細かいシミュレーションを通して、レイアウトを決めます。
これだけたくさんのアイテムを入れるとなると、
レイアウトを決めるのも大変な作業。
そして、それらがちゃんと全部
思ったように作用するかどうかを確認しなくてはなりません。
この作業をきちんと行って初めて
「使うことの出来る」オートクチュール品になります。
こうして出来上がった鞄は
ひとりひとりのお客様が、時間を掛けて馴染ませ
長い時間、自分の伴走者として使って行くものばかり。
どうやっても使い勝手の合わない市販品と違って
オートクチュールは、
あなたを自由にしてくれます。