革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

Order example

2015.03.20

メンズバッグのオーダーメイド ファスナー鞄

「鞄が欲しくなったので伺いました。」

と ストレートにご来店くださったので、

きっと形も仕様も

ほぼ決まっているご注文に違いない、と

お話を伺い始めたところ

 

「ある深夜のテレビ番組で

いろいろな男性の持ち物を紹介してるんですけど、

その説明がおもしろくて、つい毎週見てるんです。

先週は鞄の紹介だったので

見てたら鞄が気になってしまって・・・」

 

オーダーメイドのブリーフケース

 

とくに「こういうものが欲しい」という

具体的な形をお持ちでなかったので、

細々と聞き取りを進めていきました。

 

伺っているうちに

定番の「エルム」の形が良さそうだと思い、

鞄の中身をお入れいただきました。

 

「自立するし、いいですねえ。

でも僕は外ポケットはいらないし、

もっとシンプルでいいなあ。

その分ちょっと飾り房を付けたいです。」

それでお作りしたのが、この鞄。

 

革のファスナー式ブリーフケース

 

このお客様からは まず番組名を伺い、

その番組でどんな鞄をご覧になって

何が気になって

当店へ来てくださったのか、ということで

とてもおもしろい展開のお話になりました。

 

いろいろなウンチクを語る番組のようですが、

雑誌やネットに出ている情報と同じく

どうやら、紹介している製品を作る会社からの

一方的な情報に偏っているようです。

 

オレンジ色の内装

 

それはまあ、当たり前で仕方ないことですが、

「ほんとうはどうなんでしょう?

あそこで紹介されていたのは

良い鞄なんでしょうか?」

とお尋ねをいただいたりしたので

長い長いお話とご相談になりました。

 

そこで気づいたのは、

量産品とオーダー品の違いは、というと

材料から製作方法まで総て違う、と言えるのですが

それが普通のお客様には

まったく想像のつかない世界だろうということ。

 

A4ファイルが収まるストッカー

 

量で市場を凌駕している既製品は、

「手作り」と言っても工場のライン生産品です。

 

どこを見ればそれがわかるか、また

革の違いはどうなのか、などは、

お客様が興味を持ってそういう眼で見始め

そして、しばらく見続けてくださらないと

なかなか分からないことだと感じました。

 

しかし、こうして一対一でお話して

これから当店の鞄をお持ち頂くことで、

比較的早く

それをお分かりいただけるのではと思います。

 

革製品の世界でも

知識に実践が伴うことで

理解は早く、深くなっていきます。

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