2015.07.18
コーディラインの最もシンプルな長財布「バーティ」
今ではこういうラインの使い方は
めずらしくありませんが、
当店がこれをお出ししたのはもう十数年前。
これ、というのは「コーディライン」のことです。
たまたまこのラインがお好きだと言うことで
最もシンプルな札入れ「バーティ」に入れたい、
というご要望をいただきました。
当店がこのデザインをお出しした十数年前には
こうした技術の使い方は、ほとんどありませんでした。
というのは、この技術はもともと
内縫いバッグの縫い目を隠すために使われていた
実用のための技術だったからです。
ですから、意識的にデザインのために用いられたことは
ほとんどなかったと思います。
そういう技術をデザインとして使うことは
制作方法としても自然に馴染むものでしたから、
当店デザイナーが考案しました。
同じ発想のデザインとしては、
第6回JIDAデザインミュージアムセレクションに選定された
「ザ・カーヴ」というメンズバッグと、
「コラム」というショルダーバッグがあります。
ここ2,3年、ワールドブランドでは
バッグのデザインの仕方が大きく変わっています。
4~5年前から、
今回ご紹介しているような実用技術を
飾りとして使うワールドブランドが出ていましたが、
今ではそれは普通になっています。
デザインだけでなく、バッグの作り方は今や
折り紙ベースのものや、立体裁断を駆使して
昔とはまったく違う作り方になっています。
自由な発想になったと言えばなりましたが、
それは新鮮さを感じさせるデザインのためで、
使い勝手は
それに比例して良くなっているとは言えません。
フルオーダーメイドでお作りするたび、
デザインと使い勝手のバランスについて
考えさせられます。