革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

Order example

2016.08.20

デザインお任せトートバッグのご注文

「これくらいの大きさの

こんな感じのトートバッグが欲しんだ。」

クライアントは

大体の大きさを手で形どりました。

 

お話を伺うと

大きさも形も茫洋としています。

 

正面

 

当初聞き取りをしている時、何となく

まだ信頼がないかも、という感じましたが、

それは後々、なぜかがわかりました。

 

さてそれは置き

大きさもイメージも茫洋としていますので、

ざっくりとした大きさと仕様を伺い

まずはお見積もりをお出ししました。

 

斜め

 

革にもご希望の色目があったので

まず革があるかどうかお調べし、

ご予算に合うのでしたら、お話を進めましょう、

ということに。

 

マチファスナー(閉)

 

伺ったイメージでは

もう少し違うお色をご希望でしたが、

クライアントのお話から

こっちの革の方がお好きそう、

とチップを取り寄せすると

そのお見せした革に決まりました。

 

マチファスナー(開)

 

今回のリクエストでは

マチの上部が細くなることが、マスト。

マチにファスナーを使い、

荷物量によって

厚みを変えられるようにしたいということです。

 

上部詳細

 

いくつも方法は考えられますが、

ダミーを通して型紙を作りながら

もっとも美しい仕上がりになるよう、

選択していきます。

 

ポケット

 

もっとも美しい、と言っても、

クライアントになり代わり

この方なら何を良しとするだろう、

という観点から照らし合わせ

決定して行きます。

 

ファスナーポケット付き

 

今回のリクエストでは

裏地を革にすることもマスト事項です。

 

構造によっては

革の裏地がナンセンスになってしまうことも

ありますから、

ご注文時、短い時間の中で

そこまで考えたうえ、ご注文をいただきます。

 

結局は製作の最後まで

リアルに考えないと

ほんとうに製作可能かどうか

責任を持って答えることができません。

 

Dカン付き

 

お見積もりの大変なところは

まさにこの部分で、

どんな内容の見積もり依頼でも

最終的な出来上がりまで

齟齬の無いよう考えてから、お出しすること。

 

傍目に具体的に

何をやっているようにも見えませんが、

頭の中はめまぐるしく動いています。

一件のお話が終わった後には

必ずお休みを必要とする作業。

 

余談ですが、そんな事情もあり、

完全予約制で動かざるを得ないお店です。

 

持ち手の滑り止め

 

このたびのクライアントは

デザイン的にはお任せでしたが、

これまたその方の「好き」を

読んで、ご提案することも考えますと、

これはもうまるでギャンブル。

 

綱渡りのオートクチュールは

クライアントとデザイナー&製作者の

三者が揃って、初めて

発動する精妙な仕掛けです。

とても喜んでいただけて

嬉しい案件でした。ありがとうございました。

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