革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

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2016.09.14

イタリア製クロコダイル型押し革のハンドバッグ

「このバッグが使いやすくて

ずっと使っているんですが、これを

クロコの型押し革で、とにかく軽く

作っていただきたいんです。」

 

と、このコラムの一番下

右側のナイロンバッグを

お見せくださったクライアント。

 

クロコ型押しハンドバッグ

 

「こういうナイロンでは情けないので

格のあるバッグにしていただきたいんです。」

 

そこでお薦めしたのが

イタリア製のクロコダイルの型押し革。

 

この革はイタリアで作られた革ですが

高価だったため、日本では一枚も売れなかった

という曰くつきの革。

 

デザイナーはひと目見て

その素晴らしさに、見本の2色とも

すぐに買い求めました。

 

斜めから

 

この型押しの元になった型は

おそらく天然のポロサスで、

とてもナチュラルな型押しなのですが、

型押しの継ぎ目がわからないほど

いい感じの型押しに出来上がっています。

 

マチ

 

また押しの具合が絶妙で

染色も微妙、ときてますから

最初からアンティークのような様相。

 

水を垂らしてもコロコロとはじき

多少の擦れ傷などもわからないような

絶妙な加工をしています。

 

そういえば代官山のお店の壁は

イタリア人の職人が塗ったものでしたが、

時間が経って古びるほどすてきで、

退店する時に拭いたら

「拭くんじゃなかった」と後悔したくらい。

彼らのモノづくりは

そうしたところが真骨頂と言えます。

 

底面

 

ということは

長くお使いいただいて、多少傷がついても

全然問題ない革、ということ。

 

このクライアントのリクエストにも

ぴったりです。

 

「少し攻めの革づかいをしてみますか?」

とお尋ねすると

「あまりアヴァンギャルドなのは

仕事上よろしくないのですが、

結構そういうのが好きで

若い頃そういうものを持っていました。」

 

正面ポケット

 

このお返事を伺って

「上品なら、攻めてもいいですね。」

と、この革の模様の取り方を決めました。

 

本物のクロコダイルの革では

絶対にありえないこの模様の使い方に、

気づいた方はいらっしゃいますか?

 

内側1

 

普通、本物でもフェイクでも

バッグの真ん中に

革の広い斑を持ってきます。

外側に広がるほど、斑は小さくなるように。

 

それは、本物のクロコダイルの革が

そういう斑の並び方をしているからです。

 

そんな中で

フェイクならではの醍醐味は、

本物のクロコダイルでは不可能な

斑の使い方をすることです。

 

内側2

 

それが今回の

真ん中に細かい、横腹の斑を持ってくる方法。

 

うつくしい型押しを

もっとも美しく見せる方法ですし、

本物のクロコダイルを知っている方には

ウィットのある使い方。

 

クライアントの個性を拝見して

こんなお薦めをするのも、当店の特長です。

 

見本と比較2

 

そういえば、重さについて

以下のようなお手紙をいただきました。

 

************

上品で風格のあるバッグを

作っていただき、ありがとうございました。

机上に飾り、今は見て楽しんでおります。

秋になればデビューです。

 

軽さは480g。すばらしいです。

私がお見せしたロエベの小バッグは430g。

50gしか違いません。

この年齢になると

「軽い」というのがバッグの

第一条件となってきます。

更に、おしゃれで美しい。

喜んでおります。

************

 

最高の褒め言葉をありがとうございます。

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