2017.04.29
正統派メンズブリーフケースのご注文
近年は、服装も持ち物も
カジュアル化が進み、
正統派のブリーフケースを作る機会は
かなり減ってきました。
ファッションはすべてにおいて
軽量化、軽薄化していると感じます。
そんな中、このクラシックタイプの鞄を
必要とする方は
いったいどんなご職業の方でしょう?
今日ご紹介するのは
弁護士のクライアント。
「今度、大きな仕事でデビューします。
先輩からアドバイスをいただきました。
今まで持っていた鞄や背広はやめて、
バリっとしたものを着て、
良い鞄を持ちなさい。
それを聞いて、迷わずこちらへ伺いました。」
「私はふだん、服装や持ち物に
気を使わない質なので、
大きな裁判に臨むに際して
そういう助言をもらえて良かったです。」
まだ30代の若いクライアントです。
いわゆる高価な服装をして
いつもきれいに髪を整えているタイプの
弁護士ではありません。
清潔感のある、
一生懸命仕事をしてらっしゃるタイプ。
お仕事が相当お忙しそうなので、
当店へまっすぐ来てくださったのは
とても嬉しい選択です。
第一印象は、とても大切です。
一瞬で恋に落ちるのも、幻滅するのも
第一印象が大きく関係しますし、
仕事が上手く行くも行かないも、
じつは、かなり左右されています。
ですから私たちは、
社会の中で、自分が持たなくてはならない
ペルソナを付ける必要があります。
そのペルソナ作りを助けるのが、服装と持ち物。
女性ならば、化粧も大きな要素でしょう。
日本の社会には
あまりTPOがないですから
ついつい楽な感じに作ってしまいがちですが、
自分の仕事の世界で、ほんとうに
何が必要とされているかをわかっていれば、
服装も持ち物もおのずと変わってきます。
私どもは、そのお手伝いをできれば、と
いつも思っています。
ですから、このご注文は
とても嬉しいご注文でした。
奇をてらわず、シンプルで
いつまでも使い続けることのできる鞄。
クライアントは
「この鞄は、本番の時にしか使いません。
それで手入れもして、
一生法廷の中で使うことになるでしょう。」
デザイナーは、年齢を重ねたことを
嬉しく思っているようです。
なぜなら、この世界には何が必要か、
こんな時にはどうしたらいいか、といった
社会のマナーがほとんどわかるからです。
目的あるデザインを、
クライアントのご意向に沿ってお出しする。
これが、当店のポリシーです。