革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

Order example

2017.03.11

ショルダーバッグの裏地張替え

もう20年くらい前にお作りした

レディスショルダーバッグ。

「ずっと前に作っていただいたのですが、

裏地がダメになってしまって。

取り換えていただけますか?」

 

お持込いただいたのは

ツヤツヤとしたベージュのバッグです。

ああ、これは…と

記憶の底に眠っていたものが目覚めます。

美しく使ってくださっていることに、

感謝します。

 

正面

 

新しい裏地として、ブルーグレイの

明るいお色をお選びいただきました。

まったく違う雰囲気になり、

また新鮮にお使いいただけます。

「新品みたいになりましたね。」

 

でもそれも、

複数のバッグを使いまわしてくださった

このクライアントのおかげです。

 

裏地比較

 

革や裏地だけでなく

世の中にある何もかもが、

たとえ使わなくても劣化します。

 

「革製品は一生ものですよね。」

とおっしゃる方は、今だにいらっしゃいます。

 

しかしそれは、ある条件下でのみ

生きている法則。それは、

 

まず、革素材に厚みがあること。

革素材だけで作られていること。

少なくとも数個のバッグを使いまわすこと。

雨の日には別素材のバッグを使うこと。

 

簡単なようですが、

こういう素材と作りの鞄を

こういう風にお使いの方は、

かなり少ないと思います。

 

革が厚いということは、重い、ということ。

数個のバッグを使い回すには、

面倒な入れ替え作業が付きまといます。

だからつい

雨の日も革バッグを持ち、

びしょびしょになるまで濡らす方も

けっこういらっしゃいます。

 

張り替えた裏地

 

でもそもそも

一生持てる鞄て、あり得るのでしょうか?

 

20代の人には体力があります。

50代の人が

そういう人と同じ鞄を持てる、

あるいは持ちたいと思うでしょうか?

地位もまったく違います。

 

人のライフステージは、

大体10年ほどで変わっていきます。

ですから、当店では

その時その時

快適に暮らせるバッグがあることが

大切なことと思っています。

 

軽くすることによって

持ちは10年になるかもしれませんが、

それは確実に

身体が楽をできる、快適な10年です。

 

今回のバッグは、

もともと軽くお作りしました。

ですから、20年後でも

持ちたいと思うお品になりました。

良いオーダーと

良い使い方を、ありがとうございます。

関連記事

  • ファスナー式クラッチバッグ

  • お揃いの革とステッチ、手帳カバーとカードケース

  • コーディライン3点セット

同様のアイテムを見る: