革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

Order example

2020.01.3

懐中時計を嵌め込んだシステム手帳 93

昨年お作りした手帳カバーの中に

こんな変わったシステム手帳がありました。

見本品のあるものでしたが、

こんなものは見たことがありません。

 

なんでも、20年ほど前 懸賞に当たって

いただいたものだというではありませんか!

 

手帳の中央上部に

懐中時計のような丸い時計が付いています。

ほんとに豪気な時代でした。

 

 

最初に外側から拝見して思ったのは、

これ(時計)をどうやって固定してるか?

ということ。

 

時計には縁があって

それが、ほぼほぼぴたりとはまっていました。

 

こんなものがどうして、

おまけとして、量産品として成立したのか、

当時のモノづくりのすごさを感じました。

 

きっと最初は

クライアントの思い付きから始まって、

泣きながら、何度もダメだしされながら作る

製造会社のことが目に浮かびます。

 

昔は イヤと言わない雰囲気がありましたから

こうしたおまけの品でも

安く、何度もやり直しさせられながら

情熱をもって作ったことでしょう。

でも量産だからできたことと思います。

 

今はある意味

作り手が強い時代とも言えますから、

こんな難しいものは、量産で

もうこの精度で作れないと思います。

巷には同じ形の革製品だけがあふれています。

 

 

 

それはさておき、

そんな稀有なアイテムが、20年も経って、

我々の目に入ることとなったのです。

 

その真のすばらしさを理解し、

こうしてみなさまにお伝えすることで、

このようなものを作る量産技術を

絶やさずキープしていく人が

続いてくれることを願っています。

 

 

時計の秘密は、単純でした。

裏面にポケットがあって、

そこに時計が収まっていました。

 

しかし、しかしですよ、

ぽかんと何もない空間に

バランスを見ながら穴の位置を決め、

そこで丸い時計が固定されるような

絶妙な大きさの穴を開けるって…

みなさまのご想像以上に、高いハードルです。

 

そしてそれが動かないような

きっちりしたサイズのポケットを、

裏面に正しい位置に作る、ことも

もちろんハード。

 

 

丸い時計に四角いプレートが付いていても、

難しいことに変わりありません。

見本品が

こともなげにそれをやっているように見えるのは、

あくまで見た目だけです。

 

この時計にも、びっくり!

なぜなら、このおまけの品のために

丸い時計を四角いプレートに埋め込んでる

のですから。

 

企画者が相当楽しんで、自分の好きなことを

落とし込んだお品だと、

細部を見るとよくわかります。

 

 

こういうお品を拝見しますと、

・欲しいものがある

・それを作るために一生懸命になる

→だから楽しい

という、モノづくりの原点を思い出します。

 

当店のオーダーメイドは、

自分たちの技術をもってして

「みなさまのモノづくり」を実現させる

仕事。

 

本年もよろしくお願いいたします。

 

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