2020.11.13
オプションのカード入れ付き、黄色い長財布 206
「いろいろ思うところあって
お財布を変えようと思います。
お札の種類を
分けて入れられるようにして、
黄色で作りたいのですが…」
と、クライアント。
全てのパーツを黄色で作りたいという
リクエストをお受けして、
裏地にも黄色い牛革を使っています。
お財布のご注文の場合
案外多いのが黄色いお色のご希望ですが、
品質の良い革の入手は難しいので
それが大変です。
革の色には
1.革らしい色、それから
2.ヴィヴィッドな色、
3.淡い色、などがありますが、
ベースになる元々の
「革の色」がありますから、
それをそのままにして
2.や3.を出すのことが難しいのは
ご理解いただけることと思います。
ですから2.や3.の色は まず
ベースの色を整えてから、色付けをします。
女性のお肌で言うと
下地を付けて→ファンデーションという
手順で行う、と申せば
お判りいただけると思います。
その時点で普通は
革の毛穴をつぶすことになりますから、
経年変化しない革になります。
これは良い悪いでなく、
単純にそういう革、という特徴だと
思ってください。
女性の素肌を作る化粧も同じですが、
下地にお色がうまく定着してくれると
長くきれいに使えます。
革質や下地の作り方、
乗せる色や乗せ方によっても
定着が良いか悪いかは変わってきますので、
一概に何色は色が抜けやすいとは言えませんし、
擦れた後がどうなるかも
革の作り方によって様々です。
ただ最近の革でいえることは、
かなり定着が良くなっていますし、
色が抜け落ちてしまうことも
少なくなってきました。
革も進化していますが、
それでもきれいな黄色で
まあまあの経年変化するものには
なかなかお目にかかれません。
今日はそんなお話しです。