革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

Order example

2021.08.29

持ち込みの革で、薄くて小さいミニ財布を 1611

たまにあるお問い合わせの中に

「持ち込みの革で

作っていただけませんか?」

というものがあります。

 

場合によってはその革が

故人の遺物だったりすることもありますが、

今回は純粋に

「私はこの革がとても好きなので。」

という理由でした。

 

 

お話を伺いますと、

他にもオーダーをしているお店を

お訪ねして、

「こういう革は製作に向いていないですよ、

うちで扱っている革で作る方が

絶対に長持ちして良いですよ。」と

お断りされ、持ち込みの革では

どこでも作ってもらえないだろう、と

思っていらしたそうです。

 

今回リクエストいただいたアイテムは、

ミニ財布とA7 ノートカバーでした。

どちらもさほど難しい仕様ではありませんが、

このクライアントには、

革の厚みに対する強いご希望がありました。

 

お写真はミニ財布の方ですが、

カードとキーを持ち歩くタイプで、

最小の大きさ、という感じです。

 

 

なるほどそのご希望をお伺いしますと、

普通の革製品を作るお店には

荷が重いかな、ということがわかりました。

 

でも当店は、

みなさまに喜んでいただくことが

一番大切なことなので、

仕上がりについて細かくご説明をし、

できうる限りの対応をしました。

 

お話しして、最終的な革の厚みと

仕様が決まったところで、

「こういうリクエストを

受け付けてもらえるところがあって、

ほんとに良かったです。」と先に挙げた

他店での体験を話してくださいました。

 

 

フルオーダーメイドの仕事で大敵なのは、

「これは、こうでなくてはならない」

と思い込むこと、です。

 

それから、固まったセオリーだけで

ご相談や製作作業を進めないこと、です。

 

今まで世の中にないものを産むこと、とは、

そういうことです。

 

フレキシブルで、

ご注文者の気持ちを思って考えれば、

どんなものでも産み出すことが出来ます。

 

でも同時に、

それを現実にするのが、高度な技術。

基礎技術からしっかり体得して、

頭を柔軟にし、

気持ちを込めて仕事をすれば、

どんなリクエストでも完遂できます。

 

喜んでいただけて良かったです。

このたびはありがとうございました。

 

関連記事

  • 二代目 定期入れ

  • その後のボストンバッグ(旅行カバン)

  • もふもふの美猫と、2016年にお作りした色鉛筆ケース

    もふもふの美猫と、2016年にお作りした色鉛筆ケース

同様のアイテムを見る: