2022.05.24
レディスのビジネスバッグ 201
「このバッグが気に入っているんですが、
重い荷物を持つからでしょうか、
半年ほどで持ち手の革が
ぽろぽろと取れてしまうようになってしまって…
買い替えても同じことになるのだったら
いっそのこと、オーダーで
上質なものを作っていただこうと思います。」
拝見しますと、凝った作りのバッグです。
それだけでなく、たしかに使いやすそう。
D:「良いバッグですね。
だいぶ使い込んだ感じですが、
この状態で、まだ半年なんですか?」
持ち手のところだけでなく、
ところどころ表面が剥げかかっています。
D:「失礼ですが、
こちらはおいくらくらいでした?」
C:「たしか☓万円くらいでした。」
D:「製作工程がとても多い製品で
外装も内装もしっかりできているわりに
極端な安価だと思います。その分、
革にしわ寄せが行ってしまったんでしょうね。」
こんな会話の後ですから、
ご希望いただいたデリケートなお色でも
剥げない、褪色しない、
多少の雨でも大丈夫、
なフランスの革をお見せしました。
当店特製牛革とは正反対の「変わらぬ革」です。
お選びになったのは、
見本と同じような色目です。
見本のバッグがもっといい革で作られていたら…
とも思いましたが、
一般的に日本の量産品では、当店が
お薦めしたレベルの革を扱うことは出来ません。
量産品でもそれをできるのが、ハイブランドです。
お話を伺っていきますと、
少し変えたい仕様内容がおありのようです。
それをすべて反映させての今回のオーダーです。
ただ、現物をお持ちとは言え、
少しだけ底幅を大きくしたいのですが、
というご希望を頂戴したので
大きさダミーをお作りしてお見せしています。
オーダーバッグで難しいのは容量決めなので、
これさえクリアすれば
完璧なものをお作りすることができます。
デザインは、お好みを聞きながら
少しだけ細部を変更して、
さらに上品な感じにしています。
少しお使いいただいた後、
この案件に対する達成感を感じることのできる
ご感想を頂きました。
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この度は想像どおりのカバンをお作りいただき
ありがとうございます。
大きくしたはずなのに大きく見えず、
何度も見直しています。
ゆとりができて持ちやすいからでしょうか、全
部荷物を入れたのに軽く、
「忘れ物したかな」とこれまた
何度も中を見直しています。
持っているうちに、
取手など変えたくなるかもしれません。
その時はまたお付き合いください。
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このたびはありがとうございました。
見本バッグの持ち手のことがあったので
ご心配になっていらっしゃるようですが、
この革でしたら、
長いこと交換の必要はないのではと思います。
後日、お取引のある革屋さんと
今回見本になったバッグの話をしましたら、
ちょっと驚くようなことを言います。
「その革はたぶん、
すみません、ウチでお出ししたものです。
とにかく安い革を、ということで
ウチでもどうやったらその値段でおさまるか…と
何とか作った革です。
あのお値段では劣化が早いとは思いましたが、
半年でそれですか… いや、勉強になりました。」
いろいろな情報をお互いで交換しながら、
革という素材は怖い、と
あらためて知ったオーダーでした。