革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

Order example

2022.06.19

プレゼントの手作りベルトの製作

 

プレゼントにまつわる

せつないお話に遭遇しました。

クライアントからご許可を得て

こちらにお書きします。

 

先日、メールでのお問い合わせを

いただきました。

「今使っているベルトのバックルを使って

同じようにベルトを作っていただきたい。

素人が手作りで作ってくれたものなので

それほどのものではないと思いますが。」

 

手作り、とお聞きしますと

絵柄を入れたものが多いので、

確実にお作りできるタイプかどうかを

確認するため、

ご来店前にお写真を送っていただきました。

予想に反して、シンプルなベルトです。

 

 

*お写真はすべて
クライアントからお送りいただいたもの

 

 

店頭であらためて拝見しますと、

「いただいた時から、そうですねえ、

もう15年以上使っています。

この革の厚みがちょうど良い感じで

気に入っているので、

代わりになるベルトを探したのですが、

この厚みのものが市販でないんですよね。

 

それもあって、また

まずベルトのバックルを使いたくて

オーダーをしているところを探しました。

ベルトを作ってくれるところは

他にはなかったですよ、

ここを見つけられて良かった。」

こちらこそ、ありがとうございます。

 

たしかにこの厚みのベルトはありません。

というのは、量産品のベルトには規格が必要で

一般的なベルトの革の厚みは

大体これくらい、と定まっているからです。

その厚みが当たり前の製品なので、

オーダーの中でも珍しいご注文内容です。

 

 

 

 

プレゼントのベルトは、薄手でもしっかりしています。

珍しいタイプのシルバー板バックルを付けていて

バックルの根元を手縫いしているだけの、

一見すると「普通」に見えるベルトですが、

店中の者が全員「おおっ!」と

目を見張るようなお品物でした。

 

革の裏もきちんと染色されて磨かれていて

気持ち良い手触りになっていますし、

たしかに薄手なので、

このクライアントのようにほっそりした方には

充分な手ごたえと思います。

 

 

 

 

バックルは?

これもひょっとしたら手作り?

普通にはない企画サイズで、

変わったところがいくつもあります。

 

「これは…バックルも手作りですか?

いや、こんなの、趣味で作れるのかしら?」

デザイナーがお尋ねしますと、

「これも作ったって言ってましたよ。」

 

「これをくださった方のことを、

お聞きしても良いですか?どんな方でした?」

「キャバクラの女性だったんですよ、これが趣味の。

当時仕事で使ってて仲が良かったものですから、

革製品は何が欲しい?って聞かれて

ベルトが良いなあ、って言ったことで

作ってくれたんです。その頃

彼女は自分のブランドを立ち上げようとしてて、

自分のロゴを入れて、いろいろ作ってました。

事故で亡くなっちゃったんですけどね…」

 

デザイナーは、このお話をお聞きする前に

「これほどのお品を作るには

ほんとにたくさんの愛情が要りますよ、

作ってもらえて良かったですね」

と申し上げていました。

 

 

 

 

元のベルトはそろそろ革が寿命です。

今回新しいものをお作りしますが、

それは

再現できる限り、同じにお作りします。

 

ベルト製作した後のお渡しに際しては、

なるべく長く、オリジナルのベルトを

使っていただく時間を延ばそうと思い、

「お日にちを決めて、

このベルトをして、またご来店ください。

その時に、革の取り換えをします。

ベルト無しで銀座を

1時間くらいぶらぶらしてくださいね。

帰ってきたら、新しい革に替わっていますよ。」

 

 

 

 

「え、そんなことができるんですか?

そうすると、今度来店する時まで

これを使っていられるんですか?

 

私はすっかり、今日

お預けする気持ちでいたので、

ドンキホーテで新しいやっすいベルトを買って

それをしてきたんです。でも

革は厚いし、堅いし、付け心地悪いし…

それは良かったなあ。」

 

アトリエが隣接していて

つねに技術者たちがいることで、

こんな心遣いも可能になります。

 

ひとりの人によって作られたお品には、

たっぷりの愛が籠っています。

私どもが製品を作る時の気持ちと同じだから、

それはよくわかります。

どうぞ楽しみにお待ちください。

 

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