革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

Order example

2022.08.22

リコーGRのためのカメラポーチ 20706

 

懐かしいカメラの名前を聞きました。

リコー「GR」です。

 

その中でも特別仕様品をお持ちのクライアントが、

ご自分が持った中で

もっとも使いやすいサイズの市販ケースに

出会ったことで、

オーダーメイドの世界に入ってくださいました。

 

「このケース、駅構内でたたき売りしていて、

買ってみたらサイズがちょうどいいんです。

でも少し使ったらすぐ壊れちゃって。

気に入っているカメラで、毎日持っているので

良いケースが欲しいと思い始めました。」

 

 

 

 

お写真右は、その「理想の大きさ」のケース。

またしても話題は大きさになりますが、

デリケートな感覚を持つ日本人にとって

「心地よいサイズであること」は、

毎日の生活をするうえで

重要なファクターであると感じます。

 

こちらのクライアントは

日常的にカメラを携帯して、

気になるものをサッと撮る生活を送っています。

「ですから、小さ過ぎず大き過ぎず、

パッと取り出せることが肝心なんです。

この見本は、大きさはちょうどいいのですが、

フタの開閉がいまいちで…」

 

お仕事が総務ということで、

さまざまな種類の製作物を

依頼する立場になることが多いため、

オーダーに関してはかなりの経験をお持ちです。

 

 

 

 

その方が最後まで気になさっていたのが、

現在使っているこのケースの大きさの感覚を

どうやって出すか?=大きさの決め方

でした。

 

このタイプの量産品は

一つひとつの出来にバラツキがあります。

とくにこのケースは、

マチや本体面のパーツカットが並行でなく

採寸場所によってサイズが違いましたので、

どこを基準にして作りましょうかねえ…

と話す必要がありました。

 

しかし、使い方を伺ったことで、

問題はすぐに解決しました。

内容物の出し入れ感覚の場合には

外側の大きさより内寸に重きを置くこと、を

当店では重要視していて

それが当然のことでしたから、

「わかりました、ではそのようにお作りします。」

とだけお返事しました。すると

 

後からメールで、同じサイズで欲しいので

外側の寸法を基準に作ってください、的な

ご指示をいただきました。

それに対しては、理由をお話しして、

内寸を優先させることでご納得いただいています。

 

 

 

 

お引き取り時、出来上がりのケースに

カメラをお入れになった時の

嬉しそうなお顔はずっと忘れられません。

「これこれ、この感覚です。

見本と同じな入れた時の感覚ですし、

パッと出せるし、このマグネットの

フタの留まり具合もすごくいいです!」

 

マグネットも普通とは違います。

とにかく「パッと出し入れする」ことを

主眼にしてらしたので、

内蔵させて、留めの力が微妙であるよう、

変則的なタイプでお勧めしました。

また

開け閉めにストレスがかからないよう、

フタの深さも極力浅くしています。

 

 

 

 

このポーチはポシェットとして使いますから、

お手持ちのストラップを付けられるように

Dカンをお付けしています。

 

ストラップのお値段もバカになりません。

革である必要がなければ、

お手持ちのものをお使いになることは

オーダーメイドのうまい使い方と思います。

 

「ほんとうは前回来た時、

すぐに注文しようとは思ってなかったんです。

でも、説明をし出して反応をみたら、

ここなら自分の意思が伝わって

良いものができそう、という判断ができたので

頼んじゃったんですよ。

仕事でいろいろ頼んでいるので、

そういう判断がぱっとできるようになりました。」

ありがとうございます!

 

オーダーという行為に慣れている方は、

いろいろな失敗を積み重ねて

その道を進んでいらっしゃるだけに、

ご希望の出し方や留意点についての

ご説明のアスペクトが少し違うのだな、と

勉強になったオーダーでした。

 

このたびはありがとうございます。

もしストラップが必要になったら

いつでもご相談ください。

 

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