革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

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2023.07.30

留め金具を使わない、ぴったりサイズのベルトループ 30406

まさに「こだわりのひと品」を

ご紹介します。

小さなお品ですが、

見た目以上の

知恵と技術が必要でした。

 

ご注文者がこだわってらしたのは、

このベルトループに他でもない

「ピストルナスカン」をつけること、

出来ればこの金具の他に

留め具等金具を使わないこと、

それから、ベルトの太さに合わせて

ループサイズができていること、の

みっつでした。

 

 

 

 

 

 

ひとことで申しますと、

無駄な金具のない、ぴったりサイズの

ピストルナスカン付きループ、です。

 

たったこれだけの意思の疎通が存外に難しく、

メールだけのご相談のはずが

ご来店いただくことになりました。

お忙しい中

ご来店ありがとうございました。

 

店頭でお話を伺い、質問等して

きちんとした理解に至ったのですが、

それはわずか15分ほどのお時間。

 

一番のこだわりは、とにかく

「ピストルナスカンを使うこと」と

わかった瞬間、

すべての疑問が氷解しました。

 

 

 

 

メールでのご相談は、最初に

ボタンの掛け違いが起こると、

いかにズレが続きまくってしまうか、

が顕著に表れた例と思います。

 

このボタンの掛け違いは

年に一回あるかないか、という感じです。

それはたいてい

どのようにお使いになるのか、

というご説明がない場合が多く、

形の説明だけをいただくことで

起こることかもしれません。

 

私どもには、同じものに対しても

数え切れないほどの金具がありますし、

それにはそれぞれ特徴があって、

みあんさまのリクエストに対する

条件に合うモノ、合わないモノがあります。

 

また、同じようなお品でも

作り方も数種類ありますから、

そのたくさん中から

ピタリとはまるひとつを選ぶには、

どういう目的で、どのように使う、

という情報が必要です。

 

一度も作ったことのない製品が

世界中にあふれている半面、

普通のお店にはない製作経験も

驚くほどたくさんあります。

 

その中から当てはまる事例や技術を

依り分けていくことで

最適なコンサルティングができるのですが、

 

最初から個々の細部まで指定されますと、

実際に作る時に矛盾する部分や

辻褄の合わないところが出て、

どうしてこれを指定された?と

戸惑ってしまうことが出てくる場合も

あります。

 

 

 

 

 

 

そんなわけで、ここ数年でも

珍しいくらい内部で紛糾しましたが、

お会いすることで一気に解決し、

さらに良いご提案もできました。

 

お会いしてお話しする、ということが

どれほどのものか、あらためて

認識しました。すばらしいことです。

 

出来上がった製品には

ご指定以外の金具は一切使われていません。

ただ一本だけのステッチで仕上げた

珍しい製品です。

 

この一本だけのステッチで

作り上げるために、

みなさまにはお見せすることのない

ギミックを使っています。

 

小さいですが

他では決して考え付かない作り方の

ベルトループは、

お受け取り時に合格をいただけて

ホッと安心しました。

このたびはありがとうございました。

 

 

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