革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

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2023.08.16

お父様へのプレゼントはお気に入りのボディバッグ 2306N

 

その日ご来店くださったのは、

正反対のタイプの姉妹のお二人。

弟さんもいらっしゃるとのことです。

このお父様は、何と魅力的なご兄弟を

育てられたことでしょう。

 

先にメールでお写真をいただき、

「父の還暦祝いの記念に、この

ボディバッグを作って欲しいのですが。」

というご依頼をいただいておりました。

 

 

 

 

 

 

気に入って毎日使っているのはコレ、

と、お父様がバッグをお持ちになっている

お姿のお写真を1枚頂戴し、

その1枚のショットから

全体の構造を割り出していきました。

 

その時点で、製作方には

何やら暗雲が垂れ込めていました。

「これは…難しそう」

 

でも論理的には製作可能な形と判断し、

そのお返事を差し上げたところ、

ご来店くださったお二人です。

 

 

 

 

 

 

「気に入って毎日使っているバッグ」は

とくに男性にとって、身体の一部です。

もはやそれが新しくなっただけでも、

使い慣れていない、という

抵抗感があるのは仕方のないことですから

 

私どもは、たとえ違う素材であっても

「使っていたら同じになること」を

念頭に製作していきます。

 

これがどれほど難しいか、

同じ作業をしたことがある人にしか

本当のところはわからないかもしれません。

 

 

 

 

 

 

ありがたいことに、このボディバッグが

どこのブランドのどういうお品か

わかりましたから、お探したところ

たまたま中古品のお写真が載っていました。

とりあえず何枚かのお写真があります!

 

ところがそこからわかったことは

想像していた以上の難物で、

作りつつ、事態を確認しながら

考えを進めていく製作方法しかない、

ということ。

 

 

 

 

 

 

バッグでも財布でも、

フルオーダーメイドをお受けしておりますと、

手を動かして進めていかないことには

先に進めない製作物、というのがあります。

 

反対に頭を使うことで看破できるお品は、

もう出来上がった気になってしまって、

たくさんある作業工程の一つひとつを

まどろっこしいと感じることもあります。

 

いずれの場合にしても、

脳をフル回転させなければならない

フルオーダーメイドの仕事では、

手もフルに動かさないといけません。

 

 

 

 

 

 

それにしても、既製品というのは

どうやってデザインものの製作方法を

選んでゆくのでしょう?

 

あまり普通でない作り方をしていたり、

無理やり作らなければならなかったり、と

デザインから引き出していくにしても、

不思議な製作方法がたくさんあります。

 

デザイン先行にしても

別の作り方もあると思うのですが、

でもまあ別の作り方にすると、

確かに細部は違ってしまいます…

 

有名ブランドには

専属デザイナーがいますから

デザイン優先になりますが、

それにしてもこの価格の製品に対しても

それを遵守させるということは、

驚きの事実だと感じます。既製品はすごい!

 

 

 

 

 

 

お受け取り時に

ご来店くださったお姉さまからは

「完璧!」の一言をいただきました。

ほっと胸をなでおろした製作者です。

 

お父様には、サプライズもあり、

喜んでいただけることを願っています。

このたびはありがとうございました。

 

余談ですが、最近では、

専属になった製作者を

ご注文者にご紹介する場面もあります。

顔が見えて、ご感想をいただけるのは

私どもにとって嬉しいことです。

ご希望の方はその旨お知らせください。

 

 

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