革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

Order example

2024.07.18

リアルイタリア、ファッションで表現される矜持

今回のイタリア渡航について

デザイナーが嬉々として話したことが

とてもおもしろかったので、

お書きすることにしました。

 

 

 

*トスカーナ地方のシンボルともいえる
壁面アーチからの丘の風景。

 

 

 

「フィレンツェ空港に着く飛行機は

フランクフルトで乗り換えするの。

そこでね、

最高のクルーチームに会いました!

 

それは”エアドロミティ”の人たち。

小さな航空会社で、小さな飛行機に

3人のフライトアテンダントがいたのだけど、

それが今までに出会ったことのないクルーたち!

 

リーダーが(年齢はよくわからなかったけど)

とてもきれいにスーツを着ていて…

肩ラインがちょうどいい加減で、

身ごろは身体のラインに沿って

きれいなカーブを描いているんだけども、

ゆとりの取り具合が絶妙なスーツなの。

動いてもぴたりとはまっていました。

 

ドロミティのイメージカラーの

ブルーが印象的なネクタイも、

絞め方にスキがなかったです。

ネクタイの絞め方に感じ入ったのは

私は初めて。

とくに変わった締め方ではなかったのに…

 

他の二名(一人は女性だったのだけど)も

彼らも上等な着こなしで、

同じようにぴたりとフィットしたスーツを

しわひとつ出るでなく動き回っていました。

女性のパンツスーツもすばらしかった、

あのスーツはいったいどこで仕立てた?

 

 

 

*ある街のシンボルマーク。街の
大切な場所には必ずこれがあります。

 

 

とにかく、その中のリーダーからは

目が離せなかった。

ハンサムとかいうことでなく、

彼の身のこなしには

イタリア男性としての矜持を感じました。

 

飛行機って始めに緊急時の説明をするでしょ。

それが、

それが、初めて見る美しさなの。

もう美しいわけ、ただただ見事なの。

まるで

完璧な俳優が演じる舞台を見ているようで、

それでいて噓がなく、それが彼の本質だ、

ということがわかるの。

 

 

 

*街の中心にあるコムーネの建物の
時計台と釣鐘、シンボルの動物。

 

 

 

乗客の中で

私だけがガン見していたと思うけど、

普通そういう場面て、ほとんどの人は見ない。

クルー自身にしても適当に済ます人は

少なくありません。

私も、いつもだったら適当に見るだけです。

 

でも彼は、まさに

イタリア男性の代表として

誇りをもって説明していました。

 

それがひと目見ただけでわかり、

それが私のすべてを彼に向けさせました。

あんなにすばらしいアテンダントは

今までに見たことがありません。」

 

これは往路飛行機のことだったとのことで、

「往路のことがあって期待してたから、

復路はがっかりしました。」

というデザイナーの言葉を聞きますと、

同じエアラインでも

同じレベルの人はなかなかいないのだと

想像がつきます。

 

 

 

*夕方にはレストランの外席にもなる道路は
レストランが閉じている時も美しい。

 

 

 

話は続きます。

「トスカーナ地方の男性は

自分の美の基準をしっかり持っていて、

それに合致するように装い、

居心地よく暮らしているのだと思います。

だから他人に優しい。それも彼らの美学。

 

いろいろなホテルに泊まりましたが、

ホテルの男性オーナーは

みんなシュッとした出で立ちでした。

(シュッて何なんでしょ?)

 

ワークパンツ風のパンツ

(大きなポケットが脇についたタイプ)の

ラインが日本で見るものと違って

細身で攻めてるイメージだけど、

何とも言えないゆとりあるラインで

きれいなフィットをしてるの。

 

この「何とも言えないゆとり」というのが

ポイントだと思います。

ウチが革製品を作る時と同じ感覚ね!

だからオーナーたちのうしろ姿も

思わず振り返ってしまうくらい魅力的。

 

あれは人をきれいに見せる技のある

パンツの仕立てだと思うけど、

ああいうものはどこに売ってるんでしょ?

 

で、そういう人はたいてい革靴で

きれいに磨いた靴を履いてて、

エレガントな立ち居振る舞いをしてました。

 

話が逸れてしまいましたが、

お会いしたオーナーたちは、一様に

優しい目をして、サービス精神を持ち合わせて。

チャーミング、という言葉がぴったりでした。

 

 

 

  

*散歩道のご紹介です

 

 

 

イタリア男性は、カッコよくしていて

女性に優しいから、キザだとか言われますが、

表面的にそう見える事象は、

彼らの美意識から来る行動なので

キザとかそういうこととはかけ離れています。

 

本質的にはずっと深いものがあり、

表面的で生半可な、

取ってつけたような態度とは違います。

彼ら自身にとっては当たり前で、

意識してないと思うけれど…」

 

 

 

  

*いまだに修道士の生活をする修道院があります。

 

 

  

*修道士の部屋は狭く、終日祈りを捧げています。
週に一度、右の大広間で全員で夕食を取るそうです。

 

 

 

なんだか男性ウォッチングのようですが、

「きれいなものには目が行っちゃうの。

全体像の一瞬の印象はほんとに大事ね。」

とのこと。

 

「あのような雰囲気を、無理するでもなく、

いつでも自然に醸し出せるのが

年齢を重ねた良さだと感じます。

 

ある程度の年齢になったら

あの慈愛の目と、ゆとりある動作が

できるようになるとステキですね。

今回の旅では、そういう良いモデルも

たくさん見ることができました。

自分はまだまだね…」

 

 

 

  

*日本の山と似た植物がたくさんあり、気候も
似ているかもしれません。この景色の中に人の
暮らしがあります。

 

 

 

デザイナーは、当店の女性顧客から

「自分がなりたいと思う

年上女性のモデルがいないから、

具体的なイメージがわかないです。」という

言葉をたまに聞くそうです。

 

もっと外へ出てみると、

自分が何を探しているのか

わかることがあるかもしれません。

 

「海外を見ることは

そういう意味でも大事だと思います。

たまたま革製品を作っていることから

何度も訪れているトスカーナでも、

自分が感じ取れることは

訪れる年齢によって変わっています。」

 

それぞれのシンボルの写真を

あらためて見ますと、

彼らが、生活している場所に抱く愛着と

生まれた国を誇りに思う想いが伝わってきます。

 

さて、すっかり話は変わりますが、

今回デザイナーがこの旅のために作った

プロトタイプバッグを、

1点ものとして正式品にお作りしました。

ご笑覧ください。

「これ、完璧な使い勝手でした。

ちょっとモノが入り過ぎるかも…」

 

 

 

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