2024.07.20
リアルイタリア、トスカーナの移動方法
15年くらい前までなら
多くの日本人とすれ違うことがあった
トスカーナ地方ですが、
コロナ前と今回、二度の渡航では
ほとんど日本人観光客に会いませんでした。
今回は、それが往路飛行機の中でも同じで、
随分様変わりしたものだと思います。
同じアジア人ですと
中国、韓国、台湾の人たちはたくさんいました。
*城壁に囲まれた街には、城壁自体に
街の印(シンボルマーク)が刻まれています。
現地に住んでいる人はというと、
私が訪れたひとつの街では
インド系が増えている感じです。
街によっては、
アフリカ系も多い、と聞きます。
14歳と17歳のインド姉妹から聞いた
ある小さな街の学校教育は、
昼過ぎに家に帰れる程度の時間帯で、
いったいどうすればそんな多くの教育が
できるんだろう?というほど
語学学習だけでも
たくさんあるようでした。
選択できるようになっている、
ということですが
妹は国語(イタリア語)、フランス語、
英語、を学び、姉はそれにスペイン語も加え、
高校では日本語も少し学んでいるそうです。
旅をすると、言葉の大切さを痛感します。
言葉の大切さと言えば、
もちろん、他国の人と話すことも
楽しみのひとつですが、
*左右とも別の街の門。城壁で護られている都市には
いくつかの入り口があります。
それよりもここでの大きな理由は、
トスカーナ地方を移動する方法はバスで、
便利な路線はたくさん出ているのに、
時刻表があっても、なきがごとし、だからです。
もしかすると、
コロナ後に、三つのバス会社が
ひとつの会社になったことで、
まだまだ混乱しているのかもしれません。
コロナ前の時刻表は信頼でき、
バスの発着時間も正確で
楽に旅することができました。
ところが今回は、時刻表があてになりません。
バスのチケット売り場で聞いた時間と
インターネット掲載の時間が違う
(ローカルバスです)、
おまけにバス停には、ある時間になると
バスがぱらぱらと同時にやって来るという、
何が何だかカオス状態ですから、
同じバス停にいる観光客と、どこへ行くの?
と聞き合い、バスが来ると
かわりばんこに運転手に尋ねます。
「これはxxへ行くの?」
*街にはモニュメントもありますが、
中心地は教会によってまとまった地区です。
一番信頼できる答えは運転手の情報でした。
どうして他のバスの時間も知ってるの?
というくらい、きちんと教えてくれます。
それも英語で、です。助かります。
バス停で会った16歳くらいの少女は
きちんとした英語で路線の説明をし、
親切に、私たちがバスに乗るまで
見ていてくれました。
私と一緒にいたのは、スペイン語を話す
メキシコ人女性で、医療関係者なので
その路線の病院を見学するのだとか。
彼女がその親切できちんとした少女のことを
「Linda」と呼んだことが印象的です。
私もたまたまその意味を知っていたので、
「ほんと、彼女はLindaだね」と返しました。
私はこの言葉を、
このメキシコ人女性と別れる時にも進呈しました。
笑顔のすばらしい女性でした。
彼女と一緒にバスに乗ると、前出の
帰宅途中のインド姉妹と出会い、
姉がスペイン語を話すというので、
皆でいろいろな言葉で話をしていました。
妹は目を輝かせて、
私は日本が大好きだから、日本へ行きたい、
と言ってくれます。
そして、その近所のお薦めの観光地を
教えてもくれました。
長い路線があっという間に過ぎていきます。
*バスから見る景色もずっとこんな感じ。
途中、そのバスには、
イギリス人夫妻と台湾人四人が加わります。
6人は「やった!乗れたね!
これでxxへ行くことができる!」と
喜んでいました。
きっと私たちと同じことを
違うバス停でしていたのでしょう。
とすると、この人たちは
ひとつの団体のように見えたけれど、
同行者ではないな…
思わずにんまりとしてしまいます。
*ある街は、翌日から花祭り。教会の前に
花壇が作られます。この教会は粘土質の土壌上に
作られたため、のちに土台内部に水の通る道を作って
修復されましたた。右はその教会の模型で、
どれだけの作業をしたかが見て取れます。
さて、これをお読みになって
そんな不便なところは行きたくない、
と思う方もいらっしゃるかもしれません。
でも、それを押してでも見たいと思う、
他所とは比べようもない景色が
ここにはあります。
既成のツアーでは行くことのない街を
ゆったりと暮らしながら観察する旅も、
たまにはおもしろいかもしれません。