革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

Order example

2024.07.26

入れるものが同じ、目的も同じなのに、サイズの違う長財布2種 407N

「いつもどおり”おまかせ”で

お願いします。」

長いお付き合いのクライアントから

長財布をご依頼いただきました。

 

前回お作りした財布

そろそろくたびれてきたようです。

この男性は見かけによらず

扱いがかなり荒い方なので、

よく保ったと思います。

 

当店で「おまかせ」とおっしゃる方は、

ポイントを押さえて説明くださり、

その他はおまかせ、となります。

 

 

 

  

 

 

 

前回は、なるべく小さく作ってください、

というご要望がありましたから、

もっともコンパクトサイズでお作りしました。

 

今回は「もう少し大きくしてください。」

というご要望を頂戴しました。

年齢が上がることで

手の動きは変わってきますから、

そろそろもう少し大きい方が良いようです。

 

さてここで、

このブログをご覧になっている

みなさまは、なぜ2枚のお写真が

並んで紹介されているのか?

不思議に思ってらっしゃることでしょう。

 

それこそが今日のテーマです。

これこそが、今回の「おまかせ」の

もっとも難しいところでした。

 

 

 

  

 

 

 

この2点は

同じご希望品にもかかわらず

大きさが違うため、具体的に

比べやすい例ですから、

解説付きでご紹介します。

 

同じ素材で作ったふたつの長財布を

比較しやすいよう並べましたので、

拡大してご覧ください。

 

どのように作れば

なるべく小さくて、しかも

札の入れやすい長財布にできるか、

考えた結論がこの2種となりました。

 

出来上がりは甲乙つけがたかったため、

ここから先は

クライアントにお選びいただくことに

しています。

 

左の長財布、カード入れは左右各5枚、

左側の札入れ部分には

40枚の新札が入ります(この方は現金派)。

畳んだ時のサイズは

ヨコ幅が約10センチくらい、タテ幅は

札を入れやすい長さにしています。

 

右はお写真でご覧いただけるように

左側と仕様は同じですが、

ヨコ幅、タテ幅の長さ、ともに

左の財布よりも小さくなっています。

それがなぜかは、

お写真から想像してくださいね。

 

 

 

  

 

 

 

今回は「おまかせ」部分が、

製作上の一番の肝となっています。

 

一体どちらの大きさを

より気に入ってくださるでしょう?

手で扱う製品に対して、

人の感覚はさらに微妙になります。

 

こんな時、私どもは、

考え得るタイプをすべて、俎上に載せます。

そして、ご依頼者の年齢や

さまざまな雰囲気から、

どれがベストな案か、検討を重ね

決定・製作していきます。

 

顧みますと、この作業は

すべてのご希望内容に対して

行っています。

 

これが、「見えない作業」で、

「もっとも大事な工程」となります。

 

理想のオーダー品を美しく作るには、

この「見えない作業」あってのこと。

とにかくいやというほどたくさん考えます。

夢に見たりすることさえあります。

 

解説、と思い書き始めましたが、

みなさまがお受け取りになるオーダー品は、

目に見える以上の「思考技術」を持って

作られているとご理解いただけば、

 

お手にされたときの喜びだけでなく

驚きも感じていただけるのでは、

と考えた次第です。

 

 

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