革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

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2024.08.27

クロコダイル、ポロサスの3点セット。ファスナー長財布

このポロサスは

ご依頼から半年ほどお探しした革です。

 

日本に入って来る輸入クロコダイルの中で

ポロサスの割合は、1割強くらい。

 

もともとの入荷数も少ないですが、

世界の革製品業界にはヒエラルキーがあって

高額な支払いをできるブランドが

まず最初に最上の革を持っていきます。

そして次なるブランド…となりますから、

革製品の製作が少ない日本では

「パーフェクト」な革は

ほとんど見つけられません。

 

 

 

 

 

 

何をして「パーフェクト」というか?

当店では、それは斑柄が水平にまっすぐで、

島(途中で水平を乱す斑柄の流れのことで、

これはデザイナーが勝手に使っている言葉)

のないタイプ、と解釈しています。

 

この解釈は各クライアントと接して

聞き取りをした結果の「パーフェクト」ですから

顧客目線での理解です。

 

でもそういう意味でお探ししますと、

どこの扱い店でもバッサリと

「あ、そういう革は日本に入ってきません。」

との返事が返ってきます。

 

リアルな生き物の革にもかかわらず

工業製品のような斑柄を求めるのですから、

それは当然、稀有です。

 

 

 

   

 

 

 

その旨は 最初に

クライアントにもお知らせしましたが、

その中でなんとか良いものを、

というご依頼をいただきました。

デザイナーは

ご依頼者のほんとうのご希望を

理解しているだけに、う~ん、と

うなりながらお探ししていました。

 

革問屋さんはそれぞれ独立して

自分なりの方法で仕事をしていますが、

横の繋がりのある所とない所とがあります。

どこが単独で

またどこがどこと繋がっているのか、

それこそが秘密なので、いつ、

どこにどんな革が転がり込んでいくかは

まさに縁しだいというところです。

 

 

 

 

 

 

信頼のおける革やさん複数にお声掛けして

候補が出るごと見に行っていたデザイナーが、

「今まで見た中でこれは一番!

これ以上はないと思います。」

という革があったため、

クライアントにはお写真でお見せしました。

なぜなら、クロコダイルの革は

お借りすることができないからです。

 

ところが、これは

デザイナーも気になっていたのですが、

革がやや大きく、今回のお品では

パーツの端に向かって斑柄が小さくならない

大きさだったため、

その旨もご説明したところ、

残念ですが今回は流しましょう…となり、

とても惜しい革でしたが

入荷しませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

たまたまその時、デザイナーは

「あ、まだあそこがあった!」という

一軒を思い出し、出かけて行きました。

 

すると「先の革と違って島もないし、

水平さでは劣るけども、それ以外は完璧だわ。

このサイズなら長財布の斑柄もOKだし。」

という革と巡り会えて

今回のオーダー品となりました。

 

当店ではクロコダイル製品の内側には

当店オリジナルの表用ヌメ革を使います。

 

それは

クロコダイルには存在感がありますから、

ファスナーを開いた時

内側の牛革も存在感のある革でないと、

あら!?と違和感を感じてしまうからです。

中も外も同じバランスの製品であることは、

大事なポイントです。

 

というわけで、

クライアントからは喜んでいただきました。

店頭で、ご自分の目の前に掲げて

「ほんとにきれいです!」と

こちらまで嬉しくなってくる表情で

オーダー品を何度もご覧くださいました。

このたびはありがとうございました。

 

 

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