2024.12.3
ハイブランド革のブリーフケース、定番バッグ「エルム 」41004
とても凝った作りの
定番「エルム」の改変版です。
こちらのクライアントは、一番最初
ご友人と一緒にお店をお訪ねくださり、
その後2度足を運んでくださってから
ご注文へと進んでくださいました。
ありがとうございます。
初回、某ブランドバッグを買った直後の
クライアントは、珍しい製品が
そのブランド店頭にあったという出会いから
つい買っちゃいました…と
おっしゃっていましたが、
そのバッグもおしゃれなデザインでシックで、
さすがブランド、というイメージでした。
「ところがこのトートバッグは
中に何もポケットがないので、
すごく使いにくいんですよ。
あったから買っちゃったんですけど、
このままでは使えないなと思って。
このバッグに合った
バッグインバッグなんて
作ることができるんですか?」
そのバッグは、なるほど
もっとも大きなサイズのバッグなのに、
中にひとつもポケットがありません。
二度目においでになった時には、
入手したばかりのバッグインバッグを
お持ちになって、それを元に
ご注文しようとなさいました。
そこでデザイナーは
「それがまだ買ったばかりでしたら、
せめて2週間~ひと月は使って
ご自分の使い方をよく観察してください。
そうすれば、
本当に要る機能と要らない機能とに
簡単に分けられますし、
考え違いも最小限になりますから。」
このクライアントのすばらしいところは、
それを聞くなり
一旦その件をお持ち帰りし、
真剣にご自分を観察してくださったところ。
「ひと月ほど使ったことで、
自分の使い方もよくわかりました。
おっしゃるとおり、
自分がこうしたい、ということや
こういうのは嫌だ、と感じることがらも
よくわかりました。」
そのような経過から
3回目でのご注文となりました。
デザイナーはいつも言っています。
「私自身がケチだから、みなさまにも
お金を無駄に使ってほしくないの。
だから、前もってこうしたらいい、
というアドバイスがあれば、
誰にでもそれをお話しするんです。」
その甲斐あって、
お受け取り時のこちらのクライアントの
バッグを見る目やご感想は
何とも嬉しいものでした。
「いやあ、けっこう高価なので、
ブランドバッグを買ったばかりでもあり、
じつはちょっとばかし心配だったんですが、
想像以上の出来上がりで
心配なんかするんじゃなかったです。」
見た目は定番エルムそのままですが、
革はハイブランドの革です。
この革は仔牛の革なので
肌理が細かく、表面も革の下部分も硬く
あまりこの形には向いていません。
いろいろなテクニックを使いながら
仕上げていきます。
「おまけに、あのアドバイスがなかったら
この形が自分に向いている、と
気づかなかったと思います。
持ち手も短くしてもらったから
スッと持てるし、
自立するのもすごく良いです。」
革の選定も高価になった
ひとつの原因ですが、
もっと大変なことがありました。
上のお写真の外ポケットは、
左右で二つに区切られています。
そのうえ、向かって左のポケットは
小さめのキーケース専用なので、
このヨコ幅でこの深さでは使いにくいため、
外からは見えないよう
上げ底にして、取り出しやすくしています。
まさにこの方のためのカスタマイズ。
そして、お写真でお気づきになりましたか?
ナイロン裏地も定番色ではなく、
渋い赤が良い、ということで
特別にご用意したものです。
その他にも内装に細かい指定があって、
そのご希望の中で
なるべく汎用性のある内ポケットに
仕上げています。
ですから、長年使ううちに
持ち物が今と変わってしまっても
あまり収納に困ることはないと思います。
「いやあ、軽いですね!
そして、このトートバッグにも
ちょうどいいサイズで収まりますし、
単品で持っても
すごくカッコいいです。
自分の使いやすいように作れるって、
ブランド品よりずっといいですね。」
きっと単品でお持ちいただく時が
増えるのではないかと思います。
ご自分の持ち物をストレスなく収納し、
出し入れが楽にできるのは、
当店フルオーダーメイドの利点です。
一人ひとりの「快適」を目指して
オーソドキシーは
みなさまに面倒なこともお願いします。
このたびは何度も足を運んでいただき
ありがとうございました。
長くお使いいただけることを願っております。