
2025.02.25
小さなボストンバッグ 41116
このボストンバッグは
ヨコ幅30センチ、厚みは9センチ、
という可愛らしいサイズです。
クライアントはこの形がお好きで、
まず最初にご注文いただいたのは
もっと大きめで容量の多いサイズでした。
今回もお渡し時、ご感想をいただきました。
「いや~、こんなにかわいいんですね!
もっと大き目になるかと思ってたら…
でもこれならちょっと良い場所へも
持って行けるから、ちょうどいいです。
ステキですね!」
新店舗の三面鏡の中で、
嬉しそうにバッグをお持ちくださる
クライアントのお姿に、似合います。
ひとつ目のバッグから大きさを出して
ご指定いただいたサイズなのですが、
デザイナーは出来上がりサイズを見て
「ほんとにこの大きさで良いのかしら?」
と少し心配していましたので、
お似合いになることと
おしゃれバッグとしてステキなので、
クライアントがお持ちになったところを見て
安心していました。
三面鏡があれば、さまざまな角度から
お持ちの時のお姿を確認していただけますから、
新店舗に取り付けして良かったと思います。
前回の記事でお見せいただいた
6年後の初代バッグと比べていただきますと、
ほぼ同じデザインで出来上がっていることに
気づいていただけることと思います。
「・・・えっ、
小さい方が製作が大変なんですか?」
これはクライアントとお話ししていて
驚かれた内容です。
製作時のあまりの大変さを見ていて、
ついついデザイナーが漏らしてしまった
危機的状況があったからです。
最後の最後で見舞われた
とんでもないアクシデントでした。
「こんなことがあるんだ!!」と
これほど恐ろしいことが起こり得るのだと、
技術者全員が青くなった出来事でした。
ものを作る人には信じられない出来事で、
こんなことがあるなら
どんなに想像し難いトラブルも起こりうるだろう、
と思ってしまうほど、大きな衝撃でした。
具体的な内容は
説明が複雑になるので割愛しますが、
なぜその事象が起きたかと言えば、
それはこのバッグが小さかったから、
ということなのです。
*このアイデアは喜んでいただけました。
ショルダーストラップを付けるDカンです。
当初のまとめ方と変わったのは、
フルオーダーメイドの製作では、紙の上で
考える以上の不具合が多々発生するからです。
以前もお書きしたように、
フルオーダーメイドでは
どこにもないものを作るわけですから、
幾多の苦難を乗り越えて製作します。
毎回が思索と実験を通して
最良のデザインと使い勝手に
作り上げていく、という印象です。
どこにもない=量産しない製品、は
それが作りにくい製品だから、
という理由が、まず第一に来るでしょう。
理に適っていて
さっさと作れるものでなければ
量産体制に嵌めこむことはできませんから、
当然と言えば当然ですが、
あらためてそれを知る機会をいただきました。
「私は、この初代ボストンバッグも
とても大切にしています。通常は
ウィークディの働く日には持ちません。
特別なことのある日や、休日に持ちます。
気分が変わりますし、
いい鞄を持っていることが一目でわかりますし、
気分がアップして、とても嬉しいです。」
この方のお勤めが、イタリアの
有名バッグブランドであることを知っていますと
この方に褒めていただくのは
これ以上ないくらい嬉しいことです。
ありがとうございます。
さすがなのは、お好きだという理由から
ブランド製品もたくさん
ご覧になっている方ですから、
そこからさらにご自分の欲しい小物や
鞄についてのアイデアをお出しくださいます。
上のお写真にある
底面から出ているストラップ&金具も
この方のアイデアで、
じつはこの金具が
バッグ→リュックに変えるショルダー紐を
取り付けられるようになっています。
ただの飾りではありません!
「このお店で、自分が考えているものを
実際に作ってもらえる、って
すばらしいことです。
色を選ぶだけ、や
単なる大きさのS,M,Lじゃなく、
自分が考えたアイデアが
実際に形になるって、すばらしいことです。
このお店があってよかった!」
ありがとうございます。
見る目のある方から
最高の誉め言葉をいただき、
ますます頑張りたい、と
気持ちを新たにしました。