
2025.03.16
10年お使いいただいた二つ折り財布 50103_
長くお使いいただけることは、
お作りする側からしますと
とても嬉しいことです。
本日ご紹介するのは
10年お使いいただいた二つ折り財布の
修理です。
どのお写真も
左が修理前、右が修理後です。
ゆっくりご覧ください。
*小銭入れのヘリ処理=コバ磨きをしたところ
当店オリジナルレザーを使った
外縫い製品(針目が外に出ているもの)は
磨ける革を使っていますから、
再度色付けして磨きますと
元のように戻ります。
*ここは札入れ部分のヘリ
ヘリ磨きはご自分で行うこともできます。
どんな二つ折り財布でも一番傷むところは
ふたつに折れ曲がる曲線部分。
裏地の革が、表革から剥がれてきたり、
糸が切れたりします。
下のお写真はそれをお直ししたところで、
裏地の革を引っ張って表革に寄せて
縫い直しています。
ここを直すためには、外側パーツと
内側パーツをバラして、作業します。
そして今回のメインイベントは
小銭入れ部分の裏地の張替えです。
ここを直すためには、
この修理部分の製作工程まで
ビデオを巻き戻すように
内側をバラしていかなくてはなりません。
つまりここのために
小銭入れパーツもバラバラにします。
こういう作業を行うため、
修理には想像以上の時間がかかります。
新品よりていねいに扱わないと、
裏地の革を破いてしまったりします。
そして最初の針孔をたどって
縫い直すことで、
革が切れないようにします。
どんな修理でもバラしがからみますと、
そんなに安価に済む作業ではありません。
ですから私たちは、
直してどれくらい保つのか、
製品全体をしっかり見てから
修理しない方が良い場合には
それをお知らせします。
直して使うのは革の寿命までで、
もう捨て時、という判断も
説明を加えてお知らせしますから
納得していただけることと思います。
モノの捨て時についてですが、
朽ち果てない限りは使えると思います。
ただ、そこまで使い込んだものですと、
それを見て気分が落ちることもあります。
そういう意味も加えて、
ご自分でご判断ください。
革であれば、判断のよすがをご提供します。