
2025.05.10
見本品を忠実に再現したカード入れ 50302
20年ほど使っていらっしゃるという
カード入れをお持ちのクライアントが、
いらっしゃいました。
「これと同じで作っていただきたい。」
ということで、
見本品の出来上がりラインを
忠実に再現することがご希望でしたが、
大きさに関して少しだけ、
検討を要する問題がありました。
お写真をご覧になって、
あれ、魚眼レンズのカメラ使った?などと
言われそうですが、
このカード入れは周り一周がすべて
カーブのついたラインになっている、
なかなか珍しい形をしています。
かなり長くお使いですから、
カードはとにかくたくさん入っています。
ここまで入るか、というほどです。
そういう場合、最初のサイズよりも
ずっと小さくなってゆくのが、
使われているモノの”使用後”です。
「同じサイズで」というご希望の場合、
必ずお話しするのが、このサイズの話。
どなたの製品も、
長年の使用で変形しているために
原型とは異なりますし、
当初の予定以上にお入れになる方であれば、
もはやオリジナルのサイズで、
現在入っているものがすべて入るわけでは
ありません。
今回のオーダー品は
もともと大きめサイズで作られていましたから、
原型通りにお作りしても、
伸びる革の性質からすると問題ありません。
どんな場合でも、
長年使ったものと同じものを再現するのは、
かなり難しいことです。
今回は、もともとのサイズを勘案し、
まったく同じプロポーションで
縦横を5ミリづつ小さく作りました。
この全体のラインは微妙で
案外トレースが難しかったですが、
かわいらしいラインなので、
作る私たちにとっても楽しいひと品でした。
このたびはありがとうございました。
長くお使いいただけることを願っています。