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3部屋の薄いブリーフケース 504N

3部屋の薄いブリーフケース 504N

2025/06/02

 

遠方からのご相談者が

ご来店くださいました。

 

見本のバッグをお持ちになって

「これが気に入ってるんだけど、

革を変えて作りたい。」

というご依頼です。

 

 

 

 

聞き取りしましたら、お手持ちの

バッグで特に不便はないとのこと。

ですから仕様は、

マイナーチェンジで留まっています。

 

 

 

 

今回のもっとも大切なご希望は

「柔らかい革で作りたい、

でもある程度形が取れて欲しい」

というものです。

 

このように、素材と

出来上がり状態が相反するご希望は

案外多く、これを可能にするには

工程が極端に増えて複雑になるため、

量産品でできることではありません。

 

 

 

 

 

 

元のバッグはイタリアの革で

厚い1枚革を使っていますから、

重いことは重いですが

そのおかげで形崩れはありません。

「軽くなると嬉しいです。」

というご希望もあり、

 

これをどうやって軽くするかが

今回の課題でした。

 

 

 

*キャリーバッグに載せられる

オプションを追加

 

しかも、3部屋の厚みはそれぞれ

これ以下には作れないほど薄く、

みがき仕上げをすると

ファスナーの布端が出てしまうため、

端処理は革でくるむ形となります。

 

ここで余談ですが、

端処理にはみっつの方法があります。

・みがき仕上げ

・ヘリ返し仕上げ

・革でくるむ仕上げ

 

 

 

 

 

 

この3種の方法は、

デザイン的な意味を持たせる場合も

ありますが、

基本的には、どういう革を使い

内装の素材をどんなものにして

どういう作り方にするか、

という製作方法から

必然的に決まって行きます。

 

 

 

  

 

 

一般に売られている製品は

安価なものからブランド品まで

ほとんどが量産品ですから、

 

出来上がりのデザインに向けて

最適な素材を用意し、セオリーどおり

製作されているものがほとんどです。

 

 

 

 

 

 

当店フルオーダーメイドは

どんな革素材をお選びいただいても、

理想に近づけて製作するのが可能な

稀有な技術です。

 

さまざまな特徴を持つ革素材を

どのように料理するかは、

一点一点のオーダー内容によって

すべて変えます。

お料理ならば、例えばジャガイモを

日本料理、フレンチ、中華料理etc

へと、それぞれ使いこなす感じです。

 

 

 

 

今回お選びいただいたのは

「柔らかい手触りの革」でしたから、

当店オリジナルレザーのルバルを

使っています。

 

使うほど気持ちよくなるこの革を、

使えば使うほど、きっと

持ち主は気に入ってくださるでしょう。

 

長くご愛用いただくことを

心より願っております。

 

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