実際のオーダー例
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貴方のオーダーのヒントになさってください。
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ご希望内容どおりのフルオーダーメイド、ファスナー二つ折り財布 504N
以前お財布をご注文くださった方から
再度ご依頼いただきました。
前回のお財布にも
特別なこだわりがありましたが、
気に入ってくださり
長く使っていらっしゃいました。
まず今回は型押し革で、
というご希望があったので
最初に革の候補をお見せしてから
中身をお決めいただきました。
近年、三方ファスナーの折り財布は
珍しい形になりましたが、
30年ほど前なら
必ず市場にあった定番品でした。
*開いたところは普通のカード入れ。
今回大変な製作になったのは
全体サイズに縛りがあったことです。
とくに難儀したのは、厚み。
以下のお写真をご覧ください。
この財布の仕様は、
1.札入れ部分には仕切りがあり
2.右側のカード入れの下には
箱型の小銭入れがあります。
2.ですが、これは
カード入れが
箱型小銭入れのフタになっている、
という意味です。
お分かりいただけますでしょうか?
*右側のカード入れが
小銭入れのフタになっている。
この財布の内側には、
仕切りのある札入れの他、
左側にカード4枚+数枚
右側に、カード3枚+数枚+小銭入れ
とみっちり厚みがあります。
にもかかわらず、
財布のファスナーの厚みを
ご指定いただきましたから、
パーツすべての革を
ぎりぎりまで漉くことが必要です。
そして当然ながら
全体サイズにも厳しい縛りがあるため
当店でなければ絶対に作れなかった、
と断言できるほどの
ギミックを施しています。
見た目はごくごく普通ですが…
*右側のカード入れを開いて
小銭入れを起ち上げたところ。
この件はちょうど良い例なので、
フルオーダーメイドにおける
見積もりの大変さを
ひとつだけ披露しましょう。
このようにみっちりと中身の入る
財布は通常、中身のサイズに合わせて
厚みを決めながら作っていきます。
要するに作りながら考える、
厚みは成り行きから決まって行きます。
これだけでも、実際
作れる職人は少ないはずですが、
さらに今回は、
外側のサイズがあらかじめ
すべて決められていました。
さて、そのサイズを厳守しつつ、
無理のない製作が可能かどうか、を
どうやって判断するのでしょう?
この問題ひとつとっても、
ただ漫然とモノを作るだけの人には
到底できないことです。
*中身をすべて詰めたうえでの
ファスナーの厚みは、ぴったり。
しかも当店では、
ご相談をお受けしているその場で
その可否の判断をお知らせします。
みなさまのご希望を叶えることは、
自然にまとまって見える形からは
到底想像できないほどの技術を
駆使することが必要です。
ご依頼者おひとりのために、
たったひとつのオーダー品のために、
当店は持てる技術をすべて使います。