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20年以上お使いいただいた超整理手帳の修理 250704
2002年くらいに
数量限定販売したメッシュカバーを
ずっと使ってくださったご依頼者。
修理依頼のメールを頂戴して、
「まさか、あれ?」と
驚いたデザイナーの顔を思い出します。
*20年以上前の超整理手帳カバー
当時一時的にお付き合いのあった
栃木レザー(株)とは違う革屋さんが
「メッシュできますよ。」と
売り込みをしてきたことが
きっかけになりました。
「超整理手帳カバー」の新年版に
何か目新しいものを、と思っていた
矢先のことでした。
作ってもらったメッシュは数量限定で、
初めてメッシュ素材の扱いに対面し
どうやって料理しようか…と
思い悩んだことが印象に残っています。
*経年変化のきれいなメッシュ
というのは、
端がバラバラになっているメッシュの
コバをどう仕上げをしようか、
がテーマになったからです。
この時は、外側と同じ素材を
内側に使うときれいだから
という理由で、
同じ革屋さんの革を頼みました。
*コバ仕上げはみがきではなく、
この時は量産仕様のトリミング方式
*修理前:トリミングの寿命は
みがきより短く、修理もできない。
中と外の色が同じでも、
素材感が違うと
違和感を感じることがありますが、
それは当たり前のことです。
でも、たとえ異素材同士であっても
うまくバランスが取れて
うつくしく収まるものもあります。
それが、
デザイナーを要する意味のひとつ。
*パネリング方法での修理後
話を元に戻しますと
メッシュ製品の場合、
今回の修理で使ったパネリングの
方式で作る方がベターですが、
これにかかる材料と手間を考えますと、
量産では
なかなかこの方法に決定できません。
材料費の面と
みがきにかかる時間の面を鑑みると、
どうしても従来の方法の方が
適しています。
ですから、
量産には量産に向いた仕上げ方がある
と改めて認識した、
トリミング方式仕上げをしました。
*内側はそのまま使った修理後
販売時に、それをご説明し、
修理は難しい旨お書きした用紙を
入れておきましたが、
この方は2代目のご愛用者でしたから、
それをご存じなく
お持ち込みくださったという経緯でした。
*こんなにきれいになりました
当店のオーダー製品を修理しますと、
ほんとに革は長保ちする素材だと
認識します。
このカバーもまだ
10年以上使えることでしょう。
カバーは完全にバラバラにして、
パネリングしたメッシュに
内側をそのまま合わせています。
*今回のコバはみがき仕上げ
*見事な修理後
もちろん革の保ちも良いですし
みがき仕上げも長保ちする製法です。
しかし
長くお使いいただくにあたって
それ以上に大きな要素は、
「大切にご愛用くださること」です。
当店オリジナルレザーの小物の場合
それは、
使用中に手でなでる、という
それだけのことですから、
難しいことはありません。
こちらの持ち主は、今度は
もうひとつのカバーと
ローテーションして
もっと長保ちさせよう、という
お気持ちをお知らせくださいました。
次にまたお目にかかるのを
楽しみにしています。
修理をありがとうございました。