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20年以上お使いいただいた超整理手帳の修理 250704

20年以上お使いいただいた超整理手帳の修理 250704

2025/09/01

 

2002年くらいに

数量限定販売したメッシュカバーを

ずっと使ってくださったご依頼者。

 

修理依頼のメールを頂戴して、

「まさか、あれ?」と

驚いたデザイナーの顔を思い出します。

 

 

 

*20年以上前の超整理手帳カバー

 

 

当時一時的にお付き合いのあった

栃木レザー(株)とは違う革屋さんが

「メッシュできますよ。」と

売り込みをしてきたことが

きっかけになりました。

「超整理手帳カバー」の新年版に

何か目新しいものを、と思っていた

矢先のことでした。

 

作ってもらったメッシュは数量限定で、

初めてメッシュ素材の扱いに対面し

どうやって料理しようか…と

思い悩んだことが印象に残っています。

 

 

 

*経年変化のきれいなメッシュ

 

 

というのは、

端がバラバラになっているメッシュの

コバをどう仕上げをしようか、

がテーマになったからです。

 

この時は、外側と同じ素材を

内側に使うときれいだから

という理由で、

同じ革屋さんの革を頼みました。

 

 

 

*コバ仕上げはみがきではなく、
この時は量産仕様のトリミング方式

 

 

*修理前:トリミングの寿命は
みがきより短く、修理もできない。

 

 

中と外の色が同じでも、

素材感が違うと

違和感を感じることがありますが、

それは当たり前のことです。

 

でも、たとえ異素材同士であっても

うまくバランスが取れて

うつくしく収まるものもあります。

それが、

デザイナーを要する意味のひとつ。

 

 

 

*パネリング方法での修理後

 

 

話を元に戻しますと

メッシュ製品の場合、

今回の修理で使ったパネリングの

方式で作る方がベターですが、

これにかかる材料と手間を考えますと、

量産では

なかなかこの方法に決定できません。

 

材料費の面と

みがきにかかる時間の面を鑑みると、

どうしても従来の方法の方が

適しています。

 

ですから、

量産には量産に向いた仕上げ方がある

と改めて認識した、

トリミング方式仕上げをしました。

 

 

 

*内側はそのまま使った修理後

 

 

販売時に、それをご説明し、

修理は難しい旨お書きした用紙を

入れておきましたが、

この方は2代目のご愛用者でしたから、

それをご存じなく

お持ち込みくださったという経緯でした。

長らくのご愛用ありがとうございます。

 

 

 

*こんなにきれいになりました

 

 

当店のオーダー製品を修理しますと、

ほんとに革は長保ちする素材だと

認識します。

 

このカバーもまだ

10年以上使えることでしょう。

 

カバーは完全にバラバラにして、

パネリングしたメッシュに

内側をそのまま合わせています。

 

 

 

*今回のコバはみがき仕上げ

 

 

*見事な修理後

 

 

もちろん革の保ちも良いですし

みがき仕上げも長保ちする製法です。

しかし

長くお使いいただくにあたって

それ以上に大きな要素は、

「大切にご愛用くださること」です。

 

当店オリジナルレザーの小物の場合

それは、

使用中に手でなでる、という

それだけのことですから、

難しいことはありません。

 

こちらの持ち主は、今度は

もうひとつのカバーと

ローテーションして

もっと長保ちさせよう、という

お気持ちをお知らせくださいました。

 

次にまたお目にかかるのを

楽しみにしています。

修理をありがとうございました。

 

 

 

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