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時にリュックにもできる3wayのショルダーバッグ 507N
今年は大作の多い年だと思います。
メールでお写真が送られてきました。
「こんなバッグを作れますか?」
あるメーカーのバッグだそうですが、
「もう売ってないんです。それと、
良い素材で欲しいです。」とのご希望。
販売しなくなって久しいようなので
ブランド名を伺って
ネットでお探しすると、
フリーマーケットに全体像を見られる
ページがありました。
それでも作り手にとって
知りたい部分すべてが
載っているわけではありません。
なるほどなるほど…と解読し、
製作可能であることをご連絡してから
ご来店いただきました。
「この形は、リュックにすると
かなり形が崩れると思いますから、
あまりリュックにするのは
お薦めできませんが。」
とご説明しますと、
それではリュックにするのは
控えます、ということで
リュック紐を付けられるように
細工をしました。
オリジナルの持ち手は
もう少し短めでしたが、
荷物量が多く、重くなるので
肩掛けできる長さをご希望です。
そうするとリュックにする時、多少
邪魔になりますよ、とご説明します。
当店ではご相談時、
あらかじめわかることであれば
デザイナーが事前にお話しします。
このリュックでまず
製作の可否に大きく関係したのは、
ファスナーで閉じる口元です。
というのは、開け口に
四角い金具が入っているからです。
ですから
材料としての金具が必要なので、
製作用の金具が入手できるかを
まず最初にお調べします。
こちらは幸いなことに、
材料金具が売られていました。
*PCの入るポケットは
使って行くうち落ち着いてきます。
この金具は
ダレスバッグの金具と同様
口がパカっと大きく開くので、
中身がどう入っているか
ひと目でわかりますし、
モノの取り出しもしやすいです。
実際の金具が届くと、
ダレス金具を知っている者にとって
驚くような仕組みの金具でした。
「A4PCが入るサイズ」という
ご希望がありましたから
そのようなサイズ選びをしましたが、
ぎりぎり入るサイズの金具で、
もう一つ上のサイズですと
かなり大きくなることもあり、
ぎりぎりサイズをお選びしました。
またこちらには、
キャリーバッグにセットできるよう
ループをお付けしましたが、
それを使わない時は
ポケットとして使えるように、
底をファスナーにしています。
このファスナーの付け方は、
リュックにする時
洋服を傷つけないような
付け方をお選びしています。
細かいことですが、
このようなオーダー品を
お持ちになる方が
どのような衣装を纏うかを
想像しますと、自然と
選択肢は狭くなっていきます。
この現物は見たことありませんが、
柔らかい素材を使っていますから、
モノが入っていないとおそらく
ぐずぐずな形になると思います。
しかし、
今回のクライアントとお会いしますと
そんなものをお持ちいただくわけには
いきません。
柔らかくなる革であっても
ある程度形が取れて自立するように
仕立てています。
お受け取りの時、
すぐにそのままお持ちくださった
クラアイトの笑顔が
忘れられません。
長くご愛用いただけることを
心より願っています。
このたびはありがとうございました。