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リネアペッレレザーのポーチのような長財布 50906
「こんな使い方をしてらっしゃる!」
デザイナーは「目から鱗が落ちました。」
と言っていました。
「単純にポーチかと思ったら、
ポーチなんだけど、長財布でした。」
フルオーダーメイドをしていると、
案外こうしたシンプルな使い方が
すっぽりと抜けることもあります。
いやはや。
*表裏で革の型押しを替えています。
こちらはワニ中央柄のシンメトリー。
華やかなクライアントが気に入ったのは
レッドxブラックのきらきらした
リネアペッレレザー。
デザイナーは、この方にはこれでしょう、
と、数ある革の中から
一番最初にお見せしました。
お見せする順番はさておき、
ほとんどのご依頼者が
デザイナーの予想した革になります。
お似合いになりますから。
*こちらはワニ脇腹柄のシンメトリー。
赤x黒の色の出方も計算しています。
出来上がり時、「まあ、すてき!
思った以上の出来です!」と。
良かった。
思った以上、をいただけました。
1枚の革の状態で見ただけで
出来上がりの想像がつく人は
ほとんどいらっしゃらないでしょうが、
デザイナーの頭の中には
みなさまに革をお見せした段階で
「ほぼ形は完成してるのよ。」
だそうです。
*お札が20枚ほど入るヨコ幅。
「その完成形に近づけていくのが
製作作業なのね。ところが、
作るうえで、あらっ、という
技術的な齟齬が出ることもあれば、
金具が見つからなかったり、という
アクシデントもあったりします。
そんな数々の苦難を乗り越えて
やっぱり目指した完成形に持ってく
「力技」が、
フルオーダー製作には一番重要よ。
とにかくあきらめない!
一番すてきなものを作る!って。」
*シンプルな形ですが、この革は…
「だからね、登頂を妨げる艱難辛苦に
どう対応していくか、
だけが勝負と言っても過言でありません。
作る人にとって、
すべての材料が揃って、
作り方に何の謎の部分もなく、
考えなくても作れるのが、量産品。
フルオーダー品は
そんなわけにいきません。
作り方に向いてない革での
注文もあれば、
リネアペッレレザーなんて、
糊がつかなかったり、
薄く漉けなかったり、なんてザラで
もうどうすればいいのよ、
なんてのばっかりです。
でもうつくしい革だから作りたいし、
うつくしい形を
その革に見せてあげたいし、
それを差し上げることで、
ご注文者に喜んでいただきたいの。
だから、たくさん考えるんです。」
*きゃしゃで長めのタッセルが
大胆な柄とミスマッチしています。
そんなこんなで、
この長財布として使われるポーチも
すばらしい出来でした。
深い型押し、表面加工ばっちり、
型押しが複雑、と何十苦でしたが、
出来上がってみると
製作苦労の見えないものとなりました。
クライアントは、
「プレゼントの手帳カバーは
はっきり言ってお安いな、
と思いました。
でもこのポーチはシンプルだから、
少しお高いな、と思ったんですよ。
でもそうですか、こっちの革の方が
作るのが大変なんだ…なるほど。
ありがとうございました。」
いえいえ、
こちらこそありがとうございました。