実際のオーダー例
40年3,000件を超えるオーダー実績
貴方のオーダーのヒントになさってください。
カテゴリー
ベビーピンクのキュートなハンドバッグ 505N
遠方のクライアントが
ご来店くださいまして、
ひさびさ
お目にかかることができました。
とても嬉しいことです。
革を実際にご覧いただけるのは
もちろん喜ばしいですが、
遠方にお住まいの方ですと
直接お目にかかれること自体、
なおさら嬉しく思います。
*ぷっくりと愛嬌たっぷりですが
ノーブルでうつくしくできました
今回おいでになったのは、
某ブランドのバッグが
とても気に入っているのに
欲しいサイズがないことが
発端でした。
おそらく
気に入った革があれば…という
イメージだったと思いますが、
たまたまその方に
ぴったりのお色があったため、
ご注文の運びとなりました。
エルメス社のベビーピンクです。
*横姿もきれい
上品なお嬢様の雰囲気の
ご依頼者は、立ち居振る舞いも
メールでの文章もとても素敵で、
柔らかいムードをお持ちです。
微妙な年齢で、これから
どうお気持ちが変わっていくか、
という時期でしたが、
このピンクがとてもお似合いで
ご本人も気に入ってらしたため
決定となりました。
*底鋲も合うデザインと大きさで
”微妙な年齢”
とお書きしたのには
理由があります。
当店は
”製品を軽くお作りする”ことを
目的とし、”10年愛用する鞄”
を提唱しています。
革バッグは、
自重が重ければ重いほど
長保ちするものですから。
そして人は誰もが
年齢を重ね、体力が落ち、
希望する内容も変わりますし、
色に対するお気持ちも
変わっていきます。
「ご注文者に、10年の間ね、
ずっと使いたいバッグや
身体を楽にしてくれる鞄を
お作りしたいのよ。
そして
それを楽しんでいただければ、
それがいちばん!
だって、だいたい10年で
どんな人も、立場も体力も
すっかり変わるもの。」
デザイナーはいつも言います。
また、「私自身が
重い鞄を持ちたくない、と
思ったのは、30代前半かな。
28で徹夜ができなくなって…
まあそれで、
軽い革バッグをどうやって作るか
研究し始めたわけです。」と。
*水色ファスナーの内ポケット
もちろん使いやすい工夫が…
つまりは、自分自身が
年齢を重ねた経験がありますから
年を経ていくことで
体力や気持ちがどう変わるか
身をもって知った、
ということなのです。
そのうえ、店頭で
たくさんのご依頼者にお会いして
じっくり観察することから、
年齢によって自然発生的に、
自分も人も個人的に感じる
同じようなグルーブがあって、
それが誰にでも起こり得ることだ
と確信する
決め手になったようです。
「気分がドラスティックに変わる
年齢がいくつかあるのです。
ご相談者が
その片鱗を感じているなら
先を考えるか、今を大事にするか…
みたいなことです。」
「こういうサジェスチョンは
受け取る人次第。
例えば
”自分が60歳になること”
なんてリアルに想像するには、
50代前半くらいでもまだ
難しいと思います。
だから、近づいてくるのは
数字だけの年齢です。
でもね、もっと時間が経って
ある程度の年齢になると
そこから先もわかるようになる。
しかも、自分が経験してきた
それまでの道も、
だいたいわかる(笑)
この仕事では、みなさまに
長く使っていただくための
助言として、
その経験が大きく生かせるの。
若いご相談者の今の気持ちや
ご年配の方のご不便、
プレゼントの選定などで
年齢を伺うことで、そこから
リアルにご想像いただける内容を
お話しします。」
*こちら側にはスマホポケット
そのような意味から、
女性が何歳くらいから
より自由な気持ちになる、とか
どんな色が欲しくなってくる
など、ちょっとした
ターニングポイントを
お話しするようになりました。
時代がはっきり変わって、
女性の社会的な存在の自覚も
変われば、デザイナーが
現在知っている心の動きとは
違うものになるかもしれません。
「きっとその時が、私の
引退し時かもね。でもそれには
もう少しかかりそうですね。」
長く、
愛着持ってお使いいただきたい、
という気持ちから
デザイナーは余分なことを
言うかもしれませんが、
そこはコミュニケーション。
年長者の見解であっても、
要らないものは要らない、で
けっこうです。
これが当店のスタンス。
話はずれましたが、
このバッグのご注文者が
実際にこれをお持ちのところを
いつか拝見したい、と思うのは
製作者も同じ気持ちです。
このたびは
ありがとうございました。














