革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

Order example

2016.02.9

コンサルティングとお見積もりについて

オーダー品を作る前に、

クライアントからご要望をお聞きして

それに合わせたデザインをすることは、

すごく難しいことです。

 

簡単そうにやっていますが、

これを可能にするためには、

あらゆる種類の革製品の構造と

そのクライアントのファッション傾向を

瞬時に頭の中で言葉にできる能力とを

持ち合わせていることが前提となります。

 

そして、聞き取る側にはもちろん

言われた内容を理解する能力が必要ですが、

クライアントの皆様は、私が

あの手この手を使ってご説明した内容を

理解してくださるためのご努力が重要である、

と申し上げたいのです。

 

どこにもないものを作るわけですから、もちろん

リアルな見本をお見せすることは不可能です。

 

まずそこをご理解いただけないと、

お作りすることができなくなってしまいます。

 

お話をしていて、あまりに方向の定まらない

ころころと話が変わるクライアントの方には、

コンサルタントがあらゆることを考えることや、

職人も含めた話し合いをして見積もりを出すことが

どれだけ大変なのかを

ぜひ知っていただきたいと思い、これを

お書きしています。

 

ものを作る人間にとって

見積もりをする、ということは

細部までほとんどすべてを

まずあらかじめ頭のなかで完成させ、

それをリアルに存在させる、ということ。

 

ですから一瞬のうちに、

材料の手配等がきちんとできるまでに

それぞれの問屋さんとの話も

済ませたうえで、お出ししています。

 

現実的にものが出来上がっていなくても、

既に私の頭のなかでは細部までが存在して

手配するまでの道筋もできていますので、

逆に、この部分が一番大変なのです。

 

この部分がありませんと

実際にどうやって作りはじめ、完成させるかが

まったく見当付かなくなってしまいます。

 

ですから、これは必ず

製作前にも

もう一度吟味する重要工程でもあります。

 

当店のように

どこにもないものを作るためには、

その「頭のなかの仕事」が

最も大切な基礎。

これなくしては、何も作ることは出来ません。

 

その作業は、だからこそ

本来、お金のかかる作業なはずです。

ですから当店では、最初にざくっとお話を伺い、

お見積もりをお出しするまでのご相談は

無料でお受けしています。

 

大手企業には、たくさんの働き手がいて、

たとえば千人が働いているとしたら、

ひとりひとりが10人分の仕事をできるような

大きなお金を生むシステムを持っていますから、

それから先の部分も

無料にすることは可能でしょう。

 

ところが、当店のように

手作業なくしては何も生まないお店では

ご注文いただくことが前提でないと

お見積もり以降の詳細なご相談をお伺いすることが

できないのが現実です。

 

お見積もりをして、

もし金額が合わないのであれば

おやめいただくのは一向に構いません。

お見積もり後、

さいわいご注文のご意向をいただいたお客様には

以降のご相談には

真剣に向き合っていただきますと

ありがたく存じます。

 

「あなたに最高のお品をお届けしたい」

 

お作りするのは血の通った人間ですから、

個々のクライアントに対する最大の善意が

最高のお品を生むことを、ご理解くださるよう

お願いいたします。

関連記事

  • 当店の特製牛革の経年変化 毎日使うシステム手帳

    当店の特製牛革の経年変化 毎日使うシステム手帳

  • オーダーメイドを愉しむクライアント:長財布→二つ折り財布

    オーダーメイドを愉しむクライアント:長財布→二つ折り財布

  • リアルイタリア 小さな街のレストラン

    リアルイタリア 小さな街のレストラン

同様のアイテムを見る: