革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

Order example

2015.12.19

革製品の保ちと価格について

今日お出でになったお客様から

一般の方が、革製品について

こうだ、と思っているご意見をいただきました。

すごく良い機会なので

それについてお書きします。

 

まず彼女が言ったのは

「今日の私のバッグ、すごい安物なんですが

そのせいでバッグの端から

ビニールのパイピングが出て来てしまいました。

5年くらい使ったり使わなかったりしてましたが

やっぱり安物はダメですね。」ということ。

 

25年以上お使いのバッグ

 

確かにお安いものの中には

素材の薄っぺらい、すぐにでも壊れてしまうものが

あることは否定できません。

今回のお客様のバッグの場合、

一年の3分の1の日数使って5年です。

それを毎日使うものとして計算してみると、

1年半以上は保ったことになります。

 

こういうお店をやっていますと

いろいろなお客様がやって来ますが、

毎日がんがん使うと

たとえ高価なH社の有名バッグでも

1年でぼろぼろになることを、実際に知る機会が

何度もあります。

 

バッグのメンテナンス

 

そういう方々は

「バッグは消耗品だから

一年に一回買い換えるのよ。」

というスタンスでした。

もちろんぱんぱんにものを詰めてますし、

雨の日でも何でも、とにかく毎日使うという話でした。

その話をすると、

 

「え、あんな高価なバッグでも

壊れるなんてことがあるんですか?

しかも1年くらいで。

ああいうのは、子どもの代まで引き継ぐものだと

思ってました。」と彼女。

 

「ものが壊れるのは、使っていれば当たり前ですし

たとえ使わなくても、何でも劣化はしているんですよ。

それは、価格には関係ありません。

 

また、だから、しまい込んでいたバッグを

久し振りに出してみたら使えなくなっていた、

ということも起こるんです。

 

ところで、子どもの代に引き継ぐ方の

バッグの使い方をご存じですか?

彼らはたくさんのバッグを持っていて

TPOに合わせて持ち替えています。

 

日本人は、ひとつのバッグを持ったら

毎日そればかり持っている人がとても多いですね。

しかも、ものをたくさん入れる人がほとんど。

これだけ使い方が違ってれば

保ちも違うのが当たり前だと思いませんか?」

 

「そういう話を聞くと

なるほどそうなんですね、と思うことばかりです。

良いものを持つ持ち方ってあるんですね。」

 

バッグ内部

 

「でも、道具として使うのであれば

少し考え方を変えて持てば良いだけの話で、

高価だから一生保つ、という考え方を

変えれば良いだけの話なんですよ。

気持ちと身体にストレスを与えなくて済む、

ということはすばらしいことではありませんか。」

 

「ストレスがなければ

楽に暮らせますが。。。結局

鞄を長持ちさせたければ、いくつか持って

取り替えて使えば良い、ということなんですね。」

 

みなさまにお話したいことは、

全部このお客様にお話しました。

ご参考までにお読みいただければ幸いです。

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