革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

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2016.04.9

超難題のファスナー式手帳カバー フルオーダーメイド

本日お目にかけるこのお品、

一見何の変哲もないファスナーケースに見える

ことと思います。

しかしそのサイズたるや…

 

「サイズ」という

よく使われる言葉が表す深い意味を

きっとご理解いただけることと思います(笑)。

 

ファスナー手帳カバー

 

クライアントのご希望は以下のようでした。

「この手帳を持ち歩きたいです。

一緒に入れるものは、ボールペン2本と

その替え芯。替え芯の入れ方は

袋ごとでもいいですし、一本でもいいです。

 

それで、ジャケットの内ポケットに入れたいので

なるべく小さいサイズにしていただきたい。」

 

オーダーメイドの手帳カバー

 

中に入る手帳サイズを拝見しますと、

ぎりぎり、ご指定のサイズでできるかできないか

という大きさです。

 

こういう場合、クライアントに

どこまで現実をお話しするかですが、

当店では

できることできないことをはっきりさせ、

可能性ある出来事も含めて、すべてご説明します。

 

オーダーメイドの手帳カバー

 

でも、机上でできるのはここまで。

ここから先は、職人の仕事になります。

経験を生かして

どれくらいのゆとりを取ればぎりぎりで入るのかを

普通ならばほぼ一発で答えを出します。

 

しかし、今回はあまりに微妙過ぎました。

可能性の点でいろいろお話しましたので

最終的に中に入れるものを変えていただいたり、

ということまでしました。

 

というのはご相談の次の日に

クライアントから

「ジャケットの内ポケットに入れる、

ということを一番の目的に変えたいと思います。

ですからその寸法以内で作る、ということに

内容を変更してください。」

というご要望があり

着地点が全く違うものになったからです。

 

オーダーメイドの手帳カバーオーダーメイドの手帳カバー3

 

たった一つの条件の違いが、

全く違うものを生み出す結果になります。

オーダーメイドの革製品というのは

ここが一番難しいこと。

 

簡単そうにお引き受けしておりますが、

背後にはたくさんの逡巡があります。

大げさではなく、

命を懸けてお作りしています。

 

その命あるオーダー品、

大切に長くお使いいただくことで

一生を全うするお品になります。

 

クライアントの皆様に

快適な毎日をお過ごしいただけることが

当店の一番の喜びです。

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