革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

Order example

2016.06.12

着物の時も持てるレディスハンドバッグ

とてもシンプルで

とても軽いハンドバッグをご紹介します。

「着物をよく着るので

洋服の時だけではなく

どちらにも持てるタイプのバッグが欲しいです。」

最初にお出でになった時

すばらしい着物を

さらっと着こなしていたクライアント。

 

正面

 

お話を伺いますと

欲しい形は大体決まっているのですが、

その質感とイメージが

製作方法と一致しない、難しいご注文。

 

柔らかい形であっても

形がある程度しっかり取れていてほしい、

こういうご依頼はたびたびありますが、

内縫いで形をしっかりさせるのは

ハンドバッグを作る製法です。

 

フタ部分

 

ハンドバッグというのは

革製バッグの中では、ひとジャンル。

それは、柔らかい革で全体を硬く作るからです。

 

たいていは、フォーマルな感じで

普通に市販で売られていますから

革製品として作れるのは当たり前でしょう?

と思われるかもしれませんが、

製作技術も、使う材料も特殊です。

 

だから、オーダーメイドをお受けするお店で

そういうタイプをお作りするところは

珍しいわけです。

 

内側

 

ただ、今回お客様がお望みになっているのは、

かっちりしすぎないもので

革の柔らかさでない、全体の柔らかさを残した、

フォーマルなハンドバッグと、

普通のバッグとの中間を目指したもの。

 

その他にも、入れるものが少ないので

バッグの厚みが狭かったり、

その中に仕切りを入れたり、と

とても難しいお題です。

内縫いは、小さいほど返すのが難しいのです。

 

そこで、まず大きさのダミーを作り修正、

それから全体の質感は

お店にある見本バッグと、ご説明で

すり合わせていきました。

 

こうご説明しても

なんのことだか、きっと

雲をつかむような感じがすると思います。

 

フタの金具

 

金具を吟味して選び

クラシックな様相も出しました。

わざと裏地を少しだけ表から見えるようにして

着物の八掛を思わせる意匠にしました。

この辺は、クライアントの見た目から

デザイナーが判断したことです。

 

お店に置いている間は

たくさんの女性から「素敵ですね!」

と言われました。

 

お引渡しの時、喜んでいただけたので

とても嬉しい出来上がりとなりました。

サイズもイメージも、クライアントにぴったり。

「シンプルですが

こういうのはどこにも売ってないですね!」

 

難しいお題ほどクリアするのがおもしろく、

だからこそ、職人もこの仕事を続けられます。

ありがとうございます。

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