2018.01.20
ふたつのバッグが重なるショルダーバッグ
ご病気で、両手がほとんど
動かなくなってしまった
クライアント。
数年前から、ということですが、
その大変さは
筆舌に尽くしがたいものと
お察しします。
「でもとにかく、なるべく外に
出るようにし始めたんです。」
そんな時、大事な役割を果たすのが
ショルダーバッグです。
「いろいろ使ってみて、
自分の必需品を
なるべく簡単に取り出せるポケットが
付いているものがいい、と
わかりました。」
たまたま使って良かったバッグが、
今回のオーダー品の
下地となりました。
それがこの、
バッグが二重に
重なっているタイプ。
美意識の高いおしゃれな方なので、
「のちのち内側のバッグだけを
違うお色で作っていただくことは
出来るのでしょうか?
そうならきっと楽しいと思います。
こんなことを考えると
なんだかわくわくしますね。」
豊富なアイデアと、そのご経験から
どうすればご自身が使いやすいかを
追及してくださったことで、
はっきりした方針をお持ちです。
外側のバッグの四角いポケットは、
外出先、ご自身では難しいので
お店の人に扱ってもらうことになる
財布機能になっています。
また、ベルトの付いたポケットは、
特殊な道具を入れるためのもの。
出し入れがスムーズになるよう
絶妙なサイズでお作りしました。
さらに、外側のバッグには
内ポケットやDカンをお付けして、
カギなどを繋げておいて、
すぐに取り出せるようにしました。
内側のバッグと外側のバッグの間に
適度な空間が出来ることで、
外側のバッグには
ものを入れやすくなります。
ふたつのバッグを重ねて固定するのは、
内側のバッグに付けたDカン。
外側のバッグのスリットから出すことで
ふらつかないようになっています。
ストラップの太さや長さも、
クライアントの使いやすさを考慮し
厳密に決定したもの。
「親身になって
考えてくださることが、
このご相談でよくわかりました。
大変なことだと思います。
ありがとうございました。」
嬉しいお言葉を、ありがとうございます。
こうして、出来上がったものを
お写真でご覧いただきますと、
自然に、簡単に仕上がってるように
お感じになることでしょう。
しかし、ある目的に向かって
実際に製作していく場合、
美しくお作りすることまで含めると、
相当に骨が折れる作業ではあります。
それでも、これはとても楽しいこと!
クライアントからは
お持ちいただいた初日の
ご感想をいただきました。
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新しい鞄で演奏会に行き、
楽しい時間を過ごして参りました。
様々なリクエストに応えて
デザインして下さったこと、
細部まで丁寧に作って下さった職人様に、
心より感謝致します。
ありがとうございました。
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ありがとうございます。
楽しい場に間に合ってよかったです。
どんどん外へお出かけいただき、
お楽しみくださいね。