革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

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2018.04.15

20年以上前のメンズ鞄のリフォーム

「この鞄、

どれくらい前に作ってもらったか

よく覚えていませんが、

まだ使ってます。

それで、この前作ってもらった

ショルダーバッグの肩紐が良かったので、

この鞄の肩紐も取り換えてもらいたい。」

 

長いお付き合いの

クライアントからのご要望です。

TPOに応じて

当店の鞄を使い分けてくださっている

ダンディな方です、ありがたいですね。

 

20年もののショルダーバッグ

 

もう20年以上前にお作りしたもので、

それ以上どれくらい前のものか

私どもも記憶が定かでありませんが、

使っている裏地素材を見ますと、

明らかに20年以上は楽に経っています。

よくぞ何ともなく

使ってくださっています。

 

当店のように

これだけ長く製作を続けていますと、

素材の変遷も良くわかっています。

 

20年以上前の素材は、

裏地ひとつとっても、

今では考えられないくらい丈夫でした。

劣化の度合いが

現在のものとは格段に違います。

 

くたびれたストラップ

 

そういう意味で言いますと、

革というのはまことに丈夫な素材です。

上のお写真が

取り換える前のストラップですが、

まだまだ使えないことはありません。

 

特にこれだけ長持ちしている理由は、

このクライアントが

コンスタントに

使ってくださっているからです。

 

革の業界で「お手入れ」というのは、

クリームをつけたりなんだり

格別なことをすることではなく、

手を入れて使う、ということから

来ている言葉です。

 

確かに

使わなくなった革製品の劣化には、

怖ろしい早さが加わります。

愛情が大切なんですね。

 

どうぞみなさま、

大切なものこそ 箱にしまい込まず、

どんどんお使いください。

 

リフォーム完了

 

さて、こうして

後ろ面にもポケットを追加して

新たな使い勝手になった鞄ですが、

昔のものを見ますと

ほんとに素材が丈夫だったな、と

あらためて感じます。

 

でもそれはもしかすると、

持つ人の希望に合わせて

軽量化を図った結果かもしれません。

 

革の話をしますと、

革の丈夫さは、厚さ=重さに比例します。

軽量にするということは、

どんなことをしても

昔のような丈夫さはない、ということを

意味しています。

 

重い=丈夫というのは

ものに共通することです。

 

そして、どんな材料であっても、

重厚な素材を作るにはお金がかかります。

 

安く安く、と

単価を絞られる素材やさんには

厳しい時代が続いていますが、

ものづくりに携わる人誰もが、

そういう中でもベストのものをお届けしたい

と思って仕事をしています。

 

どのものづくりでも、

本物のものづくりをしている人たちが

長く続けられることを願っています。

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