革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

Order example

2018.11.22

ご自分でデザインした旅行鞄の二代目 85

20年ほど前に

ご自分でデザインした鞄を

ご注文くださったクライアント。

 

「とてもよく使いました。

修理が無理なら

そろそろ新しいものを作ろうかと。」

拝見しましたら

角の革に穴が空いておりますし、

方々にひどい傷みが出ています。

 

 

ここまでお使いいただけたのは、

製作者としてはとても嬉しいことです。

 

「これを持っていると、

どこで買ったの?とよく聞かれるのですが、

オーダーで作ったんですよ

と答えると、

だからどこにもないデザインなんですね

という返事が返ってきます。

やっぱりなかなか無いデザインなんですね。」

 

なんと楽しいやり取りでしょう。

 

 

今回のクライアントのこだわりは、

使える金具は使う、ことです。

 

ですから

持ち手の金具とストラップ用Dカンは

再利用しています。

 

究極のエコ指向です。

金具の中には再利用できるものと

できないものとがありますが、

土に還らない金具を

なるべく長く使うとは、

すばらしいご希望です。

ありがとうございます。

 

 

当店では、金具も

質の良いものをお選びしています。

無垢の真鍮が多いのは、

もっとも丈夫で、長保ちするから。

 

のちには酸化して黒くなってきますが、

それもまた味に感じられる金具です。

 

 

気に入ったデザインをずっと持つことで、

今までに買った洋服などのスタイルも

保つことができます。

 

鞄と靴は、ファッションの決め手です。

明確なスタイルをお持ちの方は、

特に大切になさいます。

 

このクライアントは

こんなにも月日が経ったのに、

ほとんどお変わりのない

体形でいらっしゃいました。

 

 

「もう少し入れる場合があるので、

マチ幅だけは少しプラスしてください。」

長く使って

ご自分の生活が良くわかっているからこそ、

こうしたマイナーチェンジを

スマートにご注文することができます。

 

「注文するぞ!」とお思いになった時が、

オーダーメイドの始まりです。

 

その時から愉しみをキープしつつ

あらためてご自分の行動を見てください。

「あらあら…こんなだったんだ」と

思うような発見も出てきます。

 

 

ご自身を観察することで、

今欲しいと思った革製品が

ほんとに自分に合っているのか、

あるいは

使い方は一時的なものではないのか、

等、新たな目で見つめることができます。

 

フルオーダーメイドは、

クライアントとデザイナーとの

コラボレーションに他なりません。

 

 

当店デザイナーのコンサルティングの方法は

いわば「イタコ式」で、

クライアントをトレースし

成り代わって、

自分の持つ知識や技術を駆使します。

 

クライアントがどんな生活をし、

どんな風に革製品を使うのか、

外から観察して

いろいろな質問をします。

 

その答えをきちんとしていただくことで、

高レベルのコラボレーションとなります。

 

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