革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

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2019.07.1

バーキンタイプの小さめバッグ 91

長いお付き合いをくださる

遠方のクライアント。

必ず店頭までおいでくださり、

ご自分がお使いになって

良いと思う大きさや作りのバッグを

お持ちくださいます。

 

バッグがお好きな方なので、毎回

新鮮なアプローチの見本バッグを

拝見することが出来ます。

 

 

今回お持ちくださったのは、

ベルトが一周ぐるりと回ったバッグ。

デザインは

お作りしたお写真のものとは

違うタイプでしたが、

「これがとても使いやすくて…」

ということで、

 

もっともお好きなデザインである、

バーキンのデザインを

プラスすることになりました。

 

 

ヨコマチには、上から下まで

バッグの厚みが取ってあり、

しっかり がばと物の入る作りです。

 

ただ、見本品はもっと

上部の厚みが少なく、入る量が

少なめになってしまうものでした。

 

 

元のバッグは

何を目的として作られたバッグかというと、

やはり見栄えよく

カッコよく作られたブランド品です。

とても凝った作りで、素敵でした。

 

でもブランド品の多くは

ファッション面を追求しますから、

どうしても荷物量や

使い勝手に難が出てしまいます。

 

 

若いころ

ブランド品をたくさん使った方の中にも

「もう使いにくいブランド品はやめて、

使い勝手のいいバッグにしたいです。」

という方は多く、

 

そういう方であれば

作りの良し悪しをよくご存じなので、

当店のオーダーメイドにおいでくださいます。

 

 

このバッグ、

上のお写真が一番特徴的な部分ですが、

ヨコにぐるりと回したベルトに、

使う上での大きな意味があります。

 

デザインが

デコラティブに見えると思いますが、

じつはすべて必要から生まれたデザイン。

 

ひとつのバッグを拝見することで、

デザイナー主導のデザインかどうかや、

どの程度の作り手が

どこまで関わって作られたバッグなのかが

わかります。

 

 

底の厚みもたっぷり取って、

入れたいと思うものが

すべて入るような容量にしました。

 

バッグばかりは

どんなにデザインが良くても、

入れたいものが入らなければ

持つ気になれません。

 

でもこのバッグ、

フタ部分の使い勝手がとても良いと、

ひと目見てわかります。

よく考えられたバッグでした。

 

 

こういう複雑なデザインバッグの場合、

どこかを動かそう(変えよう)としても

なかなか動かし難いことが多いです。

 

それは、使い勝手=この複雑な作り

に直結しているからです。

 

すっきりとどこかを省いてしまうと、

使い勝手はかなり悪くなってしまいます。

 

 

デザイナーは

製作についてのさまざまな意味を

紐解きながら、

 

クライアントとお話をしている

瞬間瞬間、ご依頼に対して

なにがベストの作りで、

どうすればご希望が叶うかを

判断していきます。

 

時に

ほんの小さい変更、と見える内容が、

全体の構造を

変えてしまうことさえあります。

 

 

このバッグ、

なんとショルダーベルトが取り付けでき、

ショルダーバッグにもなります。

 

見た目に小さく感じても、

パンパンにものをつめた時には

重く感じるでしょうから、

当然の解決と思います。

 

新鮮なアプローチを

いつもいつもありがとうございます。

 

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