革製品のオーダーメイド 銀座 オーソドキシー

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2019.07.27

使い込んだシステム手帳と二つ折り財布 86

38年もやっておりますと、

今までオーダーくださったクライアントが

ご自身で使っているところを

見せてくださる機会に恵まれます。

 

本日は、良く撫でてくださって

きれいに育った ふた品を

拝見させていただきました。

 

良いテリが出て

愛されていることが、にじみ出ています。

ちゃんと撫でていただき、

ありがとうございます、嬉しいです!

 

 

このように、ふたつの手のひらだけで

お手入れできる大きさの革製品でしたら、

使いつつ、

とにかく手でなでてあげてください。

 

そうすることで、

キズ付けた革の表面も

次第に治っていきます。

 

キズは全く消えてしまう、

というわけではありません、

しかし、癒えて、表面に脂が回り、

だんだんと目立たなくなって、

最初とは違う貫禄が出てきます。

 

これこそが

使い込んだ革だけが持つ特長です。

 

 

こうした特長は

どんな革にでもあるわけではありません。

 

すっぴんのお肌に水染めで色をかけ、

表面を均一にするような加工をしてない、

当店特製牛革のような

ナチュラルな革にだけ見られる特長です。

 

以前も書いたように、

革という素材には

同じ作り方の革は、ほとんどありません。

みな細部が違っています。

 

革の注文者から要求されている、

出さなくてはならない表面の均一感や色が、

革の作り方を大きく左右します。

 

 

通常の革の注文者である製作者サイドでは、

量産品を作るためのセオリーに則った

革質を望みますから、

 

当然、一点一点、

革の部分部分を吟味してから製作に入る

当店のような作り方に要求される革質とは、

まったく違っています。

 

革の作り方によって、本来

革のお手入れの仕方は変わってきます。

 

ですが、あまりにたくさんの製作方法に

枝分かれすることから、

「これでオッケー」という

オールマイティなお手入れ方法はないのです。

 

また、小さなものなら

手で撫でる、で事足りるのですが、

手の大きさだけでは足りないほど

大きなアイテムになってきますと、

たまに油分を補ってあげる必要が出てきます。

 

 

そんな時何のオイルを使うか…

 

市販品には、驚くほどたくさんの

ケア用品が出ています。

 

デザイナーも長い間

さまざまなものを試してきました。

やはり共通させられる決め手は

なかなか見つけられません、が

 

近ごろ、これが良いかな、

という方法が出てきました。

それは「ヴァセリン」を使ったお手入れ。

 

そもそも革は

私たちの皮膚と同じメカニズムを持っています。

ですから、

女性のお肌のお手入れを基本にして、

やり方を考えていただくと良いのです。

加工によってそのメカニズムが失われた革でも、

お手入れ方法は同じと考えてください。

 

・乾拭きする(埃や汚れを取る)

→オイルを塗りこむ(栄養を与える)

→乾拭きする(余分な栄養を取り去る)

これが、革のお手入れの基本の考え方。

 

 

塗り込むオイルとして

「ヴァセリン」を使ってください。

何回か洗った乾いたタオルに

ヴァセリンを乗せ、良く伸ばしてから

その部分のタオルを指に巻き付け、

くるくると回すように塗り込む。

 

最初と最後の乾拭きを忘れなければ、

ソファーでも靴でもジャケットでも、

きちんと油分を補うことが出来ます。

 

「ヴァセリンならうちにあります!」

とおっしゃる方も多く、

お子様やご自身のハンドクリームとして

使っているもので済むなら、

特別にお金をかける必要もありませんし、

さて、と気張って

お手入れする疲れもありません。

ぜひお試しあれ!

 

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